2013年9月27日金曜日

北海道の直売所の1例-「のっぽろ野菜直売所」は地元色一杯!


   久しぶりの北海道行き。仕事の復路にあった江別市西野幌111の「のっぽろ野菜直売所」に寄ってみた。北海道ではごく普通の中規模の直売所ではないだろうか?売り場60坪ほど。レジ3台。だが内地と比べ駐車場は、約74台と広い。広さを利用し、収穫祭ほかの各種のイベントがやられ、直売所を結ぶスタンプラリー・コースの1つにもなっているようだ。 

 
 
 営業時間の8~17時は並みだが、北海道の気象条件や生産条件を配慮し、営業期間は4月中旬から11月中旬まで。そのかわりこの期間は無休で分かりやすい。 

 HPによれば販売品はグリーンアスパラ、ブロッコリ―、トマト、ホウレンソウ、ジャガイモ等・・・となっているが9月下旬のいまは、ジャガイモ、ニンジン、カボチャ、ニンニクなどが目立つ。 

 ジャガイモは10キロ箱の箱売りが約100箱もうず高く積まれている。ここが内地と違い、大量生産に見合った販売?・・・10キロで男爵1,300円、メークイン1,500円、キタアカリ1,300円とか1,500円。このほか、袋入りの100~150円のキタアカリ、男爵、レッドアンデス、キタカムイ、コロールも置かれ、ジャガイモ王国を反映している。
 
 
ジャガイモの箱売りコーナー 

 カボチャは1/4切りが中心で、顧客の買い易さを意識していて好感が持てた。100~130円だ。ニンニクは6アイテムと豊富で1袋150~200円ほど。無臭ニンニクもあって350円。ニンジンも9アイテムと多く、洗い・泥があり黄ニンジンもある。 

 今回、見ることはかなわなかったが、8月には平日500本、休日1,000本のトウモロコシを売るというから、観光シーズンの繁盛ぶりはすさまじいのではないか。おかげで、忙しさにも慣れているのか、従業者の接客ほかの動きもキビキビであったのが印象的だ。
 
 

2013年8月27日火曜日

平均年収2500万円の長野県川上村!(フジテレビ8月25日放映)


  長野県南佐久郡川上村は県の東南の端に位置し、標高1,110~2,595mに展開する高原の村である。人口4,759と少ないが、実践的で情熱あふれる指導者の藤原忠彦村長の永年にわたる村興しの努力によって、農家の1世帯の平均年収は2,500万円になっている(主にレタス?)・・・というフジテレビの放送内容である。これは桁はずれのすばらしい数値だ。
 
 
 
 藤原氏が企画課長の時代に、路線バスの廃止という事態に直面。生活の基盤を失えば、村は荒廃する。着目したのはスクールバスだ。「これを一般住民にも利用できるようにする」案を持ち、当時の文部省に掛けあったが、通学用のスクールは文部省、住民用のバスは当時の運輸省・・・という縦割り行政のため、なかなかOKが得られない。住民を乗せれば小額なりと運賃を取らねば、運営が出来ない。スクールバスの運行趣旨と矛盾が生じるからだ。

 
 

写真① 現・藤原忠彦村長

 だが、藤原氏はあきらめなかった。何回も関係の省庁に足を運んだ。そのうちスクールバスの運用規定のなかに「住民のために、利用するすることもできる」の条項があることを発見、これもとに再度交渉し、やっと文部省等の認可を得て、スクールバスの住民利用が実現した。小学生の乗る無料バスに、料金を払い地域の住民も乗る・・・地域活性化のほほえましいシーンも放送された。

 
 次に村の発展策として取り組んだのが、村営ケーブルテレビ局の設置だ。村の将来を考えたたとき、情報化時代に対応する必要がある。つまり、毎日のレタス等の相場情報を正確につかみ、各市場にタイミングよく出荷することができてこそ、不安定な経営を改善できると考え、前例を見ないケーブルテレビ局の設置に約2年かけ取り組んだ。

 これには、「関係官庁の方も、後半いろいろアドバイスしてくれ助けられた」と、感謝の気持ちを語っていた。小学校の廃屋?を利用してテレビ局は作られたようだが、的確な相場等の情報発信だけでなく、村の教育、郷育の要(かなめ)と位置付けられている。

 
写真② レタス畑の収穫
 
<感想>地方では確かに人材が得にくい。しかし、小さい町や村では1人でも熱心な改革者が行政やJAの中にいて、その人が信念を貫き、あきらめず努力すれば、改革が進むことを教えてくれる。
 
 「葉っぱビジネス」で有名な徳島県上勝町にしても、地元JAに席をおいていた横石友二氏(現・第三セクター株・「いろどり」社長)の努力が実ったものである。共通しているのは、上勝町でも「葉っぱビジネス」の成功要因の一つが情報の強化だった。1992年から町の防災無線を活用し、市場から来た注文をファックスで農家に一斉に流し、高齢者でも使える専用のパソコンを農家に貸与して、正確・迅速に出荷対応した。また、出荷情報だけでなく、各農家の売上高、売上順位なども流し、生産意欲を刺激してきたという。結果は2012年の「彩事業」のみで、年2億3千万円、関係農家194軒という。
 
  当方も1昨年、農水省の6次化事業のため20以上の市町村を訪問したが、日常業務のみに追われていて、6次化という新規の事業への理解は極めて不十分であった。各市町村の農・工・商の予算を合わせても、円グラフに表現すれば棒グラフにも似た少ないものである。これでは「日常の定番行政メニューを右から左に処理するだけに終わってしまうのもムべなるかな」と思った。
 
 だが、国・地方財政のひっ迫を考えるなら、川上村のように、公僕として「金を掛けなくても改革できることは何か」「いまある資源(例えばスクールバス)をもっと有効化できないか」「国の補助金を有効活用するすべはないか」など、考えていただきたいし、いまの世の中にはこれをボランティア的にも支えていきたいと思う人も多いことを市町村の職員は真剣に考えてもらいたいものだ。
 
 
 
 
 
 
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2013年8月3日土曜日

「成城石井のスーパー惣菜」の本-旬と手づくりへのこだわり!

   私の食品スーパーに関係した仲間は、成城石井(東京都世田谷区)を[あこがれのスーパー]として育ってきたものだ。50坪、100坪といった比較的狭いミニスーパーでありながら、通常の2~3倍もの品揃えをし、しかも「こだわりの商品」ばかり・・・その個性は大手スーパー・チェーンを寄せ付けないものだった。まだ20~30店舗ほどと思っていたが、すでに100店舗とのこと。伸びるべくして伸びている。
 
 青山の紀ノ国屋には洋の香りが強いが、成城石井には和・洋とり混ぜ、日本の食文化に根ざしたものを感じてきた。それが、最も良く表現していたのが惣菜である。今般、講談社から「成城石井のスーパー惣菜」(1,300円)が出版された。「高級スーパーで人気のあの味が家庭で作れる」の帯がついているが、和・洋・中華・エスニックの36のレシピが紹介され、味の決め手になる原材料や調味料も写真入りで添えられている。
 
 
 問題は真似ることではなく、その根底に流れる姿勢である。
「お客様の一つ一つの声に耳を傾け、厳選していくうちに、直輸入のワインやチーズ、菓子、調味料、さらには自家製の惣菜といった成城石井流の品揃えが充実していった」
「本当に価値ある商品をお客様にお届けしたい!が成城石井の想い。たとえば自社輸入ワインは、低温輸送するリーファーコンテナーで現地のワイナリーから店舗まで、外気の影響を受けることなく運びます」
 
 ・・・という記述がある。質を誇るには、それを裏付ける顧客志向、システムの強化まで完全を期すことが必要なことを教えてくれる。
 
 部門別のバイヤーさんの努力も紹介されている。こだわりは半端ではない。青果担当のばあい・・・「ハーブの使い方が分からないので、自分で家庭菜園を始めた。自分で体験すれば、農家の方が創る野菜はプロだなと思う。なかでも高知県の「りぐり自然農園のミディトマトは皮が軟らかくて、さわやかな甘さでうまみも抜群。それもそのはずで、アミノ酸たっぷりのカツヲの魚粉を肥料に遣い、ミネラルを多く含む海洋深層水で育てている」と述べているが、素材の特性をつかみ、それを生かしてこそ、美味で健康的な惣菜が生まれることを教えてくれる。精肉、酒、乳日配担当のバイヤーも同様のことを述べている。
 
 そして、成城石井のこだわりについては、①旬や産地に徹底してこだわる。②手づくりに徹底的にこだわる・・・の2点をあげている。あとは、直接購読して、その神髄を理解することだと思う。レシピごとの写真も大写しで、見た目から、その美味しさも伝わってくる本である。
 
  よくレシピを見ると、1品当たりの素材+各種調味料等の数は、少ない場合14~15点だが、多くは18~25点になり、最大限に味他を追求していることがわかる。点数が多いからといっても、調味料などは、きちんと並べておけば、混ぜるのにそう手間のかかるものではない。「時に少々の手間も惜しまない」が味の極意につながるのではないか。
 
 
 
 
 
 
 
 


2013年7月12日金曜日

農産物直売所とスーパーの陳列の差-立体・日々の演出!

 
  携帯電話のカメラを使うのは不慣れで、80%かた手ぶれが起こりピンボケになってしまう。申し訳ないが、下記の写真はスーパーのなかでも陳列にことのほか力をいれている2店舗のものだ。
 
 
 
 上記の2点の写真は、優良スーパーYの青果コーナー。中央部は平台だが、ダミーを雛壇状に置いて、商品を盛り上げている。ここため、奥のほうの商品まで目に入り、買い回り効果が高くなる。同時に下段・上段のどの商品も目線に均等に飛び込み、選択しやすくなる。
 
 一番素晴らしいことは、導入部の平台について、毎日19時くらいから、平台を離し清掃してから、明日に向け、新しい商品の配置を考え、並べ換えを行うことだ。「日々イメージチェンジをし、顧客にわくわく感を与える」といった姿勢を学ぶべきだろう。
 
 地元野菜の直売コーナー(インショップ)は、平台の5つの島からすれば、一番奥に持っていっている。誘導効果を高める工夫だろう。だが同時に、入口付近では日々イメージチェンジの場にしにくいこともあるのでは(直売コーナーは品揃えが生産者まかせのため)。
 
 
 
 
 上の2枚は、4~5店舗のミニ・チェーンだが、グレード・アップを図り、「安売り本位のスーパーではなく、品質・鮮度の高いスーパーに」を目標にしており、素晴しさがここにある。バナナ・コーナーにバナナの木のディスプレーも配置・・・こうした演出が店内随所にされている。同じ品目の品を大小とか、品種を「関連・縦陳列」する努力も徹底している・・・これにより視界に多くの品目が飛び込んできて、選択性も高まる。
 
 スーパーにおいても、現在は非冷の平台で60~70%も売る時代で、直売所とそう変りない。直売所の平台利用についても、スーパーから多くを学び、平台の効率を高めるべきだ。浮いた分の平台は、青果の充実だけでなく、他の部門・・・例えば青果のギフト、その他のギフト、ベイカリー類、和菓子、盆栽、蘭など高級花卉、メダカ等の販売等とその拡大余地は無限にある。
 
 午後になれば、ガラガラの平台が半分以上といった姿から脱皮し、機会損失のない売り場作りもおおきな課題にして欲しいものだ。
 

2013年7月6日土曜日

日本百貨店「ちゃばら」が秋葉原に!珍しい各地名産品一杯!


 東京の秋葉原と言えば電気街にメイド喫茶、コスプレ、萌・・・などアキバ文化の地である。ここにJR系の日本百貨店が5店目の「ちゃばら」を開店した。 

秋葉原駅から3分たらずの山手線高架下である。もと神田青果市場(=ヤチャバ)跡地の直ぐ前であり、ヤチャバとアキバハラにちなみ「ちゃばら」のネーミングになったようだ。他店では売られていない食品の「こだわり名産品」ばかりが、店一杯置かれている。 なお神田市場は、私にとって、青果物の流通問題で数十回通った想い出の場所である。
 
 

 日本百貨店は、「ニッポンのモノづくり」と「すぐれもの」をテーマに、全国の作り手と使い手の出会いの場を提供することをコンセプトとしている。「不定期なワークショップや実演販売など、職人の技を身近に体験・体感してほしい」としている。すでに東京の浅草、調布、神奈川では横浜、大阪では梅田の各店を運営している。

 200坪はあろうか・・・コーヒー店の「やなか」、食堂の「こまき」(鎌倉不識庵)、「カンポ-・カフェ」(長野県),発酵フードカフェ「KURAMOTO STAND」(新潟県)の飲食店もあり、千葉県の「房の駅」(商品すこぶる多い)、なるときんときの「五線譜」(徳島)、ふじのくに「おいしず」(静岡)、大自然のおいしい食材「北海道キッチン」(北海道)、新潟の日本酒{KAYOIGURA}(新潟県)のほか、65に及ぶ地方名産品のコーナーがある。
 

 なるといもの練り込まれたケーキ、梅肉の味のするスナック菓子、トマトのゼリー、宮古島のマンゴー、千葉のジャンボなニンニク、飛騨牛のビーフカレー・・・珍しい品のオンパレード。価格はこだわり品のため高いが、コンパクトな売場で、試食もしながら全国名産品が買い回れる楽しい空間である。(写真下 店舗レイアウト=カタログより)

 

2013年7月5日金曜日

「わいわい市・藤沢店」(直売所)は地域1番部門が多数!



 神奈川県藤沢市の辻堂駅前のショッピング・モール「Terrace Mall」を見るついでに、同市亀井野2504のJAさがみ「わいわい市」藤沢店を見せていただいた。「わいわい」に違わぬ繁盛店で、午後3時をすぎているのに車が20台以上も停まっていた。 

 生活道路と産業道路を兼ねた、467線に面し、広く集めやすいこともあるが、やはり「口コミ」を促がすだけの「優れた店」のためではないか。売場約140坪、レジ6台、駐車場118台、営業時間3~9月9:30~18:00時(他月15:00)、定休第3水曜と年末年始4日である。最低でも年6~7億円ほどは売っているのではないか。 

 品揃えのメリハリが効いていて、地域1番店と言える品揃えの部門が4つも、5つもあることだ。

1.まず店頭の花と野菜苗の豊富さだ。店頭の軒下からあふれ300アイテムはあるのでないか。野菜苗だけでも100~150円ほどの品が60アイテムほどあった。 

2.店内の入り口近くには、1,500円から最高10,500円の蘭が置かれ、「ギフト承ります」のPOPが印象的。安売りに走らず高級なギフト需要を開拓しているのが素晴らしい。(写真・下)
 
 

3.野菜の売れ筋のトマトも半端ではない。平台6尺×7台の陣形で、およそ22アイテムあった。桃太郎はもちろん、ミニトマト、青トマトはもちろん、中玉で極高糖度のフルティカ品種もある。(写真・下)

4.パンほかベイクのコーナーは6尺×多段6台と広く、オリジナルな食パン、菓子パンはもちろん(蒸しパン、チーズパン等)、パウンドケーキ、クッキー、ラスクなど極めて豊富である。(写真・下)
 

5.精肉は多段6尺×2台だが、結構豊富であり、鮮度も良い。これだけの精肉扱いはあまり直売所ではない。 

 このほか、タマゴにも6尺平台×4台を当てている。水物日配は冷ケース多段6尺×4台分あるが、グスグスで品揃え不足を感じた。ロスを出さず、満杯感を出すには、何を揃えるべきか・・・の課題が残されていると思う。たとえば、味噌、日もちする漬物、佃煮、ときに飲料の一部だ。

2013年6月22日土曜日

農産物の移動販売-セブン・イレブンに学ぶ!

  セブン・イレブンは東北の東日本大震災で自らの店舗を失った地域や、これとは別に今後の買い物不便地区の拡大を想定し、関東の茨城等でも、移動販売車を開発、「セブンあんしんお届け便」をスタートさせている。「顧客のあらゆる便利性のニーズ」を開拓して行こうとするその姿勢に、
おおいに学ぶべきではないか。

 セブンの移動販売のばあい、すぐに食べられ、購入頻度の高い、おにぎり、弁当、パン、飲料など150ほどを積んで販売するようだが、御用聞き-配達にもすでに着手している例もある。

 
   農産物の販売でも、直売所以外に①庭先販売、②HP-注文-宅配といった個人対個人の販売も活発になっているが、たとえHPやブログで宣伝しても、今後増える高齢世帯にはなかなか伝わりにくい。「待つ商法」から「顧客のところまで行く、攻めの商法」があってもよいはず。

 青果、鮮魚、精肉、加工食品など、総合的な「移動販売車」の歴史は古い。昭和40~41年に、冷蔵装備の移動販売車が正式が許可されたのを覚えている。これより前に、戦後いち早く青果の引き売りが登場し、昭和の30年代には、各市場に行くと仕入れや陳列を終えた移動車が、何台も市場で時間待ちをしていたものである。スーパーの拡大とともに、移動車の影は急減していった。

 だが、青果を中心とした移動販売の可能性は①こだわり農産物の拡大(スーパーではほとんど売っていない)、②顧客の高齢化で車で動けない買い物難民の増加、③新たに人のつながりを大切にする流れ・・・のなかで、充分あると見る。これは推測でなく、当方も実際に4農家の青果中心にした、タマゴ、農産加工品を積んだ移動販売を乗用車で実践してみて、可能性を実感した。


 <写真>乗用車の後部座席を倒し、売り場に変身。軽トラックでも良い

  これを成功させるには、いくつかの要件を満たす必要があることも分かった。これなら成功するだろう要件(失敗要件もふくめ)をあげると・・・

  ①我が家の近くにも、毎日曜にタマゴの移動販売車が、拡声器で「〇〇のタマゴ、よいタマゴ」とふれてくる。広域に回り、各地で固定客をつかんでいるはず。週1回と多頻度でなく、購入頻度を考えて巡回している。けっこう高額のこだわり商品のため(1kで500円近い)、ガソリン代も出る。

 ②野菜のばあい単価が低い。プラス果物、タマゴ、こだわりの6次産品まで混載し、単価の向上を図る。野菜だけでは300百円程度の客単価も、プラス商品があれば時に1,000円を超え、平均500円にはなる。

 ③宣伝カーの形を採り、随所で品目を上げ呼び込みをしても、顧客は外に全く出ってこない。一方、外に出ている人に声を掛ける方法もあるが(キャッチの可能性高い)、車の走行距離ばかり延び、ガソリン代が出なくなる。

 ④正しくは、名もでている住宅地図も用意し、特定団地群を軒並み呼び鈴を押して回り、「是非、車の商品を見てください」とアプローチする。この方法だと10軒に1軒は外に出てきて、品物を見てくれ、会話も弾み、固定客にできる。地図の名前に赤マルを付け、次回には必ず声を掛け、順次固定客を増やしていく。
 

  都市部はずれの新興・中高の住宅団地が500世帯としても1/20を獲得すれば25世帯・・・客単価500円とすれば、1日12,500円という数値にもなる。所得は1日5,000円になるはず。1/10を獲得すれば倍の効率になり、企業として成立もする。


  無為に庭先で待ったり、HPの反応を待っているより、この攻めのほうが顧客獲得の早道になるばあいもある。いずれににしても、濃密な住宅地を回り、日々2~3人の固定客を増やし、同時に顧客のニーズを聞き、自家で調達できないものも、注文-仕入-配達のスタイルでお届けしていく。こうした努力があれば、かならず上記の目標も達成できる。

 
 品名のPOP、プライスのPOP(両者切り離し、値段の日々の変化に対応)、釣銭も充分用意して(1日20,000円分の千円、100円、50円、10円玉)。1円は用意しやすいが5円刻みの売価でよい。さらに、持ち込む商品について品種、美味、安全、栄養価、料理法などを期した印刷物(コピーでよい)を用意し手渡しすれば、販促効果も高くなる。


7月31日追記
 
 
 セブン・イレブンだけでなく、イトーヨーカ堂本体も7月30日のテレビ報道によれば、中型バス並みの移動販売車を、東京の多摩ニュータウンの買い物困難地区の団地エリアで運行を開始した。ヨーカ堂の南大沢店が基地のようで、かさばる青果物については、別の車で荷を運び、路上販売もしているようだ。販売地点は、地元の市の要望にしたがい設定したという。

 地元の高齢者からは「大変、助かる」の感謝の言葉ばかりが聞かれた。移動販売の大きな流れが生まれようとしている。

 この多摩ヌータウン地区は、某チェーンの依頼で6~7回ほどマーケットリサーチをしたことがあるが、多摩センターと南大沢は商業集積が進み、買い物環境に恵まれているが、他の地区は、南北に走る丘陵の上に団地が造成され、昔はそれぞれ小型スーパーを含む商店街もあった。ところが、高齢化が進み、他からの顧客の流入がないため、次々と商店が閉鎖され、核となるスーパー
も撤退・・・買い物困難地区が拡大していった。
 

  一つには、団地のばあい公団の商業ゾーンの設計思想のまずさもある。駐車場が少なく、かつ車が進入しにくく、閉鎖的に設計され、広く外部の人も呼び込む姿になかった。地元民の高齢化で衰退に向かうというパターンなのだ。今後、大型団地の造成は少なくなるが、「外部に向かって解放型の商業ゾーンの設計にし、かつ福祉施設を含む永続型のゾーン作りの工夫が必要と言える。 成田ニュータウン他でも、同じ悲劇を見てきた。