2023年4月23日日曜日

畜産は縮小(畜産統計)・・・飼料高でさらに

 令和4年2月の統計でも、各畜種とも縮小傾向。


表―1 畜産の動向-2022年(令和)4年2月1日「畜産統計」

 (  )は前年対比の増減%

表―1 畜産の動向-2022年(令和)4年2月1日「畜産統計」

 (  )は前年対比の増減%

畜種

飼育戸数

減少数

飼育頭羽数

減少頭羽数

1戸飼育数

乳用牛

 

13,300

-500

(-3.6%)

1,000-

-15,000

(-1.1%)

103.1

肉用牛

 

40,400

-1,700

(-4.6%)

2,614,000

9,000

(0.3%)

64.7

 

3,590

-260

(-6.8%)

8,949,000

341,000

(-3.7%)

2,492.8

採卵鶏

 

1,810

-70

(-3.7%)

13,729

-3,406,000

(-2.4%)

75,900

ブロイラー

 

2,100

-60

(-2.8%)

13,923

-428,000

(-0.3%)

66,300

ブロイラー

出荷

2,150

-40

(-1.8%)

71,926

-5,425,000

(-0.8%)

375,000

 どの畜種も微減傾向にある。ロシアのウクライナ侵攻開始が令和4年(2022年)2月24日であり、穀物相場→飼料の急騰が起こる前の統計である。ために微減にとどまっているが、その後の飼料急騰はものすごく、1年で表―2のとおり20%前後である。高止まりの傾向はあるが、飼育頭羽数はこの一年に急減していると思われる。特に養鶏&ブロイラーは、鳥インフルエンザの影響でさらに大幅減が予想される。 

 いずれにしても、飼料の高騰は1.円安による輸入原料の高騰、2.石油ほかエネルギー不足による輸送費、加工費の高騰、3.ロシアのウクライナ侵攻による穀物生産や輸出の減退、4.中国のが穀物の輸出国から輸入国への変化・・・など、多様な要素からなり、一時的な高止まりで気を許してはいけない問題。

表―2 各種配合飼料小売価格  トン当たり:円

年 月

成鶏用

ブロイラー成鶏

若鶏

育成用

乳牛

飼育用

肉球

飼育用

20222

95,380

84,540

79,780

84,330

79,350

20232

115,100

102,200

95,460

99,220

94,770

23/22年比

120.7%

120.9%

119.7%

117.7%

119.4%

 どの畜種も微減傾向にある。ロシアのウクライナ侵攻開始が令和4年(2022年)2月24日であり、穀物相場→飼料の急騰が起こる前の統計である。ために微減にとどまっているが、その後の飼料急騰はものすごく、1年で表―2のとおり20%前後である。高止まりの傾向はあるが、飼育頭羽数はこの一年に急減していると思われる。特に養鶏&ブロイラーは、鳥インフルエンザの影響でさらに大幅減が予想される。 

 いずれにしても、飼料の高騰は1.円安による輸入原料の高騰、2.石油ほかエネルギー不足による輸送費、加工費の高騰、3.ロシアのウクライナ侵攻による穀物生産や輸出の減退、4.中国のが穀物の輸出国から輸入国への変化・・・など、多様な要素からなり、一時的な高止まりで気を許してはいけない問題。

   今後も飼育頭羽数を微減レベルに維持するにはどうするか・・・極めて難しい課題である。当面、農水省の飼料対策を理解し、その補助対策を十分に生かすことだが、生産者自らも「国内自給率の向上」に向け最大の努力をすべきだと思う。

   その対策の中には、1.飼料米の増産、2.飼料作の増産、3.飼料資源の開発・・・3の中には、①作物そのものの残渣、②食品工場で出るカスや不良品、③家庭や給食センター、飲食店等で出る食品残渣、④未利用の植物・動物由来品など・・・があると思われる。

全体に畜種に通用しなくとも、特定畜種の飼料になれば、他畜種への負担軽減になるはず。近所の食品工場や給食センター等があれば、訪ねて見る必要がある。食品残渣については90度c以上、60分以上の消毒が義務になっており要注意である。 

政府の対応 ネット情報原文のまま

1.配合飼料価格高騰緊急特別対策

配合飼料価格の高止まりによる生産者の実負担額増加を抑制するため、令和4年度第3四半期に引き続き、配合飼料価格安定制度による補塡金とは別に、令和4年度第4四半期に、生産コスト削減等に取り組む生産者に対して補塡金を交付します。
【補塡単価:配合飼料8,500/トン】
【交付タイミング:生産者に対し、速やかに交付手続きが行われた基金団体を通じ、価格安定制度による第4四半期の支払いとは別に、令和55月末以降、特別対策の補塡金を順次交付予定】

2.国産粗飼料利用拡大緊急酪農対策

生産コストの削減や国産粗飼料の利用拡大に継続して取り組む酪農経営に対し、購入粗飼料等のコスト上昇分の一部に対する補塡金(経産牛1頭当たりに換算)を交付します。
【補塡単価:都府県10,000/頭、北海道7,200/頭】

【交付タイミング:事業実施主体に対し、速やかに交付申請手続きが行われた農協等を通じ、生産者には令和55月末以降、順次交付予定】

3.配合飼料価格高騰緊急対策事業

令和5年度以降、配合飼料価格の高止まりが継続し、制度の仕組み上補塡が急減することで、飼料コストが急増することが懸念されるため、一定期間に渡り連続で補塡が続いた後の配合飼料価格の高止まり等の場合に、飼料コストの急増を段階的に抑制する「新たな特例」を制度内に設けて、生産者に補塡金を交付します。
【新たな特例の概要】
<発動条件(トリガー)>
2
年(8四半期)連続で補塡が発動している
異常補塡が発動しない等
<補塡額の算定ルール等>
基準輸入原料価格の算定期間を直前1年間の平均から2.5年間の平均に延長
補塡額の上限を設定(前四半期の3/4
民間(メーカー・生産者)の拠出を条件

お問合せ先

1.配合飼料価格高騰緊急特別対策

畜産局飼料課
代表:03-3502-8111(内線4856
ダイヤルイン:03-6744-7192
2.国産粗飼料利用拡大緊急酪農対策

畜産局牛乳乳製品課
代表:03-3502-8111(内線4932
ダイヤルイン:03-3502-5987
3.配合飼料価格高騰緊急対策事業

畜産局飼料課
代表:03-3502-8111(内線4856
ダイヤルイン:03-6744-7192


2023年4月4日火曜日

ガードレールはサビ・コケ一杯ー日本風景の汚点

                            ホワイト・エンジェル構想      

 1.見るに耐えないガードレールの汚れ

 いま街中の風景にあって、最も汚く美観に反しているものは何か、考えたことありますか? 答はガードレール(波板状のレールと円筒状のパイプの2種を含む)である。車の暴走から人間を守る大切な設備だが、9枚の写真のように、サビや苔+泥で表面が覆われているケースが全体の半数にも及ぶのでは。ときに文字が落書きされていることもある。


写真① 20年近く経ち、全体にサビだ噴き出している。通学路脇である。


写真⓶ 車の接触で起きたサビばかりでなく、運搬時のスレからもサビが起きる

写真③ 雨水の飛び跳ねにより、土砂と苔で全面汚れナメクジの跡も。


写真④ 目立つ場所程落書きが多い。5ケ所程消してみたが、幸いその後落書きなし

       

 普通、白く塗装されているが、白は清潔、純真、明るさ、シンプルなどの象徴だが、学童の通学路の場合、毎朝サビだらけのガードレールに挟まれて通うのでは、晴れやかな気持ちになれないし、家庭内外の美観教育の面でマイナスである。インバウンドによる観光立国を目指している現状を考えても、美しいはずの日本のイメージを損なうことになる。 

なぜガードレールが決まって汚いのか? 法定償却年限は普通10年とされているが、実際はサビや汚れがひどくても20年も保つ。この建造物の管理者は国道なら国、県道なら県、市町村道なら地元の自治体となり、予算不足で新しい物への交換は、車がぶつかり変形した場合のみに限られているように思える。サビたり土やコケで汚れても、再塗装するとか洗い流すという概念がない。だれも塗装や洗浄現場を見かけた人はいないはずである。

最近はサビやコケの汚れが目立たない、黒褐色のガードレール等に転換をはかる市町村も増えている。問題は現在設置されている白のガードレールの汚れをどうするかだが、予算が不足で新規交換はもちろん、塗装や洗浄が全面的に出来ないとすれば、第3の策を模索すべきだ。つまり費用をかけず美化を図る塗装という方法である。 

2.自治会やボランティア団体の活用

交換の場合、(イ)1枠3mのガードパイプで平均31,500円、(ロ)1枠2mのガードレールで平均21,000円ほどかかるようだが、仮に塗装や洗浄をボランティア団体や地元自治会がすれば、当方の試算では(イ)で2,500円、(ロ)で1,800円程かければ済む。交換の10分の1以下の出費である。 

経費の内訳だが、私の実証実験からすると1枠当りの経費は(イ)の場合、市町村や県、国の管理費500円、ペンキやハケ、雑巾等の資材500円、ボランティア団体等の受け取る労働報酬1,500円の計2,500円。(ロ)では400円、400円、1,000円の計1,800円ほどである。管理費については、あくまで「この程度で抑える」という目標値・・・現場の事前・事後の点検、資材の調達、市町村・県・国相互の連絡、警察との協議等を含む。100枠単位を原則とし、(イ)では1事業25万円、自治会等の労力報酬15万円、(ロ)では1事業費18万円、自治会等の労力報酬10万円とし、年10団体程を指定していけば、15万人程度の市町村でも2~3年でガードレールの完全美化が達成可能と見る。なお当方のやや不完全な試算だが、1時間2千円の労働報酬になり、決して低額でも高額でもない。 

団地内等のガードレールのプロの塗装を見ると、スプレー式で表目もつやつやしている。素人の刷毛による塗装だとムラもあり、刷毛あとも出る。しかし2度塗りをして整えれば、2mも離れるとほとんどスプレー塗装と見分けがつかないし、5年くらい見た目の良さが維持できる。11年目、16年目に作業を実施すれば20年間かなり美しい姿が維持できると見る。 

自治会やボランティア団体を作業実施主体にするのは、美観の廉価維持とともに、これら団体に金を流し経済的に支援して活動の活性化を図る・・・といった一石二鳥を狙うからだ。白いペンキとボランティア活動の融合を考え、私はこれらの行動を勝手に「ホワイト・エンジェル構想」と命名している。今後人口の急減で市町村財政はますます苦しくなる。一部の公共活動に住民が参加し、廉価に実施していく必要があり、その先鞭をつけることにもなる。ガードレールの塗装は、今まで行われてこなかったことで、塗装業者を圧迫することもない。 

問題は国道、県道、市町村道ごとに管理者が異なり、各国、県、市町村にそれぞれ了解を得る必要がある。さらに管理者以外が道路内の工事や作業を行う場合は、実作業者が場所、日時も明確にし、地元警察に「道路使用許可書」を提出する必要がある(この書類は3万円も払い司法書士にまとめてもらう必要すらある)。幸い道路管理者自身の工事や作業は「地元警察署と協議すればよいことになっている。問題は、道路管理者でない一般住民が、管理者の許可なく、善意で道路の清掃や草取り、ガードレール等の塗装をすれば「違法行為」として罰せられる可能性があり、こうした善意の行動が奨励される仕組みを創る必要がある。 

行政側が「ガードレール美観維持の全国共通のルール」なるものを決めれば、簡単な道路許可書を記入し、警察に事後に提出するだけでOK・・・ということも可能になるはず。そうすれば年2回の清掃デーにおいてもガードレール等の清掃も可能になる。 

いずれにせよ事務手続きは、素人集団の自治会やボランティア団体に任すのでなく、1枠(イ)500円、(ロ)400円といった予算枠のなかで、市町村の道路課が一括処理するのが妥当である。費用はそれぞれの道路管理者が負担するわけで、県、国が管理者の場合、市町村がそれぞれに実額を県、国に請求する。そして市町村が自治会やボランティア団体等に労働報酬を払い、資材は市町村が一括調達し、団体側に必要量を渡す形が望ましい。 

自治会やボランティア団体は、仮にAで100枠、Bで150枠を請け負えば各15万円が報酬となる。3~4人1組で3~4時間の作業を3日もすればこれを消化できる。打ち合わせや安全管理の手間まで入れても、時給2,000円ほどになり貴重な収入源になり得る。貢献度で分配するもよし、プールして全体の運営費にするもよしである。日本では寄付というものが定着しておらず、多くのボランティア団体は身銭を切って活動している(私自身も①団地内の芝生と花壇の管理、②歌声サポート、③2つのブログの発信と3つのボランティア活動)、この改善に少しでも役立つはず。 

問題は手をあげる自治会やボランティア団体がどれほどあるかが、懸念材料と言える。草刈り隊とか労力本位の活動をしているボランティア組織だけでなく、芸能ボランティアや女性組織であっても、体力仕事でないので(丁寧仕事)実施可能と見る。提案者は86才のブログによる有益情報の発信、芸能や緑化のボランティアだが、1時間に10分程度の休みを挟めば1人でも一気に10枠程の洗浄・塗装作業もできた。問題は作業の厳しさよりも、走行する車から身を守る安全対策が最重要である。 

緑の牧場に白い牧柵が映えるように、真白なガードレールは町や村の美観を引き立てる。花一杯運動のようにガードレールの美化運動が、全国に広がることを望むものである。この普及のため説明会に呼んでいただければ(ただし有償)喜んで伺う次第である。

                                   近藤 穣

 

      ガードレール(&パイプ)塗装作業マニュアル

1.安全第1主義

①3~4人の組作業とし、必ず1人は自動車備え付けの赤いニンジン棒を持ち、安全管理の権限と義務を果たす。

⓶自動車の進行が見えるよう、車の進行方向と逆方向に作業を進め、安全管理者は反対側車線の歩道から適格な避難の指示を出す。

③塗装作業者は歩道の内側より身を乗り出す形で、汚れの拭き取りや塗装作業し、よほど交通量が少ないときのみ、ガードレールの外側で作業する。

④車が50メートル以内に接近する前に、ガードレールの外側での作業、内側から乗り出した作業は完全中止する。歩道内側の作業はこの限りでない。

 ⑤歩行者へのペンキの付着を避けるため「ペンキ塗り立て」と書いた用紙を準備し、6m間隔ほどに分かるよう表示するとともに(A4半分に赤文字で記入)、歩行者の安全についても十分に配慮する。 

2.用意すべき塗装用品他の備品

(本来、市町村で一括準備すべきもの。各パイプ100枠、レール150枠の税込概算)

①ペンキ 現在は扱いやすい水性ペンキが質も向上し良いとされる・・・水性多目的用途1.6Lが1缶税込み4,070円×11缶=              

                                          44,770円

(その後の調査で、「サビの上からでも塗れるものがあり、このほうが2回塗りをしなくてよさそう)

⓶刷毛  徳用幅70mm=1本184円×4本=   736円  

   徳用幅30mm=1本129円×4本=  516円 

③軍手 日本一軍手 12組×4入り(多すぎ)    959円             

④金ブラシ 小判型ブラシ面約4×5cm(金額調整項目) 

,612円

⑤雑巾 20×30cm綿×10枚=382円 ×2

                       764円

⑥薄め液 手や服についたペンキの除去                                                

1缶400ml        643円

合計  (パイプ3m幅100枠分 レール2m幅150枠分)

 50,000円

  作業衣 水性ペンキと云えども、純化繊の衣服以外はいくら

洗っても取れない。このためペンキがついてもよい着古しの作業着を用意。前掛けをつけるのも良い。   自己負担                                   

  ペンキのタレ防止板 段ボールや薄板を30×120cmの

切り、短辺に穴をあけ、針金90cmを取り付け引っ張れるようにし、塗装する位置の下に敷く・・・これにより路上にペンキが垂れるのを防ぐ。                団体負担 

3.作業は3~4人の班編成で

 ①ガードレールは、コケや泥を洗い流す作業が主、塗装作業が従の面が強い。1人が安全管理、1.5人が雑巾とミニバケツを持った洗浄要員、0.5人が部分的な塗装作業の3人編成で良い。 1枠が普通2m。

 目標所得を1時間2.000円とすると、1枠の目標作業時間計10分。3人のため合計作業時間30分。

 ②ガードパイプは、パイプが上下4段や花柄の入った複雑なものもあり、1人が安全管理をし、1人は金ブラシによるサビの除去と雑巾による拭き取り、1人が溶接した継ぎ目など細かい部分の塗装、1人がパイプ主要部分の塗装と4人編成が良い。1枠が普通3m。 目標所得を1時間2,000円とすると、1枠目標作業時間11.2分。4人のため合計作業時間45分。 

4.ガードレールの塗装

 ①ガードレールは、塗装の厚みが厚く、コケや土砂を拭き取ると新品のようにきれいになる。ために、まず洗浄重視だ。雑巾にたっぷり水を含ませ、固まった汚れを溶かす気持ちで拭き、そのあと2~3分置いて水気を絞った雑巾できれいにふき取る。10分も置かないと取れない頑固な汚れもある。

 ②ガードレールは表面のイ)最上部の前出し傾斜、ロ)S型のへこみ、ハ)前出しの緩いカーブ、二)急傾斜のへこみ、ホ)裏面全体・・・とほぼ4傾斜部と裏面に分かれる。コケ+泥の汚れがひどいのはロと二、裏面のホである。

表面でも、反対側の歩道に立つ安全管理者から適切な部位の指示を受ければ、車道に立たず、歩道側から手を出すか、身を乗り出すかで作業は可能である。裏面は歩道側のため安全・容易に洗浄が可能だが、ほぼ全面が洗浄の対象。たいがい真っ白になる。

 ③小さなバケツに水を入れ、雑巾の濯ぎを徹底する。このため自動車等に、充分に補充できるようポリタンクに水を入れ積んで行く。水が不足し、すすぎが不十分だと拭き取っても汚れが残る。

 ④ガードレールは、車の衝突等で変形した場合は交換され新品状態で、このような枠は作業範囲から除く。サビは主に搬送時のスレ、車によるスレ、変形による塗装の剥がれから生じる。このためサビは出張ったイ)の部分に集中し、歩道側から塗りやすい。

⑤サビの多い部位は、この他では枠ごとの支柱、特にその頭部、レール板のねじ止め部分(もともと塗装なしのため錆びる)。かならずこの部分も塗装する。

塗装部分は完全に乾いたのち(夏場1時間、冬場2時間ほどか?)、2度塗りをする。1度塗りだけでは、乾燥時に水分が蒸発する際に微細な穴が出来、サビを誘うからである。 

5.ガードパイプの塗装

 ①1人が安全管理、1人がサビ落としと洗浄、2人が細部と全体に分けて塗装を担当する。

⓶サビがかなり進行して凸凹が目立つ部位は、かならず金ブラシでサビを掘りおこし、やや湿った程度の雑巾で拭き取る。パイプの下面にコケや泥が付着している例も多く、これは乾いた雑巾か濡れ雑巾で塗装前に拭き取る。

 ③パイプの接合部などがサビやすく、広い刷毛では塗りにくい部分を細い刷毛で先行塗装し、そのあと縦・横のパイプの主要部分を塗装する。

  ペンキはあまり薄めず、塗りにくいが厚く塗る。しかも完全に乾いてから、微細な空気の抜けた穴を防ぐべく、完全乾燥後(1~2時間後)に2度めの塗りをする。特に最上段が錆びやすく、丁寧に塗装する。 

6.作業後の後始末と労働報酬の配分

 ①あらかじめ「ペンキ塗り立て」の用紙を作っておき(B4の半分。赤文字)、6m間隔ほどに貼る(あとではがしやすいようヤマトノリのようなものを使用)。

 ⓶手足についたペンキは薄め液で拭き取り、衣服についたものも完全な化繊品ならば、薄め液で拭き取れる。

③刷毛は安いものでも、水でペンキを完全に拭き取っておけば、2~3度は使える。空き缶に水を入れ、これに差し込んで置く方法でもよい。

 ④ペンキの空き缶は仕入れ先に引き取ってもらうため、どこか雨の当たらないところに集中保管をし、市町村経由で回収。

  作業後、速やかにイ)作業開始時間、ロ)休憩時間、ハ)終了

時間、二)完了したレールとパイプの枠数、ホ)各人別の作業時間、へ)給与品以外の購入資財の値段と数量(追加請求のため)・・・等、必要事項を記録する。このためあらかじめ記録係も決めておく。

  労働報酬はイ)各人の作業時間を正確に割り出し、個人に完全

に配布する方法もあれば、ロ)半分なりを団体活動に使う、ハ)個人に配分はせず、全面的に団体活動に充当・・・など3通りの利用法があるはず。この点について十分検討し、結論を得てスタート。

なお時給換算2,000円は実証例が少なく、必ず実現できるとは限らないし、それ以上もあり得る。最低賃金は府県で異なるが、1,000円程度であり、2,000円はこれより高いが、野外の汚れ仕事であり、散発的な仕事のため高すぎるというものではない。また課税問題等は専門家のアドバイスが必要。

 なお、得る作業報酬を公平にするには、ガードレール、ガードパイプの長さの違い、ガードパイプの場合規準を3段式に置き、段数や文様の違いを考慮し、所要時間を決め、これ等を加味し請負枠数を決め、報酬も決める必要がある。この1覧表も型式別の写真付きで作成してある。

    

  ホワイトエンジェル構想に協力できる方やボランティア団体、町会の方や本欄への投稿希望者は 是非 jkondou@biscuit.ocn.ne.jp  近藤宛に連絡乞う。 

 

 写真:通学路に面した場所で、左側は塗り直した箇所。

  以上の原稿については関東信越の9知事と、これらの県に関与する主要新聞社に送付したが目下、一県を除き反応ゼロ。余分に金は出したくないのか、国、市町村に問題が分散すらためか・・・理由は分からない。皆様の投稿や行政機関へのプッシュをお願いしたい。


2022年12月12日月曜日

古地図で見る農村の変貌(入間市野田地区)

 

写真:わずかに黄色く見えるのが田んぼ。上方の中央が、最も広い谷田の泉を水源とした

 昔の水田部。水田には無数の上田、中田、下田、下下田の文字が書かれている。


                                                                                       近年になり、鮮明に描き換えた同地図

   入間市野田という名は、南北朝時代(1336~1392年)からあったそうで、武蔵七党の円党に属する野田氏が開拓した土地だから、その名がある。 

仏子エリア全体の古地図にはまだ接していないが、入間川北側の野田については、明和4年11月(1767年・・・今から255年前)に記された「野田村絵図」という古地図が西武図書館に保存されている。ほぼ、今の野田のエリアに近いと思われ、谷田の泉の南西部に楕円形の、そして円照寺の北部にはおしゃもじ型や、東西に延びる細長い田んぼが見られる。全体の面積の20%以上は田んぼだったのでは。 現在は田はゼロに近い。

田んぼには必ず上田、中田、下田、下下田と4区分の字が無数に記されている。これは、田の年貢取り立てのための生産性(収量)の差を現わすようで、この地図は、地元領主が年貢取り立てのために描かしたものと思われる。畑にも上畑、中畑、下畑の文字が書かれている。

当時の人家も1戸ごとにマーク的に描かれており、私の計算だと137戸になる。現在の大字・野田は2022年11月現在4,203世帯であり、30倍も戸数がふえたことになり、明治以降~高度成長期に急速に住宅地として拡大してきたと言える。 

住宅地の中に「おしゃもじ田」というところがあるが、2~3年前はかつて田があったことを思わせる底地だった。円照寺以北の水田は、入間川から水を引くのでなく、谷田の泉近くの田のように、段丘の湧き水に支えられていたはずである。谷田の泉=「下池」の西方向にもう一つ「中池」というため池もあり、田の水源になっていたため、谷田の水田といわれるものが、水田としては最も広く描かれている。他の水田は飯能側から流れこんだ川沿いに細長く東西に延びる横長の田がほとんどで狭い。。


谷田の泉と周辺.







写真:上は「下池」と言われる

谷田の泉を支えるため池

中は「谷田の泉」の説明板・・・詳しく非常に参考になる。

下は昔、泉につながる水田だった低地…驚き!水田が現存した!!

      小学生さん等のための実験田か?刈り残しのイネ株ー野田最後の田!

 現在の谷田の泉は、段丘の下部からわずかな水を噴き出しているにすぎないのか、土手で囲んだ下池というため池は水量があるものの、よどんで流は感じられない。スズメバチの巣が付近にあるため「注意」の紙がはられている。人影が少ないのはこのためか。南手には昔水田だった面影のある低地が広がり、水を流す水路が周囲を囲んでいて、一部に刈り後のイネ株が。現在ここ以外には田は皆無のはず。この野田地区の大方のエリアには、畑もかなかなり残っていて、貸農園もある。

2022年9月24日土曜日

下水道処理品から廉価なリン肥料

 この記事はネット上に津村豊和さんという方がアップした記事である。下水処理場の汚水をもとに安価にリンを取り出した話。この再生リンを使った肥料は従来より2~3割も安くなる耳よりな話。ぜひ農業者やJAは地元の下水処理場と話し合ってみる必要がある・・・・


福岡市に七つある下水処理施設の一つ、東区の和白(わじろ)水処理センター。積み上がった白い結晶を職員に両手のひらですくってもらうと、指の間から砂のようにさらさらとこぼれ落ちた。臭いも全くない。

 結晶の正体は「再生リン」。窒素、カリウムと並ぶ化学肥料の3要素の一つのリン酸を、市民生活で出た下水から回収、抽出したものだ。市は博多湾の水質汚濁を防ぐため、1996年にリンの回収事業をスタート。さらに、国土交通省が開発した回収技術を今年4月に導入したことで回収量が15倍になり、年間に最大で150トンを見込めるようになった。

 回収量が増えたのを機に福岡市は、JA全農ふくれん(同市)と共同で、再生リンを使った肥料の製品化に取り組むことにした。従来商社に販売していた再生リンは肥料メーカーに渡り、堆肥(たいひ)に配合して肥料に生まれ変わる。ふくれんが8月末から福岡県内で農家向けに販売を始めた。

 日本は肥料に欠かせないリン酸のほぼ全てを輸入に頼っているが、価格はロシアのウクライナ侵攻などで高騰している。そうした中、再生リンを使った肥料は従来品より23割価格を低く抑えられるといい、肥料の値上げに悲鳴を上げる農家にとっては朗報だ。

 約97000人の下水処理人口を抱える和白水処理センターの佐々木友幸所長は「海外のリン市場価格に左右されず、農家に安定的に肥料を提供できるシステムにしていきたい」と意気込む。白く輝く結晶のいくつかは、畑と食卓を経て、やがてこの場所に再び巡ってくる。【津村豊和】


 農水省もさっそく利用促進を予算化(朝日新聞報道)

 10月9日の朝日新聞の1面トップに、さっそく「肥料 汚泥の活用促進 政府 化学原料高、国産化へ」の記事が出た。農水省は2023年予算に3100万円を計上し、汚泥肥料の利用拡大を図る。職員が下水汚泥を肥料化する施設を訪れ、汚泥肥料の成分を実際に測定し、安全性をPRしたり、窒素やリン酸が豊富で使いやすいことをアッピールしていく。

 排水中にはカドミウムや水銀などの重金属が濃縮されている可能性があり、かつ汚泥から作るので臭気も強い。これらに対する十分な対策が必要になるようだ。

 

2022年9月13日火曜日

森永卓郎氏の「マイクロ農業の実戦」講演会ー10月8日

                                

 

  森永氏は独協大学経済部教授でありながら、にこやかに、かつ分かりやすく経済問題を解説してくれる茶の間の人気者。 三冨落葉農業地区を含む所沢市に住み、自らも農作業をし、「好きな物を自分のペースで作るマイクロ農業」を提唱している。 

 10月8日(令和4年)土曜の14~16時に、三芳町藤久保1100-1のコピスみよしホールで、この森永先生の上記に関する講演会が行われる。 演題:「農業との関りで、楽しく、安心でき、豊かな生活を」 400名様に限り無料参加できる。主催は三冨地区農業振興協議会。申し込みは10月3日締め切り。

電話 :049-242-1808

FAX :049-243-7233

メール:r4218103@pref.saitama.lg.jp

講演内容・・・当方、左耳が全く聞えず、当日の富永先生の講演も聞き取り不可能であった。だが先生の著書「マイクロ農業のすすめ」(農文協 1,400円)を読めば講演以上に

深い理解ができる。本では、日本の政治、経済にまで踏み込み、日本農業の問題点についても、多角的な分析がされいる。そして都市と農村部の中間的なトシイナカ地区での小規模の兼業的農業の大切さが説かれている。また農村に移住するにしても、このトシイナカ型の農業体験を経てからが良い・・・とも指摘している。


2022年1月4日火曜日

「ぼくらの農園」は野菜作り実地教育―トマト直売も

  1.技術指導型の「ぼくらの農園」

          写真① 経営主の岩田 浩さん

          写真⓶ 翌日出荷の準備 青いトマトではなく真っ赤だ!







 

   入間市の宮寺地区は、住宅や工場も多いがまだまだ畑作地も多い近郊農業地帯だ。この宮寺2603に岩田浩一さん(42才)の農場4.5ヘクタールがある。岩田さんは、2003年地方の大学を出て実家に就農。いま700㎡の巨大ハウスでトマトの溶液栽培が大々的におこなわれ、近々1,500㎡のハウスも稼働する。他にネギ2ヘクタール、エダマメ80アール、ブロッコリー80アール等も栽培され、トマトの売上は全体の20%ほどというから、他の生産額も大きい。そして、この直営作業部門に加え、2009年から「ぼくらの農園」(2019年11月に株式会社)となり、栽培指導付きの体験農場を開き、入間市青年会議所とタイアップし、消費者に呼掛けトマトやジャガイモの収穫体験、味噌づくり体験も実施し、武蔵藤沢の島屋豆腐店の春の豆腐祭りにも参加している。正確には宮寺2603。近くには不老川というこの地区唯一の川が流れ、南関東の大動脈といえる国道16号線が走る。

 

写真③ 同じスタイルの栽培群が70区画も並ぶー体験農場 

写真④ 農場に自由に使えるよう鍬を掛ける場所も。バケツやジョウロの置き場も

   国道16号線もあり、近くも遠くも狙える立地だが、岩田さんは「食べてくれる消費者と直接触れ合い、心を通じ会える近い関係を重視した農業をしたい」を目標にし、行く行くは地元にレストランを開きたいと言う。マーケティングの基本は「顧客のニーズを正確に知り、これに十分に答えること」だが、このため消費者ともに野菜を作れば消費者のニーズだけでなく、ライフスタイル全体が分かり、次なる開発商品のアイデアもつかめる。教える側の岩田さん自身、東京の練馬区にあった体験農園でそのシステムを1年間学び、教え方のノウハウを持ち帰って体験農園を始めた。希望者に3m×13m=39㎡の土地を貸し、年15回ほど土曜、日曜のいずれかに来て、1時間ほど技術講座を受け、あとの1時間で実際に作業をする。種まきの前後は月2回だが、普通月1回来ればよい。

 「貸農園と違い、農家の方が実際に農作業を教えてくれるので、すぐ上手になれるのが魅力」と評判である。ときに土壌のPHの測定法やパワーシャベルの操作法まで実指導。圃場の現場に農具や資材の置き場があり、水道の蛇口の2ケ所にある。だから指導日以外の時に来て作業を楽しむ人もいる。実際に育てる野菜の数は15種以上にもなる。たとえばトマト、ネギ、ニンジン、エダマメ、ブロッコリー、コマツナ、ホウレンソウ、キャベツ、トウモロコシ、ジャガイモなど。 

現在、体験農場には約70組が参加し、同じものを植えた70の区画が連なる畑は壮観である。種子や苗、肥料、農薬、農機具は一切農場側が持ち、参加者は手ぶらで来ればよく、貸農園とは大違いである。年間の指導料は3,000円。1月にして3,200円ほど。収穫物は全部持ち帰れる。ある生徒さんが実際に計算してみたら、収穫物の価格は6~7万円になったそうで、「実質負担はゼロ」ともいえる。参加者の半分は農業をしたい男性会員、半数は家族で農業を楽しみたいという家族会員といった状況のようだ。 

2.若手農業者の育成にも挑戦

 今農場全体の正社員は3人、パートは延べで15人ほど。年商は5500万円程という。トマトは中玉を作っているが、溶液栽培のためすべて機械でコントールでき、省力化・安定化しやすい。8月下旬に苗を植えれば、翌年の7月中旬まで次次収穫でき栽培が楽である。1,500㎡のハウスが加わればトマトの販売比率が40%以上になるという。パック作業場で直売もしている。

写真⑤ トマトの溶液栽培・・・周年収穫している

 






写真⑥ 直売のノボリ           

   販売先は、主に10店舗ほどのスーパーだ。農協から紹介された先もあるが、自身で開拓した店もある。前日夜にパーケージして冷蔵庫に入れたものを、翌日配達する。売り場で値付けをして陳列。返品が気になったが、「前日の残りは値引きして売り、持ち帰ることはない。新しいシールを打ちだし付け替える」だけとのこと。スーパーのほうも農家の誠実さを全面的に信じていて良好な関係が構築されている。直売所のばあいは「前日の品が残れば返品」と聞いていたが、スーパーでは売価下げ―再販売でよいと聞いてひと安心。 配送に2~3人で朝出掛、値付けもあり各2~3時間かかるようだ。

岩田さんは、若き農業者の育成に意欲を燃やしており、これまで2人を育てたが、独立し地方に帰っていった。できれば近くに農園を持ってもらえる人であれば、土地を手当てしたり、販売の支援もできる。また協力し合えればマーケティング力なども強くできる。さらに欲を言えば「農場に残り、中軸を担う後継者にもなりうる人を育てたい」という。いずれにしても若さにあふれたダイナミックな経営である。    岩田さんの携帯080-1172-0831