2012年10月7日日曜日

米粉パンはおせいじ抜きで美味だ!BKコイガクボに学べ!

 

  10月2日(火)の読売新聞「生活・調べ隊」の記事・・・今年8月発表の総務庁「家計費調査」(2011年分)によれば、2人以上の世帯の1家族支出はパンが年28,321円に対し、米が27,425円で、初めて米がパンを下回った。
 

 農水省の調査によると、2011年度に国民1人が食べた米の量は57.8kgで、ピークだった1962年度の118.3kgの48.9%≒約半分に過ぎない。

 いまのシルバー世代が、戦後米不足の中でアメリカの小麦粉支援でパン食にならされ、それが団塊の世代、団塊ジュニアへと引き継がれ、米離れは加速してきた。最近は主食離れも進み、パン自身の消費も平成4年以降は一進ー退で伸びていない。

 これでは、流入飼料の大幅高騰(アメリカのトウモロコシ、大豆の凶作)とあいまって、日本の食糧自給率を下がり続けることになる。長期的な視野からすれば、地球温暖化・人口増加もある。将来、世界的に食糧不足になることは目に見えている。

 
  米は加工でなく家庭の食事分は、ほぼ100%自給である。米を中心とした日本食は長寿にもつながり、世界的に注目もされている。中国の富裕層は日本米を1kg1,400~1,800円(国内の4倍前後)と高値で買い、美味・安全の面でも信頼されている。

 この国産米を大切に守るには、水田の減反分で栽培され始めている特別需要米(米粉や飼料用)も上手に育てる必要がある。所得と言う面で、一般米作とリンクされてくるからだ。

 米粉用の米の生産は、平成17年に約3,000トンだったものが、平成23年度は40,311トンと約13倍に伸びている。全国の米粉加工食品販売・製造業者も、平成19年10月に約600業者だったものが、平成23年3月には2,153業者に増えている(農水省飼料)。

 
 米粉を使いパン、うどん、ケーキ等を製造・販売する例が急増しているためだ。しかし、米粉用の米の生産は米全体の200分の1に過ぎない。米粉パンほかの普及が望まれるが、巷のスーパーを訪ねても米粉パンになかなかお目にかかれない。

 10月5日に5店ほど見て回ったが、ヤオコー某店ではパスコの1アイテムにわずかに米粉が使われているのを発見。コープ某店では、インストア・ベーカリーのコーナーで米粉のコッペパンが1点、池袋の西武百貨店ではテナントのベーカリーを3店回ったが、蒸しパンで1点・・・と少ない。3年前に熊本に行った際、市中で調べたら2点ほどすぐ発見できたのとは大違いである。

 
 米粉は高性能の製粉機でないと細粒にならない。そして細粒でないとパンにならない。このため熊本県では、「パン用の粉は、これこれの工場で委託加工してくれます」と、農業者や2次加工業者のPRしている。このためかどうかわからないが、後述の埼玉県のベーカリー「コイガクボ」でも、熊本県の米粉を使っているとのこと。

 
 東京や埼玉は消費県のため、農業者や農水省の想いが届きにくいのかもしれない。珍しいもの・高いものにも飛びつく層が多いはずであるが、そうした傾向が見られない。

 たしかに、米粉は小麦粉に比して高い。小売価格の安値同士を比較すると、1kg378円対278円で1.36倍。製品のパンを比較すると40gもので73,8円対40.7円で1.81倍、60gもので85.6円対48円で1.78円という資料もある(ごく限定された調査)。

  この高さを押して米粉パン買ってもらうには、美味くなければならない。コープ店舗で買った小コッぺパンは1ケ150円だったが、2ケ分を仲間4人がアッと言う間に食べ、「美味い」の感想だった。



  翌日は本ブログで紹介したこともある入間市のジョンソン・タウンというモダン商店ばかりある1角の米粉パン専門店のコイガクボを訪問した。5坪ほどの売場から、パン焼き窯も見える。ここのパンはすべて米粉パン。しかも一部使用でなく米粉100%(もちろんグルテン使用)もの。店内にも写真の通り100%の標示がしてある。

 棚には毎日少しずつアイテムを変えていると思われるが30品ほどがトレイに乗せられ販売され、セルフ・セレクション。当方はオレンジ・コッぺ1ケ150円を2ケ、つぶあんぱん140円、チョコクロアッサン190円、カマンベールルノア180円、枝豆&明太子170円を各1ケ買って帰った。

 御飯で夕食をして、間食に妻と二人、ニ度に分けて賞味したが、おせいじ抜きで、食べ足りないほどの「超美味い」だった。加工法に沢山の工夫がされているのだろう・・・もちもち感、米の甘さに加え、どれにも経験したことのない複雑な美味さがあった。

 例えばチョコクロアッサンは皮のこうばしさと中側の巻かれているチョコレートが少量の塩味のため、美味さが引き立っていた。

 コイガクボの各種パンに属する売れ筋5品は①おむすびパン、②地中海ミートソース180円、③サンドイッチ240円、④ビストロカレー190円?、⑤カマンベール・ノア(上記)。
 
 菓子パン5傑は①当方も買ったオレンジ・コッペ(上記)、②白焼きキャラメルチョコ?円、③粒あんぱん140円、④チョコ・クロワッサン190円、⑤クルミパン160円。

 あえて商品名と価格を出したが、名だけ知っても真似できないはずであるからだ。食パンは1斤1,050円、ハーフ600円であった。高いと映る人もいるだろうが、次々と客が来ており、美味いなら少々高くても良いとする人が多いのだ。


 米粉パンはこの通り専門店としても繁盛し、充分に支持されることが実証されている。自信をもって各地で挑戦して欲しいと願う。この点はパンメーカーに対しても同様である。

 なお米粉パンは、①もっちりした食感、甘さだけでなく、②水分が40~45%(小麦粉パン35~38%)で、固形分も小麦パンより5%少なく低カロリー、③良質の蛋白質が多く含まれている、④ゆっくり消化され、血糖値の上昇が少ない・・・などもPRすべきことだ。

 




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