2024年7月11日木曜日

「仏子」という地名の由来ー超レア全国2ケ所のみ

 私の住む入間市「仏子」と言う地名は、他に徳島に1件あるのみ。全国に2件しかない超レアな地名です。「仏子地区の再発見」の巻頭の写真を見ていただければ、レアな要素がたにもいくつかあり、ぜひ一度きてくださいね。jkondou@biscuit.ocn.ne.jp に連絡いただければ、暇なときは一部ご案内いたします(ただし2時限3.000円。人数制限なし)。私が「宮沢賢治のイギリス海岸」と呼んでる入間川の美しい川岸もあり、ここでは古代象の足跡も発掘されました。下手には蛇噴石という石(穴ジャコの巣に鉄分沈積)も沢山隠されています。

丘陵が涅槃像に似ていませんか?


 仏子はズバリ言えば、仏につかえる子であり、信心することで来世に仏になれるということと理解している。仏子の加治丘陵の北側地区には、高正寺、円照寺、長徳寺、南側の山麓には東から西に東光寺、龍園寺、豊泉寺、光円寺、高養寺などがあり、これを上回る神社もある。歴史的に宗教心、信仰心の強いエリアを感じさせ、「仏子」の名に恥じない地域のように思う。

この姿と地名の由来は密接不可分である。詳しくは後に譲るが、地名の由来としては①仏子と呼ばれる地形に位置する、②高名な僧がいた、③高名な武士がいた・・・から、などいくつかの説がある。

3つの説のなかでは、高名な僧・武士は特に見当たらないから①を押す説が強い。だがこの説も、本末転倒のきらいがあるように思う。「仏子」は丘陵地の高台と平地の結節点を表すとされ、「星」「藤」「縁」「武士」「崖=ハケ」などの付く地名と似た意味を持つとされる。ではどんな地形かといえば、太古の洪水や大雨で、川の下流に土砂、礫(レキ)、岩など押し流され、堆積してできた丘陵地と平地の接点の地形という。

    加治丘陵、狭山丘陵ともに、このように多摩川などの洪水で形成されたモコモコとした台地だ。その端はその後の川の流れで洗われ、時に何段もの段丘を形成する。丘陵ー段丘ー段丘の間は切り立った崖状になり、これをハケと呼び、その下部に泉が沸いている場合も多い(その一つが仏子地区の野田にある「矢田の泉」)。
写真① 釈迦の涅槃像
写真② ヤオコー屋上から眺めた加治丘陵。上=西流れの像 涅槃像をイメージできる箇所は2つある。

写真③ 下=東流れの像(リバーサイドの駐車場より)

こうした丘陵地と平坦地の結節点が「仏子と呼ばれる地形」とされる。なぜ「仏子」と呼んだのか不明だ。どこにも説明が出てこない。当方の推定では「釈迦の涅槃像」と関係あるように思えてならない。写真のように涅槃像は頭、肩、胴、腰と凹凸があり、足先にかけ丘陵のはずれのように低くなる。まさに加治丘陵はこれに似た凹凸がある。遠くから一度眺め直してほしい。そして、像の周囲はストンと落ち込むが、加地丘陵の側面も切り立った崖ばかりで、なだらかなスロープは1つもない。その裾に沿い仏子側にも南の金子側にも人家が古くから張り付き、弟子たちが釈迦の入滅を悲しみ取り囲むかのようである。

   この「仏子名の由来説」は、あくまで個人的な見解である。それにしてもネット検索し、仏子の地名は皆無に近く(1ケ所のみ出てきたのは徳島県三好市山城町仏子。ネットで県別に仏子の名を置き検索しても出てこない)、貴重な地名に間違いない。

と同時に地形由来の仏子が全国に1つしかないとすれば、この一帯の地形がたまたま涅槃像とこれを囲む弟子たちの姿と似ているので古くから仏子と呼んだ。明治以降に地層・地形学が発達し、特徴ある地形がたまたま仏子に位置するので「仏子型の地形」とした・・・と推定でき、先に「仏子と呼ばれる地形」があり、ために仏子の名がついたというのは間違いだと思う。何百年も前に地形学、地層学的な名称など確立するはずがないからだ。

仏子という名が全国に少ないのも、仏子層に近い地形・地層があったとしても、そこには従来からの地名があるからだと思う。

追記・・・「アイヌ語だ」と決めつける方にも2人出会ったが、ネット上の2つのアイヌ語辞典を検索してみると、最初の文字がブはもちろんバビブベボで始まる単語は皆無(パピプペポは逆に多い)。英語のアイヌ語辞典でも頭がBやVで始まる単語はゼロである。以上からすると、アイヌ語説の可能性はかぎりなくゼロに近い。

<お礼>本欄については、誰かがfacebookで紹介してくれたのだと思う。平成28年12月11日~12日には各150ほどのアクセスがあり非常に喜んでいる。

世界一の涅槃像は福岡・篠栗町に!

仏子研究からすると枝葉に属する話になるが、世界一の涅槃像が福岡県篠栗町の南蔵院という寺にある。全長41m、高さ11mという巨像である。偶然だが大学の友人が地元に住み、九州旅行の際に泊めてもらい、この際涅槃像を実際に見た。先の写真と違い頭をもっと持ち上げている。全体がブロンズ製で青銅色である。


徳島県三好市の仏子は仏師から変化!

三好市山城町の仏子(ぶっしーと読む)については、実際に三好市に地名の由来に関係する資料を送っていただいた。残念ながら「地形由来の地名」ではないようだ。市の地名に関する資料には「仏像などを作る仏師・友信が来て住み、仏師という名で呼ばれたものが、のちに仏子と改まった」という短い記述がある、
付近は山岳地帯で596m、1020m、980m、926mなどの山に囲まれ、かなり山間部といえる地形である。したがって小字の仏子地区の世帯数は21、人口は33人と少ない過疎地だ。付近を吉野川の支流が流れているが、平地に山の土砂が流れ台地を形成しているとは思えない。したがって涅槃像に似た台地ではないようだ(地元の地図も送っていただいた)。 別のブログに「入間市と徳島県三好市の市対応の違い」を掲載してある。是非こちらも読んで欲しい。入間市の1/5の人口しかないのに、三好市は入間市の数倍もやる気のある市ということが分かる。

阿蘇山は涅槃仏!

   熊本県の阿蘇山は遠くから見ると涅槃仏の形に見えるそうで、山自体を涅槃仏として崇めているようである。このことからも加治丘陵とこれを取り巻く集落の姿から「仏子」という地名が生まれたとしても不自然ではない。

写真の根子岳が顔、高岳が胸、中岳が腹、烏帽子岳と杵島岳が膝

2023年11月7日(火) 仏子の歴史を追う

 西武わが街研究会の調査資料によれば・・・正保田園簿(正保は西暦1644~1647年)によれば、仏子村は高麗郡加治領に属し、水田23石、畑63石で、当時代官支配地であったとある。宝永3年(1706年)に、旗本・鈴木氏の知行地に。宝永1年(1704年)、武蔵野国高麗比企西郡は550石。このうち90石弱が仏子村の知行地であった。遡る寛文8年(1667年)の検知では、53町2反歩余であった。そのうち屋敷が2町2反歩余。

 仏子村は近世当初より、様々な農家的な商品生産物をつくり、カキの木等の育成に努力。「甲州丸」「霜丸」を売り出した。特に養蚕や機械織りに力を入れ、木綿織の反物が稼ぎとして盛んにおこなわれた。  

西暦1644年と言えば、今から357年前である。仏子の名は、もっと前からあったはずで、こんな時代に地質・地層学があるはずがなく、「仏子層があったから仏子の名がついた」ということはあり得ない。むしろ仏子という地区に、特殊な地層があり、これを「仏子層」と名付けたのが本当だろう。

仏子の名に、多くの人が興味を持ってくださり有難うございます。2023年12月8日現在, 「仏子の再発見」のブログではアクセス6,613で、当ブログの2位です。

top画像
解説

2024年7月5日金曜日

セルフ・レジ大幅導入・・・ヤオコー新戦略は使いやすい

 



                  番号表示の看板の内側・・・約33平方メートルがセルフ・レジ

 人手不足も極限にきているなか、ヤオコーでは7月に入って一斉にセルフ・レジを採用し

ている様子。狭山店は12台、仏子店は10台がセルフ・レジ。仏子店では従来の職員がつ

いたレジが5台あり、15台体制だから清算の迅速化は大幅アップしているはず。 

 私もメカに弱い方で、TSUTAYAのセルフ・レジにはてこずり、2度の清算に店員のアドバイスを求めた。ヤオコーではすでに4回セルフ・レジを通過したが、1回も店員のサポートは不要であった。いずれにしても、清算までの手順が大きい明るい画面に表示され、質問しなくても清算まで楽にたどり着ける。ただ店員と違い、商品のバーコードの位置を記憶できないので、バーコード探しに時間がチトかかることも。 

 店側のメリットは省力だが、客にとってのメリットも多々ある。

1.並ぶことがほとんどない。今日は金曜のためもあってコーナーの入口で3人並んでいたが、セルフ・レジは10台あり、直ぐ空ができる。

 2.前の人の清算が進むのを端で見ていれば、必ずイライラする。このイライラがないだけ、買い物の気が晴れる。

 3.自分で総てスキャンするのだから、間違いがないという安心感がある。

 4.ポイントにしても、普通レジのほうはカードを読み取り部分にかざしても、反応が悪く、登録されたのか聞くことがあった。今度は商品のバーコードの読み取り部にかざせばよく、読み取ったことが明確に伝わる。

 5.籠に移し替えるようにして清算を終えるが、買い物袋に入れ換える場所は、裏側に準備されおり、あせらず総てユックリ振る舞えばよく、追い立てられる感じがまったくない。

 いずれにせよ、「顧客の満足度がアップするセルフ・レジ」と言えそうだ。

 

2024年2月11日日曜日

アネモネはチューリップ並みの豪華美人花


 1月末ともなると、花の種類も急速にふえはじめるが、アネモネは他の花を圧倒するこの期一の美人花と思う。私はスーパーの店頭の花売場で見かけ、即座にとりこになってしまった。9株買い(1株198円)夕方植え、水をやっておいたら、1月末と言うのに翌日は度の花もピンとして立派な状態・・・寒さにも強いようだ。 

地中海沿岸に広く分布する多年草で、100種もの品種があるとされ、日本にも10種ほど入ってきている・・・赤、白、青、ピンク、オレンジ、黄色、紫、黒など。チューリップやパンジー同様に色が強烈だけでなく、円形の花びらに気品があり、その美しさ歯、群を抜いている。

 花言葉は赤が「君を愛す」、白が「期待」「真実」「希望」、青が「堅い誓い」、ピンクが「待ち望む」、黒が「あなたを信じて待つ」・・・若い方に深く関係する言葉。オレンジや黄色、黄色、紫にはまだ花言葉は無いそうだ。

 

 1月末ともなると、花の種類も急速にふえはじめるが、アネモネは他の花を圧倒するこの期一の美人花と思う。私はスーパーの店頭の花売場で見かけ、即座にとりこになってしまった。9株買い(1株198円)夕方植え、水をやっておいたら、1月末と言うのに翌日は度の花もピンとして立派な状態・・・寒さにも強いようだ。 

地中海沿岸に広く分布する多年草で、100種もの品種があるとされ、日本にも10種ほど入ってきている・・・赤、白、青、ピンク、オレンジ、黄色、紫、黒など。チューリップやパンジー同様に色が強烈だけでなく、円形の花びらに気品があり、その美しさ歯、群を抜いている。 

 花言葉は赤が「君を愛す」、白が「期待」「真実」「希望」、青が「堅い誓い」、ピンクが「待ち望む」、黒が「あなたを信じて待つ」・・・若い方に深く関係する言葉。オレンジや黄色、黄色、紫にはまだ花言葉は無いそうだ。

  2月10日  植付け後1週間以上たった今、花弁の大きさはチューリップ並みになり、豪華さに拍車がかかった感じ。花の枝梗が長く、風で吹き倒されることも多いようで、時に細い鉄線の支柱を立てて結わえ、折れを防ぐ必要がある。

  2月21日 どの株も1代目の花は散り、2代目に入れ替わっている。成長が旺盛な花のようだ。    

   3月16日 アネモネの近くにカンパニュラの苗4株を植えた。こちらは純白のドレスの花嫁多数が集まった感じ。純情美人花ともいえる。ただし雨が当たると釣鐘状の花弁がやや薄汚れた感じになるのが欠点だ。

3月29日 良く調べると、アネモネは1株1花の苗を植えたが最終的には根本から次々新たな茎を出し、平均約4つの花をつけ、チューリップと異なり1ケ月以上も花を楽しませてくれそうだ。「美人長命」なのである。なお同じ花壇内のチューリップは赤と黄色の丈が低いもの(10cm)がすでに二輪咲き、他に12ケほど尖った花芽を出している。アネモネと競共艶してくれそうだ。

4月10日 アネモネとチューリップの競艶もほぼ終わりを迎えた。アネモネは2ケ月花が持ったが、チューリップは咲いてる期間は1ケ月で終わり。しかし、花弁の大きさはやはりチューリップが勝り1.5~2倍にも見えた。初めてアネモネの球根保存をしてみたいと思っているが楽しみだ。

4月27日  チューリップも総て咲き終えたのに、アネモネ2輪だまだ咲いている。生命力の強い花だ。


2023年12月29日金曜日

スーパー果物販売の危機ー②販売促進と陳列

                            

                       

1.  再度、日本の果物消費を論じる

「生産と消費」の項で縷々述べてきたが、果物の消費は確実に減少している。1人1日当たり消費量は2009年に115gだったが、10年後の2019年には100gになり(厚生労働省「国民健康・栄養調査」より)、さらに5年経過した2024年には90gを割り込んでいるはず。世代別で見ると50代の減少幅が大きく、全世代で果物摂取量が減っている。2040代の果実摂取量は50g台で、まったく消費しない人の割合が59%にものぼるのだ。これでは厚生労働省の「食事バランスガイド」が掲げる「1200g以上の果実の摂取」に遠く及ばない。

表―1 世界各国の果物消費(1人1日g数)国連食糧農業機構2011年


 




 問題は表1のように、日本は果物消費の先進国に比し、1/.5~1/2の後進国。もっとも中国、インド、ロシア、インドネシアも後進国。



2.産地も含めた販売促進

 この現状を打破するにはどうするか。やはり1つ目は、価格が高すぎる問題。ジャイアントマスカットは、1房2,000円もし4人家族の1日のおかず代全体を奪うほどだ。他の果物の消費も奪うことも事実。やはり平地の耕作放棄地も果物に利用し、機械も大幅に導入できる果物作りに、試験場もJAや果実連も目を向け、コストダウンを真剣に行う必要がある。

2つ目は、「美味」さが不安定なことの改善である。野菜は新鮮さであれば、大方の消費者は選択する。果物は違う・・・甘さコクといった味、歯ごたえ、香りなど多要素だ。漠然としているが、食べる段階に適熟で、個々の果物の特性が発揮されている必要がある。食べる段階の適熟を前提に、これまたスーパー、仲卸、荷受け、生産者団体、農事試験場等が一つになり、適期収穫、その後の輸送法、保管法のマニュアルを確定すべきである。非常に困難なことだが、消費拡大のため頑張る必要がある。

3つ目は、甘さを増やすのに有機肥料や特殊な肥料が現に市販されている。この適正な普及を図る必要がある。

4つ目は、果物には収穫後も熟度が進むものと、そうでないものがある。①収穫後も熟度が進むものは・・・・ババナ、アボガド、モモ、ラフランス、カキ、ウメ等。②追熟が必要なもの・・・・キュウイ、洋ナシ、バナナ、モモ、スモモ、メロン、アボガド、マンゴー、パパイヤ。③追熟が進まないものは・・・・ブドウ、イチゴ、ブルーベリー、サクランボ、スイカ、パイナップル、和ナシ、かんきつ類等。なおリンゴやバナナはエチレンガスを放出。これをポリ袋に入れ、他の熟成する果物を投入し保存すると熟度が進む。スーパー等は以上のことをPOPなり、簡易印刷物でスーパーは消費者に知らす必要がある。

5つ目は、品目や品種区分で売っていく方法では、消費者は選択がしにくい。産地ごとのこだわりを前面に出す必要がある。多くの優良直売所では、個人別のこだわりをPOP化し、実ににぎやかで販促している。産地はたとえば出荷初めの10%の箱に「独自のこだわり」を表現したPOPを1枚封入し、スーパー店頭に展示してもらう。そのサイズは果物の陳列を妨げないよう横20cm×縦15cmほどの控えめな大きさにする・・・といった努力をし、店頭での販促に寄与する必要がある。

写真1 農産物直売所は「こだわり」表示のPOPが沢山

6つ目は多くのばあい、味を左右する糖度を店頭で表示することである。ヤオコーでは調査した日には48アイテムに糖度表示があり、ほぼ100%のアイテムに糖度表示を実施していると見る。そして写真のように、とてもおいしい、おいしい、普通の3区分の基準糖度を示し、大きい字で陳列品の糖度を示す方法である。

写真2 モモとブドウについての糖度表示

3.  再販売促進的な陳列法 主に優等生のヤオコーの実践と写真

①商品の目立つ台、籠、敷物  売場の主役は果物である。果物を目立つようにするには、台や籠、敷物の色を目立たなくする必要がある。一般に台は褐色、黒褐色を使う。70%の店はこの色を採用。残り20%ほどの店が木の自然の薄茶に近いもの、10%はオレンジとかグリーンと言った明るい色。若い客が多いとか、絶えずお祭り気分を演出するため、あえて明るい色を採用してもよいが、一般スーパーでは褐色~黒褐色の台や籠、敷物は黒あたりを基調色とするのが妥当である。

②ひな壇で見やすく取りやすく  直売所は出荷者の数や単品の補充量が多いため平台が普通だが、スーパーは単品多量販売ではなく、多アイテムの少量・中量販売が主流。こんおためひな壇式にして、少量を多量に見せ、かつ上の段でも見やすく・取りやすくするためひな壇式にするのが普通である。

③商品のカラー・容器コントロール  果物全体を浮き立たせるのと違い、1品=アイテムごとに目立たせるのがカラーコントロールだ。アイテム固有の赤、オレンジ、黄色、緑、褐色、紫などの反対色に近いものを交互に配し、縦じまをつくれば各アイテムが自己主張し目立つ。だがアイテムの少ない果物は全品について縦じま作りは困難である。こうした時は包装形態(ポリ袋入りとかフルーツケース入り、時にバラ売り)や皿盛り、フルーツキャップ(網目の色の差)の有無による差を利用し、縦じまをつくる。


写真2 果物の色だけでなく包装形態、籠盛りといったことも含め縦じまを

④傷つけない陳列  いくらアイテムごとの自己主張に成功しても、果物自身が痛んだり、傷着くようではマイナスである。果物の形に合わせた凹凸のあるケースを使うとか、トレイを積み上げる場合少しづつ重ねをずらすとか、フルーツキャップを使うとかし、重みが伝わらない努力が必要である。完熟度の違いによっても、痛みが異なってくる・・・この点の配慮も必要である。

写真3 マスクメロンでもフル-ツキャップを使えば、大量陳列も可能

 ⑤カットフルーツの販売  こんご増々カットフルーツや冷凍フルーツの販売が増えて行く。これを冷蔵オーップンで販売する店が多いが、ヤオコーのばあい非冷のひな壇8尺でスイカ、メロンなど6アイテムくらいを販売している。非冷のため入口付近に場所を移動することもある。室温を冷やしており、持ち帰ってもひんやり感があり、多くの人は自宅で冷蔵庫に入れ再度冷やす・・・と考え、得策な非冷販売を採用しているように思う。

写真4 非冷のひな壇台によるカットフルーツ販売

  ⑤入口近くに何を置くか  どう店頭から店奥(野菜)に誘導するかは2つの考えがあるように思う。1つは店頭近くに季節の走り品(価格は高い)を置節の変化を演出する方法。2つ目は季節の出回り品で、果物の安さや旬を演出するほうほうだ。うっかりすると、ここに安さの演出で野菜を持ってくるスーパーも多い昨今だが、すでに述べてきたよ うに実用的安さを前面に出せば、高い贅沢品ともいえる果物の購入を阻止してしまう。


写真5 入口近くは季節の走り品や単価の高い品の1個売り等。籠台も上手に利用

 ⑥平台利用の大量販売  ヤオコーを見ていると、入口ショップフロントを背にし、冬場は焼き芋が売られたり、夏場はひな壇にしてカットフルーツを売ったり、時としてマスクメロンの特売がされたりしている。まとめ方の難しいコーナーのようだ。入ってすぐのひな壇側のエンドは⑤の通りだが、反対側のコーナーはとっかえひっかえ平台の上で写真のように段ボール箱、数個入りの塩ビパック入り等で各種果物の特売を打つことが多い・・・他店はここに野菜の特売品を置き勝ちである。ヤオコーのばあい、閉店時はこのコーナーは「空き」状態にしているが、とっかえひっかえ目先を変えていく特売の計画化が図られているようだ。



 

 

 







 


 

写真6・7 入口近くの左半分は平台で季節商品の特売ー箱出しや塩ビケースの平積等