2011年5月22日日曜日

直売所と野菜苗-日高中央は120アイテム




 夏野菜の苗物販売もすでに終盤のはずだが、埼玉県のJA日高中央直売所は、以前あった小型店舗の時代から、野菜苗の豊富さが特徴だった。新店舗になりますます活発で、店頭の2間幅の下屋出し部の幅10間にわたり、野菜苗がびっしり。およそ120アイテムある。

 一緒に見学に行った仲間は、「これはすごい。東京の世田谷あたりの住宅地で、20%も掛けて売っても大人気になる」と評したほどだ。実際、出荷者か従業員が軽トラに積んで、繁盛商店で販売するようになれば、これも直売所の発展に通じる。

 売り方も実に多様である。例えばナス、ピーマンは共に5ケ683円、3ケ410円、2ケ273円、枝豆やトウモロコシ、キャベツは10ケ525円、7ケ368円、5ケ263円と個数の選択がしやすくなっている。
 他の扱い品目も紹介すると、トマト、ミニトマト、キュウリ、ニガウリ、カラーピーマン、ゴーヤ、トウガン、シシトウ、 ヘチマ、ヒョウタン、カボチャ、ミニカボチャ、ネギ、キャベツ、ベビーサラダ、パセリ、セルリー、ハーブ、モロヘイヤ、シソ、トウガラシ、鷹のつめ・・・と続く。

 市民農園も増え、耕作放棄地の農園化も進めば、ビル屋上での野菜作りも今後進む・・・となれば苗ものは成長産業と見てよい。自家の畑の苗作りと合わせ、販売苗まで作る、それを積んで都市中に打って出る勇気ある生産者が現れてもおかしくない。

2011年5月19日木曜日

援農ボランティア!NPO「すずしろ22」

 農村の高齢化による人手不足は深刻!なにせ農業就業者の平均年齢はH22年で65.8%、65才以上の構成比も60.4%(推)と高い。多くの直売所でも出荷者が減り困っている。新たな生産者をどう育てるか・・・そのシステムの構築求められる。

 こうしたなか、市民による援農システムを推進しているのが、都下八王子市のNPO法人「すずしろ22」(理事長・中村貞夫氏)である。写真では見にくいが、「八王子の大地を応援する」をキャッチフレーズに活躍し、すでに正会員は130人ほど。年会費1,500円、あとは万一の事故に備え、任意に傷害保険に入るだけ。

 活動は3本柱・・・
 ①援農ボランティア  農家と市民の相互扶助に立った農作業の応援。責任・継続・対等の考えから有償の活動で、農家から550円の謝礼をもらい、運営費として100円を引いた450円が市民にわたる。

 ②援農プロジェクト  農地の活用・保全について農家の計画に主体的に参加し、謝礼として収穫野菜をもらう。市民農園の開設・運用、環境・景観の維持にも寄与していこうというもの。

 ③地産地消活動  生産された野菜の販売を手伝うもの。新鮮・安全・顔の見える野菜を消費者に提供するとか、学校給食ほかのルートを開発し、流通ルートの短縮に寄与していく活動。

 健康に良い、農作業を体験したい、農家に元気になって欲しい・・・など、参加理由は様々なようだが、「すずしろ22 月報」は、実に豊富な内容がA41ページに上手まとめられ、センスあふれる編集である。今月の援農状況、援農に参加した感想文、イベント情報、農家の栽培状況、事務局からのお知らせなど簡潔に掲載され、写真・イラストもあって楽しく読める。

 4月の月報に載ったUさん(女性)の感想文・・・「生協で援農経験は何度かありますが、車がないので 遠出は無理です。近くを中心に参加しています。介護も始まり、当初思ったほど参加できません。内容も草刈りだけです。夏の炎天下、畑にしゃがみこで草刈りをするのは、思った以上に疲れる作業でした。(中略)それでも、畑が綺麗になるとうれしいものです。半日やった後に飲んだアイスコーヒーは格別に美味しかったです」とあります。

 体験を通じ、真の農業者と市民の相互理解と交流が進み、それが援農につながる、わずかながら収入にもなる・・・こうした3方良しのシステムが全国に広がることを願ってやみません。

 

 

 

 

















2011年4月8日金曜日

頑張れ「ふれあい大樹!身障者の直売所誕生(加筆)




    農産物直売所「ふれあい大樹」が、4月14日に埼玉県入間市上藤沢にオープンした。身体障害者や心身障害者に各種作業の場(授産)を提供する「茶の花福祉会」が運営する施設である。「障害者を平等に扱い、その自立支援」がモットー。
   障害者の働く場を確保し、合わせてで生産した野菜、加工したパン、調理した料理を提供し、少しでも障害者の所得アップを図りたい・・・というのが狙いだと思う。
同法人の高橋満男理事長は「作業場など直営の施設を12ケ所持つほか、関連グループの施設まで含めれば、22~23の施設になる。今回の直売所は、県の最低賃金1時間750円を守る初の指定施設]だそうで、関係者から期待が寄せられている。

障害者雇用定員20人に対し現在11人が働き、約10人の健常者が店長やパートとして働いている。敷地1,100坪、駐車場62台、建物面積200坪、直売所は約75坪、レジ4台。これに入口を同じくする手作りパン工房があり、入口を異にする和菓子工房、うどん屋・大樹(約15坪)がある。目標は年商3億円ほどのようだ。営業時間は9時半から17時である。
   
    直売所の場合、近隣農家の50軒ほどが支援、商品の80%以上の供給を受けている。手数料は野菜15%、加工食品20%とこの辺では極めて安いレベルだ。障害者の農場は市内の金子地区に2haあって、15~20人が働いているそうだ。「商品として今一歩改善が必要」との農家の指摘もある。
   
    仕入も一部しており、野菜の品揃えは45品目(普通50~85程度)だからまだ少ない。だが1品目2~3人出荷の場合あり80アイテムはある。野菜のワン・ストップが直売所の使命とすれば、もっと努力が必要である。また午前中で売り切れてしまう品ものがあり、数量の確保が当面の課題である。買い物もしたが、泥ネギ3本128円、ニンジン3本198円、ジャガイモ男爵4ケ238円、ピーマン5ケ78円、シメジ1P99円・・・といった安くて手頃な値段だ。

   ある農家の方は「70Pほど出したが午後1時までに売り切れてしまった」とうれしい悲鳴をあげていた。携帯電話に自動的に販売数量と金額が順次送られてきており、IT体制も整った近代的な直売所である。問題はPOPがまだまだ値段だけ。こだわりを訴えるPOPがぜひ欲しい。

    精肉の豚のロース、バラ肉、切り落とし、ひき肉と4品あり、加工肉も8品ある。漬物、豆腐類、牛乳類なども品揃えは悪いが、「こだわりを持つ地域の良品を一生懸命揃えた」という。地域で有名な近藤牧場のヨーグルト、地元生産者の有機大豆で作った島屋豆腐店の手作り豆腐もある。調味料ほかの加工食品も総てこだわり品で、ナショブラ品は皆無なのは賢明である。

    うどん屋・大樹は15坪ほどだが繁盛していた。うどんだけでなくトンカツ定食、カレーライス、飲み物とメニューは30種以上と豊富。料理品に限れば400~650円の価額帯。なによりも働く心身障者の方の懸命で明るい接客が素晴らしい。ぜひ昼食などに利用して欲しい。
東日本大震災の罹災者にも、きっと復興への勇気を与えることになるだろう。頑張って繁盛店になって欲しい。

    (4/15)休日とは知らず店を訪ねると、駐車場の隅に高橋理事長さんともう一人の方が、自ら藤棚を作っていた。今年は無理として来年の5月には3尺?も吊下がった美しい藤が見ることができるだろう。それにしても理事長さんの店を思うと心と努力に、あらためて敬服した。

   (4/29)父兄の方へのお願い! 野菜料理の様々な独自のメニューがあればFAX04-2931-1155に送ってください。御礼はしませんが、POP化して売り場で広くお客様に紹介したいのです。名前を出して良い場合は名出しOKと記してください。

  (5/27) 「農産物直売所」の看板も大きくなり、目立つようになった。品揃えの不足はまだ目立つが、野菜の陳列は午後に行っても手が入り整然としている。壁面の加工食品のコーナーは納品者が競って演出につとめ、商品説明のPOP、パンフなどもつるし、非常に充実している。レジ前の自家製の弁当や和菓子も魅力がある。パンは売り切りでいつも新鮮。これは精肉にも言え、ララミーハムさんが毎日新しいパックに入れ替えてくれるとのこと(感謝すべきこと)。
31日の火曜には地元放送局「茶笛」の取材放送も予定されている。何時かがはっきりしないが、アナウンサーの松下様・・・充分、宣伝してください。よろしく。 放送時間午前10時40分ころ・・・と分かりました。

(7/31)7月1・2日にはチラシが撒かれ「朝どり夏野菜」の販売がされ、7月26日にもチラシを撒き、ふれあい夏市の夏休み向けの豊富なイベントがされた・・・「ペーパーボール投げ大会」「ヨーヨー釣り」、「ジャガイモ・タマネギ詰め放題」、焼き鳥の出店のほか、かき氷、バナナミルクジュースの販売。
    これで客数も伸びているが、問題はまだまだ季節品を中心とさいた品揃えが不十分。やはり入間市の出荷可能な農家の皆さんは、ぜひ出荷に協力し欲しい。出荷したい人は 04-2966-2941 施設長の上山さんに電話しくれるよう、こころからお願いします。

(H24年5/20)久しぶりに訪問したが、直売所の職員のうち障害者17人、健常者10人と障害者の比率が大幅に増加。レジ、商品補充、各種加工など立派にこなしている。お客さんとの対応もすこぶる良い。それでいて心配していた葉物類の品揃えも、時期のせいもあるが一段と充実していた。ひと安心。家庭菜園をしている方も積極的に出荷してくれるとのこと。POPの野菜のイラストも新しい工夫が見られた(当初、当方が渡したイラストでないもの)。




  1ケ月以上遅くなるが、5月25日、26日、27日には開店1周年記念が予定され、バンド演奏も行われる。(写真3点)
ぜひ父兄の皆さんはじめ、地元消費者の皆さん!応援してあげて欲しい。24年は23年の2倍増が売上目標とのこと。

(H24年9月13日) このところ弁当の充実が素晴しい。セブンイレブンが380円ほどで売っているものがここでは・・・照り焼き梅肉風、鶏の立田揚、チキンかつ、ハンバーグ、唐揚げの各弁当が300円だ。レジ前でお客さんを待っている。売場の新鮮野菜を加工した天ぷらセットもたっぷりはいって250円である。季節の果物の充実も一段と進んでいる。変わったところでは、台所、居間、寝室、冷蔵庫、履物入れに便利な除菌・防臭剤やお口の化粧品も置かれるようになった。


(H25年3月31日) 茶の花福祉会では来る5月12日(土)に、10~15時に入間市の「彩の森入間公園」で、「福祉ふれあい祭り」を開催する。
 鹿鍋が無料のほか、ふれあい音楽、フリーマーケット、屋台横町、大道芸、ゲームコナーなど、多彩な企画である、ぜひ多くの参加を願う1人である。












































































2011年3月4日金曜日

農産物直売所-損益の指標はどうなるか!②


 カット写真は栃木の生産者からいただいた「とちおとめ」。生産者番号をフイルムに印刷

前回も述べたが、まずコントロールすべきは最大の経費である人件費だ。スーパーやコンビニを含む各種小売業の労働分配率は46.6%という数字もあるが、新規出店の場合「初期設備投資の償却もかさむので45%ほどに抑えるのがベター。
 
 粗利益率17.5%の場合、人件費率は×0.45=7.88%になる。3店平均の9.02%-7.88=1.14%・・・が浮いてくる。経常利益の2.11%+1.14=3.25%となる。小売業では3%前後の経常利益を目標にするのが常識である。スーパーの40社ほどの平均は1.55%だが、価額競争でなく鮮度・品質中心の「こだわり競争」であれば、この程度は取れるはずである。実際、事例3事例の1つはそうなっている。
 
 次に大切なのは初期投資である。初期の設備+運転資金投資は・・・年売上高÷3より少なくすることが原則だ。つまり経営資本回転率を年3回以上にする。スーパーでは平均3.15回転という数字が出ている。直売所の場合、冷ケース、肉・魚などのバックヤードへの投資は少なく、安い木の平台中心で、3回転では甘いぐらいだ。

 売上予測に見あ合わない広い売り場、電気や空調が無駄になる高い天井の建物であれば、コストがかかり無駄も生むことに留意する必要がある。以前にも書いたが、直売所の売り場面積見合いの平均的売上高は 年y万円=256.5xー1,026.1 (x=坪面積)。年商の1/3以上の投資になっている場合は、売り場の予定を2/3とかに圧縮してみるとよい。2/3の面積でも工夫次第で1.5倍分の品揃えとそのボリューム確保は可能である。

 ちなみに売り場面積見合いの平均客単価を紹介しておくと・・・客単価y円=3.46x+1,020(x=坪面積)である。 さらに年売上高÷客単価=年客数である。一般に50~150坪くらいで客単価は1,500~1,600円のはずだが、60坪で1,800円の店もある。157坪の店の品目数が53品に対し、この60坪の店は87品であった。同一品目について選択できるよう複数アイテムあることも必要だが、まず品目の多さが必要なことを教えてくれる。

 品揃えに魅力があればそれだけ買い回り、客単価は上昇する。肉のインストア処理店では2,000円超えの店もある(う宮やーな=富士宮市)。

 ついでに言えば、直売所の多くは目標管理に沿った、計数の管理がほとんどできていない。パソコンのできない店長にもであった。POSレジがなんでも数字を処理してくれるが、結果を見てないし、生かしていない。ここがスーパーとの違いで、いずれスーパーが直売所経営に参入したら簡単に負けてしまいかねない。

 スーパーでは財務管理と合わせ、部門売上、部門粗利益率、部門ロス率、売り場1坪売上、従業員1人売上、従業員1時間当り粗利益額・・・など常時月ごとに分かるようになっている。この見張りが機能していなければ、JAの大型店であろうとも、タイタニック号に等しい。

2011年2月10日木曜日

農産物直売所-損益の指標はどうなるか!①

 農産物直売所は①生産者からの委託品、②市場や生産者からの仕入品からなる場合が多く、決算処理では、収入額は①については委託手数料のみの計上、②については売上を計上・・・と2つの異質なものが合算されている。

 このため、収支目標を設定するには、①についてもひとまず手数料収入÷手数料率(例えば15%の場合0.15)として③仮の売上を立て、③+②を全体の売上として、各経費率を出し、順当か否かを検討するといったややこしいことになる。

 ところで野菜・果樹や花の委託手数料が仮に15%としても、手作りの惣菜ほかの加工品は20%だったり、仕入品は粗利益設定が25%だったりする。委託手数料にしても12~23%までと差が大きい。このため粗利益率の目標を中間的な17.5%と仮定し、目標となる経費率を考えてみたい。

 まず3事例について異なる手数料や粗利益率を17.5%に揃えて、そのとき各経費率がどうなるか・・・をそのまま紹介しよう。最大経費の人件費は9.02%(うち0.55%は福利厚生費)。これは粗利益の51.5%になるが、労働分配率と言える。 

 広告宣伝費0.51%、研修・会議費0.18%、修繕費0.13%、事務用品・消耗品費0.80%、水道光熱費0.63%、旅費交通費0.16%、各種手数料0.53%、公租公課0.25%、保険料0.18%、諸会費0.17%、リース料0.16%、原価償却費0.54%、地代家賃0.11%、管理費0.92%、雑費0.36%となる。この結果人件費を含む経費合計は14.65%。

 包装費は消耗品に含まれるとみるべきだし、POP費は広告費や事務消耗品にまたがっているのではと推察する。また人件費以外で比較的多い経費は、管理費(保守点検、財務・清掃・警備などの外部委託?)、事務消耗品等、水道光熱費、手数料(配達?)などだが、正直3社3様の分類がされていて、正確につかみにくい。直売所についての経営管理の指導書がほとんどなく、横並びの比較検討がしにくいのが残念である。

 17.50-14.65=2.85%が営業利益になる。ここから金利等の営業外損益を引いた経常利益は2.11%となる。

 これを自店に当てはめたいときは、例えば粗利益率が17.5%でなく15%なら、各費用科目を0.857倍に圧縮、20%なら1.143倍に拡大して比較してみて欲しい。

 問題は敷地、店舗、設備の所有形態が様々で、 一般常識からすれば家賃地代、原価償却費などはもっとかかると見るべきだが、第3セクターの土地・建物を安く使うような場合は逆に率がもっと低いのが現状である。

 いずれにしても、粗利益額の51.5%を占める人件費のコストコントロールが、黒字化のカギを握り、①事前や日々の職員教育(質)、②時間帯別の適正配置(量の適正化)などに留意しないと、委託手数料の上限20%でも採算に乗らない。直売所の主人公は消費者や出荷生産者であり、一般スーパーレベルの①②に努めることが店側の使命である。

2010年12月21日火曜日

「談合坂SAの直売所」の旅客は野菜もたっぷり!


 東京方面から中央道を旅すると、談合坂サービスエリア(SA)で必ず一息つきたくなる。下り車線のSAは大賑わい。帰りには、楽しみにしていた上り車線の農産物直売所「やさい村」に寄った。

 この直売所、トイレ近くの人が寄り易い場所にあるが、コンクリートの床に張られたテント掛け。いくつかの水色やブルーのテントがガッチリと寄りそうように建てられている。売場は約56坪見当(レジ2台、年商推定1億2千万円?)。低コストで、農村部のロードサイドの販売所のようで、「親しみやすさ」がある。低コスト販売といった面で好感も持てる。
 
 が、商品を持ち込む生産者からすると、「テントの色のため、野菜の本来の色が出ない」「外気温に影響され、しなびやすい」といった悩みもある様子。
 
 外回りには花壇苗、野菜苗、豪華な鉢花が多数飾られ、店内の野菜は結構豊富。特に葉物では珍しいものが多い。 訪ねた時は20人もの客が狭い店内にひしめいていた。

 別途資料によれば、生産者は「上野原市新鮮野菜生産者の会」に組織された81名とのこと。極めて多くの品目の野菜作りが盛んな土地柄のようで、モロヘイヤを帝国ホテルに出したり、ルッコラ、チインゲンサイ、ソ連産のナス「ブランドローズ」、夏にはトウモロコシ・・・なんでもあり。
 年間を通じ、珍しさのオンパレードになれば、人気がこれからも増すはずである。多くの直売所では、この珍しさへの挑戦があまり見られない。
 運営主体はNEXCO中部日本という。このNEXCOは、関係エリアのSAに今年10店舗の直売所を出す・・・というので興味がかきたてられ訪ねた次第だ。 普通の直売所同様に委託販売で、手数料は青果20%、加工品25%のようだ。
 
 店の人の話では「98%は旅客」という。地元客が一般道から入れる駐車場も 台となっているが、近隣の住宅密度は極めて薄く、ららん藤岡(群馬)とは大違い。東京に入る前の最後のSAとなれば、あと永くて2時間もあれば家につける。肉や魚は冷蔵庫にある!あとは新鮮な野菜があればよい・・・こんな客が次々立ち寄っているのだろう。

 「しなびるから、野菜はあまり遠方で買わない」という常識は古き時代のものとして捨てねばならないようだ。

 

 

2010年12月18日土曜日

「ポケットファームどきどき」(牛久)は最高のおもてなし




 全国直売所研究会の特別研修会が、17日に茨城県の「ホケットファームどきどき」(牛久店)で開催された。今回はこの直売総合施設の「森の家庭料理レストラン」にスポットを当てた研修会である。 

 農村レストランのあり方について、用地取得から全体設計、レストランの細かい運営を手掛けられたJA全農いばらきの管理部特命担当部長の鎌田定宗さんから、ことこまかに説明をいただき、後にレストランで各自1,800円の食べ放題のランチを満腹になるまで賞味した。
 どきどき牛久店は10月2日開店、敷地14,300坪ほどと広く、駐車場350台と広い。直売所面積182坪。レストラン部門150坪(130席)と広く、開店初月の売上は全体で1億円という。レストラン部門はランチのみで、夜の営業はしていないがランチだけで1日200食が出、1日40万円近くという。250~300食が目標のようだ。
 バイキング形式だがホテルのバイキングと異なり、そのメニューの豊富さに圧倒される。米飯、フランスパン、スパゲティ、味噌汁、スープ、野菜サラダ、肉料理、アイス、スイーツ、ドリンクなんでもありで、選択幅は100品にも及ぶはず。新規に豚等のしゃぶしゃぶも提供している。
 そしてキッチンの中も見え清潔、通路・客席の配置もゆったりで、主婦のくつろぎの場として、すでに大繁盛。森林を開いた敷地で、周囲の景色を見れば癒される。まさに森のレストラン。料理の体験教室もあり、子供さんの遊園地も準備中でる。 

 鎌田氏の説明を聞いていると、すべてユニークな発想で、かつ納得の行くことばかり。
 「一番大切なことはおもてなしの心。これが完全に定着するには1~2年はかかる。まだまだこれから伸ばせる」
 「設備や売り場のレイアウトにしても、これで完全とは見てない。これから従業員がお客様のことも考え、直して行くもの」
 
 「料理メニューを固定してない。その日入った新鮮な野菜ほかの素材を前提に、日々考えるように指導している」・・・隣の直売所に野菜だけでなく、新鮮な肉も豊富(セルフだけでなく対面コーナーも)
 
 「ここは現在はランチを楽しむ主婦をターゲットとしている。男性客はいらない。それだけの世帯数もある」
 
 「原価率は目標よりまだ4%ほど多いが、素材や料理品の有効活用をし、料理の技術が向上すれば、2~3年後には達成できる」
 
 顧客ターゲットが明快なこと、また「どきどき茨城店」(平成12年4月オープン)の過去の実践で得た「計算された目標」に沿い、余裕を持って、かつ従業者自らの力で改善を進める・・・といった運営姿勢は素晴らしいの一語に尽きる。