当方の訪問調査は冒頭にも断ったが、昼間の調査のため勤労する単身者は1/100も含まれていない。ただし1人暮らしの高齢者は3%含まれている。以上の前提に立って、ファミリー像を理解するための参考データーを紹介したい。本来連載の➀が順当なものである。
表―1 世帯人員別の分布%
世帯人員
|
全国66
地区平均
|
東京35
地区平均
|
長野20
地区平均
|
1人
|
1.7
|
1.1
|
11
|
2人
|
20.5
|
19.5
|
19.4
|
3人
|
22.7
|
24.5
|
19.1
|
4人
|
28.3
|
32.2
|
29.9
|
5人
|
14.0
|
14.0
|
14.7
|
6人
|
8.5
|
6.3
|
11.0
|
7・8人
|
4.0
|
2.4
|
4.9
|
1世帯平均
|
3.74
|
3.67
|
約3.93
|
一般的なファミリー世帯においては、地方差は比較的少ない。また2~4人のふくらみが大きい。長野他の農村部では、同一敷地に親と子供の2世帯別の家屋と世帯を構える場合もあり、2人から6人に分散している(都市の1世帯の概念と異なる面がある)。平均的には4人弱で、夫婦2人に子供2人というのが標準的と見てとれる。が、現在の少子化時代からすると子供1.5人、両親のうち0.5人と見るべきかもしれない。
ともあれ、単身世帯も別途多数いるので、鮮魚や肉などの主要アイテムにおいては、1人前、2人前、4人前くらいの提供をし、2+1=3人前、4+1=5人前、4+2=6人前といった選択性が本来求められる。
表―2 主婦の年齢分布%
年齢
|
全国66
地区平均
|
東京35
地区平均
|
長野20
地区平均
|
10代
|
0.0
|
0.0
|
0.1
|
20代
|
3.9
|
3.6
|
5.6
|
30代
|
17.8
|
16.6
|
22.4
|
40代
|
29.0
|
29.7
|
30.8
|
50代
|
26.7
|
29.4
|
23.3
|
60代
|
18.5
|
17.8
|
14.9
|
70代上
|
4.1
|
2.9
|
3.7
|
平均年齢
|
49.3
|
49.5
|
約48.4
|
30~60代の厚みが90%以上を占める。20代の若い主婦が少なく、晩婚化が進んでいることが分かる。訪問調査を開始した当初は、ヤンママと称される10代の主婦にも出会った。70代以上の高齢者はもっと多いが、若奥さんがいれば「家計の主体」が移り、主婦でなくなるため少ない。今後は70才以上の主婦家庭が急増するはず。ますます高齢化に沿った商品開発とPOP等による新知識のプレゼン強化、個配等が求められる。
平均年齢は50才弱と、全国も東京・長野もほとんど差がない。国の統計だと女性の平均年齢は平成20年の統計で44.7才である。主婦年齢はこの5才増しということになる。
女性の統計上の平均年齢は、もっとも低い沖縄が40.4才、もとも高い秋田県が49.0才と差がある。この差を生むのは独身ヤングの多い少ないで、当方の調査のとおり「ファミリー」のばあい、主婦の年齢構成は地域差が少ないと見てよい。
層の厚い部分の30代、40代、50代、60代ぐらいについては、年代別ライフスタイルの研究くらいはしておくべきだ・・・これについては当ブログの「安さだけが総てでない」で一部語っているし、連載の第2部でも再度触れることにする。
2.就業人員や兼業主婦の割合
表-3 平均就業人数の分布
世帯人員
|
全国66
地区平均
|
東京35
地区平均
|
長野20
地区平均
|
0人
|
11.2
|
11.0
|
9.0
|
1人
|
36.3
|
44.9
|
35.7
|
2人
|
34.2
|
32.7
|
33.5
|
3人
|
12.7
|
8.1
|
14.7
|
4人
|
4.3
|
2.4
|
6.5
|
5人
|
1.3
|
0.9
|
0.7
|
1世帯平均
|
1.62
|
1.45
|
約1.76
|
就業人員は1人ないし2人が圧倒的である。都会の象徴である東京は、高所得のためか、「主婦は家庭に」となり、1人のウエイトが高い。逆に長野のようなローカルのばあい、1世帯の就業人口が多いのは、1人の所得の低さもあるが、親が兼業農家で子も夫婦で職場にと言ったケースも結構多いためだ。各自に自動車を持ち移動しやすさもある。
表―1のとおりローカルのほうが世帯人員も多く、かつ就業人員も多いとなると、1世帯のスーパー関係支出は全国横並びになってよさそうだが、長野は全国平均の0.95倍という数字も出てくる。一部、野菜やコメなど食品の自給ができる人もいることが理由だろう。
表-4 主婦の職業別割合%
区分
|
全国66
地区平均
|
東京35
地区平均
|
長野20
地区平均
|
専業主婦
|
61.4
|
67.9
|
58.2
|
内職
|
0.9
|
0.8
|
1.6
|
パート
|
18.4
|
16.3
|
15.2
|
正規勤務
|
9.4
|
7.5
|
13.6
|
自営
|
7.6
|
7.4
|
7.5
|
農業
|
2.3
|
0.1
|
3.8
|
全国平均では専業主婦が約6割だ。今後、女性の社会的進出で漸減するはず。東京は長野に比し9.7%と約10%近く専業主婦が多い。逆にローカルではパートや正規勤務などの兼業主婦が多くなるのが普通だ。
買い物先とすれば、ローカルは兼業主婦が多く、「近さ」よりも「勤め帰りに寄り道できる店」「勤め先の近くの店」を選択する人が多くなる。このため近隣の密度だけで売上は予想してはいけない。商圏半径平均2.5km(長野)といた広い商圏を視野に、売り場規模、駐車場完備、個性の発揮が求められる。群馬や長野の車社会で存在感のあるのはベイシャ(総合力と安さ)、ツルヤ(商品の良さ)、西源(会員制と安さ)という店である。
別の機会にのべるが、職業による食のライフスタイルの違いはさほど多くない。自営でコンビニ(便利)志向が、専業やパートで品質志向が、正規勤務で品揃え志向がやや多い程度である。スタイルは過去の家庭環境、現在の買い物環境に影響される面が強い。
表―5 ご主人の職業別割合%
区分
|
全国66
地区平均
|
東京35
地区平均
|
長野20
地区平均
|
会社員
|
59.3
|
59.3
|
64.4
|
公務員
|
5.9
|
5.4
|
8.4
|
団体職員
|
1.0
|
1.3
|
1.0
|
団・会役員
|
0.9
|
1.5
|
0.9
|
自営業
|
13.7
|
16.0
|
11.8
|
農業
|
1.4
|
0.3
|
2.0
|
自由バイト
|
1.6
|
0.0
|
1.1
|
無職・年金
|
16.2
|
15.7
|
10.4
|
(自由バイト=自由業+バイト)
男子が世帯主とは限らないが、ご主人の職業となる。会社員、自営業、無職が3大職業と言える。約2/3の勢力である。買い物をする主体は主婦のため、この職業の差が買い物に反映されにくい。一般的にはサラリーマンである会社員、公務員、団体職員は、堅実で計画的な購入が強い。団体・会社役員や自営業は少数派だが、華美な消費をする家庭も多い。また家父長の好みで料理が左右される面もある。なお自営業のばあい、従業者の賄(まかない)のため食費が膨大に膨らむこともあり、スーパーの貴重な客になり得る。
食品スーパーの売上予測調査承ります スーパー開発 近藤
売り場規模
|
備考
|
調査分析
|
旅費・宿泊
|
300~600坪
|
40件の訪問
調査含む
|
30万円
|
実費
|
300坪未満
|
25件の訪問
調査含む
|
20万円
|
実費
|
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