B 「大型の直売所では、3年くらいであっさり目標の売上高になりますね。だがこの後の伸びがない」
A 「だいたいそんな傾向ですね。チラシを撒かなくても、3年もたてば口コミで来たい人に浸透してしまう。それだけ鮮度や合理的安さ、安全などスーパーにない良さでQ型(8月14日記述)人間は、ほっておいても来てくれる。だがその先の長期な発展計画がない」
B 「そうですね。委託販売、返品受取、手数料制の運営では、まったくリスクがない。リスクなき企業などは普通の社会では考えられない。リスクがないので横ばいでも、パートの人員を調節すればどうにかやれる。このため新たな発展策を考えない」
A 「そうなんだ。だが直売所でも、福岡市南区で直売店ぶどう畑のばあい、店長の新開玉子さん(実際は経営者)は自ら農業者だが、食品加工が得意なこともあり、当初から商品は買い取りし、残れば自家加工して売ることをしてきた。これがリスクを負った真の起業だと思う。だからオリジナルな加工品も多く、料理講習会も活発で、近隣にJAの大型店が出ても発展している」
B 「普通に新鮮なものを安く売るだけでは、すぐ壁が出来る。これを超える新しい挑戦は「起業」でありリスクがともなう。しかし起業、また起業、また起業・・・と次の手を打たないと成長はないですね。減農薬・減化学肥料や有機品の栽培、新品種や地元伝統の品種に挑戦する。良いものを作り、直売所をブランド化して、その信用を基礎にして、ギフトの宅配も拡大する。農村レストランにとどまらず、レジャー施設、体験農場やときにペンションなども経営しグリーンツーリズムにつなげてゆく」
A 「三重県のモクモクファーム、埼玉県のサイボクなどの発展過程を充分知るべきですね」
B 「茨城のみずほの村の市場も立派ですね。2番手の人は1番手の人以上に良い品を作り、良となればより高い値で売らしてくれる。これであれば、良品競争の循環ができ、農家の所得は増える」
A 「みずほでは、米20品も総て特殊栽培品以上、調味料も菓子もみんな個性あるこだわり品。それだけでなく、野菜部門では、コマツナ、ホウレンソウ、レタス、切干ダイコン、6~7種の試食がされている。温室の蘭にしてもゆうに30種になる。ともあれ理念がしかりしている」
B 「直売所そのもののブランド化を進め、千客万来のようですね」
この会話のように、いま新たな直売所の胎動が起きている。安さ競争の直売所にさようならしないと、その未来はないと信じます。
0 件のコメント:
コメントを投稿