「顧客ターゲット」という言葉が使われているが、直売所がターゲットとすべき主たる客は、①安さ好みの客?、②品揃え好みの客、③便利性好みの客? ④品質本位の客?
さてどれでしょう。「規格外品まで買ってくれるので④ではない」、「直売所は合理的な安さが魅力だから①かな」・・・いろいろ考えてしまうはず。
当方は全国300地区を回り、顧客の訪問調査もし(1地区40人を基本)、この調査をもとに主婦の食に関するライフスタイル分析も何回となく繰り返してきた。
主に店を選択する基準をもとに、顧客をP型(価格志向)=プライス派、V型(品揃え志向)=バライティ派、C型(便利性志向)=コンビニ派、Q型(品質志向)=クオリティ派・・・とライフスタイルに分け、様々な分析をしてきたが・・・
追跡調査もし惣菜の買い物程度、料理を選ぶ際の基準,総合スーパーを選ぶ基準、ポイントカードを魅力に感じる程度・・・等とライフスタイルの関係が深いことも確認している。
この結果、直売所に来店する人の多くはQ型である・・・との結論を得た。なぜか?ゆっくり回答しよう。
1.直売所3ケ所、計1,200人の来店客調査によると、「鮮度」の支持率が平均92.3%と突出、ほぼ
全員に近い。一方、食品店の選択基準では「鮮度」は61.3%(13都府県の分析)で、この数字の1.5倍ほども高い。「鮮度」はQ型の象徴である。
2.Q型は商品の鮮度・品質を考え、商品ごとに専門店、食品スーパー、総合スーパー、生協ルートなど多様な選択をし、このため良いとなれば直売所も来る。
3.直売所では、規格外の品も売られているが、食生活に真摯に向合うQ型人間からすれば「規格外であっても、鮮度・品質に関係ない」ということになる。
4.直売所の魅力の2位は「安さ」で、支持率53.5%である。これも食品店の選択基準支持率35.6%の1.5倍ほどだが、「合理的安さ」への評価と言え、P型と連動しない。なぜなら、P型は常時安いディスカウント・スーパーやチラシ特売の店を選び、生鮮、加工食品、菓子などのトータルな安さを好み、青果中心の安さにさほど魅力を感じない。
5.P型は所得の低い20~30代の主婦に多い。子育てに追われやや遠方の直売所に来ない。事実直売所1,200人調査では、20~30代の構成比は平均18.8%と極めて少ない。
6.V型は華美な消費層で、総合スーパーやデパートを好み、家庭内1番店に総合スーパーを選ぶ確率は63.8%(500人調査)で、Q型の13.6%の4.7倍である。青果中心の品揃えでは来ない。ただし珍しい品揃えを好み、道の駅やドライブイン付帯の土産物はV型客も好むはず。特産品の充実がV型客の獲得につながる。
7.C型はドライブのついでなど、便利性の一点で直売所も利用する。だがその頻度は低くなるはず。
以上を考えると「直売所の主たる顧客はQ型客」の結論になり、品質を重視して直売所そのもののブランド化を狙い、その信用でギフトも売れるスタイルの直売所作が伸びるていることも理解できる。
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