2014年9月5日金曜日

主婦の買い物行動とスーパーのリサーチ技法➃-世帯の平均的姿!

1.世帯人員や主婦年齢を考えた商品政策を

当方の訪問調査は冒頭にも断ったが、昼間の調査のため勤労する単身者は1/100も含まれていない。ただし1人暮らしの高齢者は3%含まれている。以上の前提に立って、ファミリー像を理解するための参考データーを紹介したい。本来連載のが順当なものである。 

表―1 世帯人員別の分布%

世帯人員

全国66

地区平均

東京35

地区平均

長野20

地区平均

1人

1.7

1.1

11

2人

20.5

19.5

19.4

3人

22.7

24.5

19.1

4人

28.3

32.2

29.9

5人

14.0

14.0

14.7

6人

8.5

6.3

11.0

7・8

4.0

2.4

4.9

1世帯平均

3.74

3.67

3.93

 一般的なファミリー世帯においては、地方差は比較的少ない。また2~4人のふくらみが大きい。長野他の農村部では、同一敷地に親と子供の2世帯別の家屋と世帯を構える場合もあり、2人から6人に分散している(都市の1世帯の概念と異なる面がある)。平均的には4人弱で、夫婦2人に子供2人というのが標準的と見てとれる。が、現在の少子化時代からすると子供1.5人、両親のうち0.5人と見るべきかもしれない。
 

 ともあれ、単身世帯も別途多数いるので、鮮魚や肉などの主要アイテムにおいては、1人前、2人前、4人前くらいの提供をし、2+1=3人前、4+1=5人前、4+2=6人前といった選択性が本来求められる。 

表―2 主婦の年齢分布%

年齢

全国66

地区平均

東京35

地区平均

長野20

地区平均

10代

0.0

0.0

0.1

20代

3.9

3.6

5.6

30代

17.8

16.6

22.4

40代

29.0

29.7

30.8

50代

26.7

29.4

23.3

60代

18.5

17.8

14.9

70代上

4.1

2.9

3.7

平均年齢

49.3

49.5

48.4
(上記は5才刻みで答えてもらった数値である)

 30~60代の厚みが90%以上を占める。20代の若い主婦が少なく、晩婚化が進んでいることが分かる。訪問調査を開始した当初は、ヤンママと称される10代の主婦にも出会った。70代以上の高齢者はもっと多いが、若奥さんがいれば「家計の主体」が移り、主婦でなくなるため少ない。今後は70才以上の主婦家庭が急増するはず。ますます高齢化に沿った商品開発とPOP等による新知識のプレゼン強化、個配等が求められる。 

平均年齢は50才弱と、全国も東京・長野もほとんど差がない。国の統計だと女性の平均年齢は平成20年の統計で44.7才である。主婦年齢はこの5才増しということになる。

   女性の統計上の平均年齢は、もっとも低い沖縄が40.4才、もとも高い秋田県が49.0才と差がある。この差を生むのは独身ヤングの多い少ないで、当方の調査のとおり「ファミリー」のばあい、主婦の年齢構成は地域差が少ないと見てよい。 

層の厚い部分の30代、40代、50代、60代ぐらいについては、年代別ライフスタイルの研究くらいはしておくべきだ・・・これについては当ブログの「安さだけが総てでない」で一部語っているし、連載の第2部でも再度触れることにする。 

2.就業人員や兼業主婦の割合

 表-3 平均就業人数の分布

世帯人員

全国66

地区平均

東京35

地区平均

長野20

地区平均

0人

11.2

11.0

9.0

1人

36.3

44.9

35.7

2人

34.2

32.7

33.5

3人

12.7

8.1

14.7

4人

4.3

2.4

6.5

5人

1.3

0.9

0.7

1世帯平均

1.62

1.45

1.76

   就業人員は1人ないし2人が圧倒的である。都会の象徴である東京は、高所得のためか、「主婦は家庭に」となり、1人のウエイトが高い。逆に長野のようなローカルのばあい、1世帯の就業人口が多いのは、1人の所得の低さもあるが、親が兼業農家で子も夫婦で職場にと言ったケースも結構多いためだ。各自に自動車を持ち移動しやすさもある。 

 表―1のとおりローカルのほうが世帯人員も多く、かつ就業人員も多いとなると、1世帯のスーパー関係支出は全国横並びになってよさそうだが、長野は全国平均の0.95倍という数字も出てくる。一部、野菜やコメなど食品の自給ができる人もいることが理由だろう。 

表-4 主婦の職業別割合%

区分

全国66

地区平均

東京35

地区平均

長野20

地区平均

専業主婦

61.4

67.9

58.2

内職

0.9

0.8

1.6

パート

18.4

16.3

15.2

正規勤務

9.4

7.5

13.6

自営

7.6

7.4

7.5

農業

2.3

0.1

3.8

 全国平均では専業主婦が約6割だ。今後、女性の社会的進出で漸減するはず。東京は長野に比し9.7%と約10%近く専業主婦が多い。逆にローカルではパートや正規勤務などの兼業主婦が多くなるのが普通だ。 

買い物先とすれば、ローカルは兼業主婦が多く、「近さ」よりも「勤め帰りに寄り道できる店」「勤め先の近くの店」を選択する人が多くなる。このため近隣の密度だけで売上は予想してはいけない。商圏半径平均2.5km(長野)といた広い商圏を視野に、売り場規模、駐車場完備、個性の発揮が求められる。群馬や長野の車社会で存在感のあるのはベイシャ(総合力と安さ)、ツルヤ(商品の良さ)、西源(会員制と安さ)という店である。 

別の機会にのべるが、職業による食のライフスタイルの違いはさほど多くない。自営でコンビニ(便利)志向が、専業やパートで品質志向が、正規勤務で品揃え志向がやや多い程度である。スタイルは過去の家庭環境、現在の買い物環境に影響される面が強い。 

表―5 ご主人の職業別割合%

区分

全国66

地区平均

東京35

地区平均

長野20

地区平均

会社員

59.3

59.3

64.4

公務員

5.9

5.4

8.4

団体職員

1.0

1.3

1.0

団・会役員

0.9

1.5

0.9

自営業

13.7

16.0

11.8

農業

1.4

0.3

2.0

自由バイト

1.6

0.0

1.1

無職・年金

16.2

15.7

10.4

(自由バイト=自由業+バイト)

 男子が世帯主とは限らないが、ご主人の職業となる。会社員、自営業、無職が3大職業と言える。約2/3の勢力である。買い物をする主体は主婦のため、この職業の差が買い物に反映されにくい。一般的にはサラリーマンである会社員、公務員、団体職員は、堅実で計画的な購入が強い。団体・会社役員や自営業は少数派だが、華美な消費をする家庭も多い。また家父長の好みで料理が左右される面もある。なお自営業のばあい、従業者の賄(まかない)のため食費が膨大に膨らむこともあり、スーパーの貴重な客になり得る。 

 

 

 

食品スーパーの売上予測調査承ります スーパー開発 近藤

売り場規模

備考

調査分析

旅費・宿泊

300~600坪

40件の訪問

調査含む

30万円

実費

300坪未満

25件の訪問

調査含む

20万円

 

実費

独自開発の日本的ハフモデル法採用!詳細に現場調査をし、
精度向上に最大の配慮!300件以上の調査実績!
携帯080-3464-2607  mail: mkondou@vega.ocn.ne.jp

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿