2023年8月24日木曜日

夏の花には困る―貴重なホウセン花やメランポジューム


 今年(2023年)の夏は超極暑。早咲きコスモスやマリーゴールドで花壇を飾りたいとおもっていたのに、種から育てた早咲きコスモスが超不振。脇から出た細い茎にチョロチョロは咲くが、メインの茎に一斉に咲いてくれない。まだ9月、10月と間があることに期待しているが、株を分けてもらいたい・・・と伺った大農家の大コスモス畑も不作を見越してか耕運機でならされていた。多色のコスモスとキバナを1対1で植えたのに、最終1対10ほどであった。

   


                   

写真① 草丈60cmのマリーゴールド、10月に入っても花が増え続けた。





写真⓶ ホウセンカは水やりに注意。倒れたら支柱。 

 マリーゴールドは、初めてビニールトンネル風のところで種まきし、移植まではうまく行ったが、芽掻きの方法を知らず、遅くなり芽掻きしたところ、一部の花壇(3つある)では、草丈60㎝になって、写真のようにやっと花が咲き始めた。 

 トンネル育苗でどうにか成功したのは椿咲ホウセンカである。全20株ほどが赤や紫の可憐な花を咲かせた。水を十分やらないとクタと座り込んじゃうのに注意が必要だ。花が足りず友人宅からもらってきた黄色の小さい花のメランポジュウムは枝分かれし花を増やしつつある。大助かりだ。

 写真③ メランポジュームは水を上げはじめると、とたんに花数も増える。

 ホームセンターやスーパーの店頭等でも、夏の魅力の花は本当に少ない。あえて選ぶならハゲイトウやコリウスやトウガラシ系だ。コリウスも苗場に買いに行くと多彩な色があり、花以上に美しくもある。これらも水やりを怠るとしゃがんでしまう。時に支柱の助けも必要だ。ケイトウは路地に下すととたんに元気がなくなり、消えてしまった・・・・以上がこの極暑中の実態報告だ。 






 

 

フーコットは売場850坪ー超省力を目指すDS

 

 入間・飯能地区にはコストコ、業務スーパー、Big-A、生鮮市場など安売りスーパーも顔をそろえているが、「これらより合理的に安いディスカウント」を目指して登場したのがフーコット。飯能市の東はずれ新光に「フーコット」飯能新光店がオープンしたのが2021年の8月。旧アルプスの撤退跡地である。アルプス時代の倉庫やバックの作業場まで売場化し、売り場面積は約850坪ととてつもなく広い。昭和30年代にはスーパーの適正規模は300坪、昭和40年ころからは450坪・・・と言われてきたが、この倍近い規模。レジ9台、営業時間10~19時、休み1月1~4日。すべて現金売り。 

スーパーの2倍近い規模も、倉庫在庫を持たず、すべての商品を売場に陳列、徹底して労力を省き、安売りに徹したディスカウント・ストアを目指しているからである。しかもこれを運営するのは、鮮度・品質管理を徹底し利益率でも優等生であるヤオコーだから驚きを隠せない。ヤオコーが2017年に買収し子会社にしたエイヴイのスタイルがモデルという。このモデルに従いすでに秩父店、昭島店と合わせ3店を出店している。

 



 






 








    

 惣菜だけは作業場を残し、店で調理・販売を続けているが、他の生鮮3品、加工食品、雑貨、酒類等は店に在庫を置かず、外部センターから搬入。午前中の早い時間にドカ、ドカと陳列を終えてしまう。飲料の類は長い2列のゴンドラの下3枚ほどの棚板をはずし、箱単位の大量陳列がされている。米などもゴンドラ6尺10本分の棚板をすべて除き、関東以北のすべての銘柄が揃うのではと思われるが、約22銘柄について5キロ1,488~1,888円、10キロ2,188~3,058円の袋の山である。また酒類の売り場だけで80坪ほどあり、酒類の品揃えは地域ナンバーワンではないか。

 

 









   惣菜は店独自の開発品で個性が出しやすいためか、冷ケース多段30尺、平台22尺幅を2ケ所確保しているが、弁当は極めて安く298~498円の品が22品も並び、唐揚げ類も20品以上と種類が豊富。ピザも数種ある。 












 飯能の友人の話では、とりわけ青果物が安いというが、8月下旬の某日・・・ます野菜だがトウモロコシ1本129円、レタス1ケ99円、キャベツ1ケ99円、キュウリ1本49円、ナス4ケ159円、ニンジン4本99円、ダイコン1本159円、タマネギ4ケ99円。果物ではバナナ3本89円、グレープフルーツ1ケ99円、幸水なし2ケ398円、モモ2ケ399円など。 

 肉類においても、輸入品の場合が多いいが100グラム100円を割る商品も沢山ある。惣菜でも298~498円と超安い弁当がずらり。加工食品は、有名ブランド品は他のヤオコーと競争するのを避け、その他の独自開発品を安くしているように思う。ネットを検索すると、利用者の声が30人以上出ているが、ほぼ全員が「生鮮食品はもちろん、その他も全体に安く、通路が広く買いやすい」と回答している。 

 9台あるレジは常時5~7台は稼働。いつも5~10人も並んでいるが、現金のみの販売のため迅速に会計は終わり流れが速い。店長室はレジ近くに開かれた形であり、他店と大違い。午前中に集中的に品出しを終えてしまうので、午後行くとレジ、惣菜の職員と全体を見まわしている店長しか見られない。 

 

2023年8月8日火曜日

本ブログの訪問者は夜間に一山・・・農業者に感謝!

 

   ここに紹介するのは、本ブログ「農業・商業お助けマン」の2週間(令和5年7月)の訪問数の時間別構成比である。訪問者数のデーターは1週間、1ケ月、1年といったものも見ることができるが、1日24時間のものは午前9時から翌日午前9時までが1時間刻みのグラフとして出てくる。毎日、朝9時を過ぎるとデーターを見て、その多少にガッカリもすれば喜びもする。 

 ブログの内容により、見る人=訪問者の性格も違い、見る時間帯も違ってくるように思う。本ブログの場合、農業者、商業者を中心に食品や直売所、スーパーに興味を持つ消費者なども含まれているはずだが、いずれにしろ昼間の9~16時までに一山あるが、合わせて普通の人なら睡眠時間に当たる午前2時~6時ころにもう一山ある。特に2~4時の山は高い。普通の人なら睡眠真っ盛りの頃である。心から感謝申し上げたい。

 

表 時間帯別の訪問客数…時間区分と3時間区分 数字は構成%

時刻

小計%

 

時刻

小計%

9~10

.68

 

 

21~22

.89

 

10~11

.79

14.77

 

22~23

.27

.92

11~12

.30

 

 

23~24

.76

 

12~13

.68

 

 

24~ 1

.55

 

13~14

.82

18.56

 

 1~ 2

.14

15.92

14~15

6.06

 

 

 2~ 3

10.23

 

15~16

.06

 

 

 3~ 4

.09

 

16~17

.27

12.12

 

 4~ 5

.79

17.05

17~18

.79

 

 

 5~ 6

.17

 

18~19

.20

 

 

 6~ 7

.89

 

19~20

.65

11.74

 

 7~ 8

.65

.92

20~21

.89

 

 

 8~ 9

.37

 

小計

 

57.

 

小計

 

42.

 

   この早朝派の主たる人は、「夏場は日の登るとともに作業にかかる」という農業者の方がほとんどのような気がする。午前4時には明るくなり田畑の管理作業や出荷作業にかかる。早い時間に寝て、時に午前2時、3時にパソコンの前に座り、あるいは携帯を手にし、「何か役に立つ情報がないか」とネットを検索する・・・こうした努力家の農業者の方に頭が下がる・・・「ご立派」の一語に尽きる。今後も頑張って欲しい。

  商業者や一般消費者は、主な睡眠時間を21~翌6時くらいの間に持ち、食事や通勤後の9時から仕事や開店準備にかかる。自分の知識を広げるためネットに向かうのは、仕事の進んだ後の11時から16時ころに山がある。18~19時にも一山あるが、仕事を閉め一服時のネット検索・・・と言えそうだ。

 私はすでに80代後半の半ポンコツ人間。有益情報の取材もままならなくなった。だが皆さんの「ネット検索を通じ、一歩先を行く」の姿勢は、今後とも大切にして欲しいと願う者だ。

2023年7月6日木曜日

入間市初のJA中規模直売所「いるとこ」オープン

 入間市とすれば、「ふれあい大樹」という心障者施設の直売所と並び、広い部類の直売所である!!

 JAの「いるとこ農産物直売所」が、JAいるま野入間南支店とともに6月12日(令和)に所沢徒飯能を結ぶバイパス462号線沿いにオープンした。正確な住所は入間市大字上藤沢2-1、電話04-2936-6163である。武蔵藤沢駅南口の大通りがバイパスと交差する西側の角で、東側には「スシロー」があり分かりやすい。所沢市と隣接しており「いるとこ」の名も、このためである。 

 売り場面積は5間×9間=45坪(148.5㎡)ほど。同じJAいるま野の「小谷田農産物直売所」の30坪(99㎡)より広い中規模店である。駐車場は農協の職員用を除いても90台分もあり、駐車に困ることはない。営業は9時30~17時。7~8月は閉店が18時。休みは水曜。 










 


   店舗入り口を入ると、東→西に長辺に沿い5つの列があり、一番東側は2台のレジとお米。その他4列は木製平台6尺を6台組み合わせた各島である。これらは青果(ごく一部の果物)の売り場。スーパーと異なり、入口を入ると同時に水水しい地元野菜が大量陳列され圧倒される。とにかく前日夕か当日朝に採ったものが、元気一杯に並んいる。これはスーパーにないこと。7月のこの時点ではトマト、キュウリ。ジャガイモなどは、各12人以上から品種も違えたもの出荷されており、選択性もワイドである。問題があるとすれば、出荷者みずからが「うちのここがこだわり」「料理メニュー」といったPOPが用意されていないこと。うまさまずさはシールの名前で覚えるしか手がない・・・のでチト困る。果物は地元で採れるものが少なく、出荷先も限られた12~15アイテム(最低の区分)しかない。消費地地区のJAが産地から果物を共同仕入れしていると聞く。こうした形での品揃え充実が望まれる。 


 







  


   花類は店頭西側で鉢花が売られ、この裏側に当たる店内の壁に沿い、個人や贈答用の威花が多数置かれている。桶の数にして70~80桶があり。こと切り花については万全の品揃え。価格帯も250~450円と安い。店頭の鉢花は、花壇に植えるための苗鉢が少ない。

 加工食品や菓子、牛乳・卵・豆腐などの日配品は、花を除く3つの壁面に必需性の高いものに限り揃えてある。直売所の特徴を発揮するため、「やむ得ない圧縮」である。

2023年6月8日木曜日

都市・田舎の入間市市政の問題点

 

写真① 入間市役所正面

 入間市は街並みや多数の団地地区を一皮はげば、広大な茶畑や野菜畑が展開する。野菜作りを実技指導してくれる「ぼくらの農園」もあり、本ブログと「仏子地区の再発見」のブログを合わせると12000のアクセスにもなる「入間市農業のエース―桂ファーム」もある。今から40年前の前後に大挙して首都圏通勤者が移り住んだが、街道沿いのニュー業態のチェーンも、隣の狭山市やは飯能市に比べ極めて少なく、ないまさに「とし・いなか」という感がある。

 これから書くことは、別ブログの「仏子地区の再発見」で1度は書いたことばかりだ。市当局、市職員、そして市民の方に再度読んでいただき、キラキラ光る入間市に少しでも近づいてほしいのだ。 

 これからは地域間競争の時代。地元に魅力がなければ、人口が急減しますます悪循環に陥る。私は週3回、6時半に家を出て9時半までに家に帰れる早朝バイトしていたが、この時狭山市、所沢市、川越市、ふじみ野市、富士見市、三芳町を通りすぎる。ために、他市と入間市の違いが目に飛び込んでくる。 

市民が誇りに思える街づくり

 入間市の応援団員として、「入間川あり、加治丘陵あり、広い茶畑ありで自然環境は良」、「秩父や奥多摩山系に西を囲まれ天候も良」、「犯罪も少なく治安も良」等・・・と紹介してきた。だが、田中龍夫市長―若い杉島理一郎市長と受け継がれてきたものの、この間ピカリピカリと光るものが発見できない。前の田中市長は町会や老人会にもよく来てくれた。だが市職員に、市民と交流し学ばせるという要素に欠けていたように思う。具体的対策を練るのは職員であり、現場を見て改革をしないから現場が変化しない。

 職員には入間市内をよく知るだけでなく、他市の優良事例…例えば①幸福度1位、②人口増加1位、③出生率1位、④保育児童の待機率ゼロ、⑤工場誘致の優良例・・・など毎年5ケ所程を選定し、応募者を派遣するような制度を採用して欲しい。2泊3日ほどの行程であれば、1件20万円、全体で100万円の予算をつければ足りる。現場の市町村で1日レクチャーをうけ、あと2日はレンタカーを借り、推薦された現場をつぶさに見る。帰ってからA4用紙10枚くらいに入間市の改善点を含めまとめる・・・ともかく「良いものを実地に見る」ことが早道と信じる。3日は少ないと言うかもしれないが、雑誌記者、経営コンサルタント(かつての私の職業)が現地調査するのは、たいがい数時間、長くて丸1日である。期間の長短でなく「事実から学ぶ謙虚な姿勢」が問われるのだ。 

 東武東上線の上福岡駅、富士見市駅、鶴瀬駅はともに駅前ロータリーがあり、駅から西の川越街道に向け広い道路がある。天気が良ければ富士山が道路正面に見える。上福岡駅西口広場は町会のお祭りをするほど広い。人の字をあしらった大きな彫刻もある。またロータリーの花壇は2~4m×40mほどのものが2列あり、季節の花が10種以上も植えられている。各駅のメインストリートの街路樹も大木になるケヤキを避け、ハナミズキである。街路樹の下には「お馬の親子」の音符に合わせた高さの石柱が30あまり・・・おしゃれだ。 

写真⓶ 三芳町の古民家の1つ ・・・寺子屋だった旧・島田家

小規模の三芳町(人口は入間市の1/4強)だが、古民家が2つも残され、お年寄り(パート扱いか?)3人が毎日交代で囲炉裏の火を焚き、その他の維持作業をしている。史跡維持に金をかけているのだ。古民家「島田家」(落葉農業の歴史の拠点施設)のある上富地区は「いも街道」の看板も付けられ、特産さつま芋の農家の振興にも留意している。市民が誇りを持てる街づくり・・・が,これら市町村では着々と進められ、子供も多く、毎日集団登校する沢山の児童を見ながら車で走る。 

広報「いるま」はコンセプト不在

私は2017年3月に「市活性化6つの提案」を田中市長宛てに出した。市民の声を真剣に聞く気がないのか、途中の部署でつぶされたようだ。その前の木下市長のときは「入間市・道の駅設置提案」を出し、呼ばれて当時の観光課長、農業課長が私の説明を聞いてくれた(道の駅は都心からの距離の問題で所沢市もだめに)。ところで、2017年の6つの提案とは・・・

 1編集改善で「読まれる市報」に

  ボランティア集団への助成を

3. 入間市駅附近の野外ステージの利用(本問題は直接の部署に行き、付近のマンションに対する騒音で、年間の利用が限定されていることを知った)

ホワイト・エンジェル構想(ガードレールの塗装・洗浄をボランティア団体、町会に市が有料委託。ボランティア活動の活性化もはかる)

5歴史的建造物や景観の市による指定

6. 入間川―子供さんの雑魚釣り場に 

入間市のばあい、キラリと光るものが街角だけでなく、広報「いるま」にもない。志木市、所沢市、三芳町の市報も集め写真もつけ、改善提案をしたが、「いるま」は市から伝達事項、開催行事の細かい記事のオンパレード。市が掲げるコンセプト(構想)に沿った優良事例、識者や先進市民の意見と言った「読み物」がない。結局のところ市が今何を重点に改善し、成果が上がっているか否かもわからず、市民を鼓舞するものがない。 

 写真③ 三芳町の町報ー特集は農業振興のための「落葉による有機農法」

この時集めた所沢市報は、表紙に「特集 所沢の魅力、再発見」とあり、16ページ中4ページが特集にあてられていた。志木市報も表紙に「元気!活気!志木!」とあり、「市民力―再発見!夢と未来を語れる 触れ合いあふれる志木」という特集が組まれている。小さな三芳町の町報は一段と優れていた。女性誌のようなイメージの電話をする女性モデルが表紙を飾り、これに「落ち葉の恵み」と黒い大きな文字が書かれ、20ページのうち6ページがこの特集に裂かれている。落葉農業については、本ブログでも「落葉農業の三富新田史跡保存に学ぶー三芳町」として詳しく紹介している。ぜひ読んで欲しい。農業も大切に育て町の産業振興に役立たせる・・・との明確なコンセプトが読み取れるのだ。 

(追記)2023年度から市報も「IRUMA」となり、特集記事が巻頭を飾るようになり、提案が受入れられたように思い喜んでいます。  

観光資源の再発見

私の提案の5.「歴史的建造物や景観の市による指定」は、観光政策への提言である。新市長の「入間市RISE UP 宣言」のなかで、「入間ゲートウエイ構想による観光戦略」を打ち出している・・・都心から近い立地を生かし、新たな魅力を作るため、具体的には入間インターチェンジ周辺の渋滞対策と観光PRを実施し、入間市5駅の魅力度アップによる新たな賑わいを創出するとともに、メディアを活用して発信力の強化を図る・・・とある。 

これまたキラリと光るものがない。インターの渋滞を解消すれば超広域集客のアウトレット客が少々増えるかもしれないが、入間川や加治丘陵、茶畑などの自然と接する客は主に電車で来る。イチゴやブドウの観光農園客は都内から一般道に沿いに車で来る人がほとんど。高速道路は関係ない。仏子―加治丘陵、金子―茶畑、元加治―阿須運動公園へ行く道や改札口の整備がうたわれているが、縦一列で歩くのだから今の道で十分である。 

5駅の活性化でにぎわいを復活・・・とあるが、入間市駅前には武蔵野銀行の閉店も含めれば3店の空き店舗だ。新規開発だった武蔵藤沢駅でも南口の商業集積は完全に失敗している。駅前商店街が発展するには、駅が高架になり線路と直角に交わる道路があり、線路をの両側から集客できる広い商圏が必要。西武線の場合、加治丘陵のふもとを走り、かつ線路と交差する道路もない。山手側の住宅密度も少なく、仮に交差道路があっても商圏は広がらない。駅前広場や駅前幹線道路もなく、地形的にも平らでない。

こんな状態で駅前の再開発をしても、駐車場も広く取れないし、通勤・通学客ががた減りしている今日、多くの集客を望めない。再開発は投資のムダ使いに終わる。どの地域も住宅地のスーパーに買い物の拠点が移っており、その周辺の再開発こそが望まれている。

またメディアの活用というが、訴えるべき観光資源が数、質とも不足しているように思う。基礎的な宣伝手段の案内看板なども大幅に不足し、宣伝の基礎ができていない。このため以下を提案する。

   観光資源ともいえる歴史的建造物、景観というものを再発掘し、その数を充実させる。

   駅や駅構内や広場の案内看板、道案内の看板も充実し、歴史的建造物にはビディオなどによる説明機能(有料の)もつける。

   関係者がアイデアを持ち寄り、観光資源をブラシュアップで現場に金が落ちる仕組みを構築する。 

観光資源の再発掘だが、地元生まれの人からすると、当たり前の風景や建物も、都会育ちのもの(私は神田生まれの東京杉並区育ち=50年)からすれば「珍しい」ものである。仏子に移り住んで、直後から仏子・野田地区の養蚕用の煙出し楼のある旧家、瓦屋ぶきの門、板塀、そして沢山あるお寺などを、馬鹿チョンカメラで撮り回ったものだ。都会人からすれば、これ等も珍しい観光資源なのだ。だが、その最寄り駅構内に案内図もないし、説明看板も皆無。そうこうしているうちに、煙出し楼も3件のうち1件は消えた。板塀もあちこちで消えた。仏子・野田地区は昔、機織りで隆盛をきわめたが、アミーゴにその片鱗が残されているものの、住宅地に旧・機屋の姿はない。歴史を物語るものは、ほっておけば消えてなくなってしまうものだ。小さな町の三芳町等とは大違いだ。 

入間市のRISE UP 宣言では川越市の成功例も参考に、レンタルサイクルの普及も考えているが、川越は見て回るお寺などが商店街の周りに散在、事業所も多く、レンタルサイクルを利用する必然性が高い。入間市は加治丘陵のため坂道も多いし、市全域に「訪ねるに値する史跡や景観」が少ない。観光資源を再発見して準備しないと、レンタルサイクルも画餅に終わる。珍しい食べ物の店、古くからの味噌や醤油作りの工場、先進農場(ぼくらの農園、桂ファーム、有機農法の加藤ファーム、日本一高価な茶の比留間園、有機茶の増岡園等)、イチゴやブドウの観光農園、農産物直売所、見学のできる工場なども発掘し、観光資源にする必要がある。 

 観光資源のブラッシュアップ

大切なのは資源を金の稼げる姿にブラッシュアップすることだ。「加治丘陵や茶畑を中心とした観光ゲートウエイ構想」にしても、実際には金子駅にかろうじて茶畑や登山の案内看板あるものの、入間市駅や仏子駅の構内や駅広場にジョンソンタウン、彩の森公園、旧石川組製糸西洋館、旧黒須銀行、旧繁田醤油・・・いったところの案内看板も、道路標識もない。これらに行き着いたにしても、ガイドさんがいるでもない。誰もいなくても、映像案内機が設置されていて200~300円投入すれば映像と音声で案内してくれるようにすれば、収入もある程度確保できる。

写真④ 旧・黒須銀行・・・日頃は内部は見られない

「入間市観光ガイド制度」を創り、定年を過ぎたシルバーを対象に養成をすれば、20人やそこらの半日単位の雇用も生まれる。 

 加治丘陵と茶畑の景観も一体に考えないと価値が出ない。今、キャンプブームで、野田の河原にはゴールデンウイークになると時に25~30ものテントが張られる。ところで加治丘陵にキャンプ地を設けるのは落雷や山火事の恐れや、水や食料の確保の面で不適である。山を下った金子の茶業農家は、広い庭地を持つし、普通の畑も残っている。茶畑と桜台展望台を共にアクセスできる基地として、①茶業者ごとに10張分ほどずつ、計100張も可能なキャンプ地として開放、②合わせて茶業、茶道、林業(シイタケ栽培含む)の有料の体験教室を開く、③食料調達や土産物(茶、茶の加工品、駒打ちしたシイタケの原木等)を販売する直売所を中心部に設ける。 

岐阜県池田町の大津谷公園キャンプ場では、完全予約制・全面有料化の実験をしている。料金は1区画(6人まで)の宿泊費税込み3,300円、日帰り1,650円。コロナのため現在は80張ほどに制限しているが、花見のときには300張も出たという。80張でも全員宿泊のばあい地元に1日26.4万円の宿泊費が入り、食品や土産物の購入、体験教室などの収入も見込めば、1日50万円。60日稼働すれば3000万円。10で割れば1農家年300万円の粗収入増である。 

   いま外部から来て入間市に金を落としてくれる場所は、三井アウトレットとジョンソンタウンやイチゴ等の観光農園しかないと思う。このうちジョンソンタウンのブラシュアップは緊急の課題である。私の友人企業も2年前に飲食店を出したが、すでに採算に乗らず撤退している。出店者の出入りの激しさが目に付く。土日、祭日の賑わいはあるものの、平日は人影が実にマバラだ。入間市駅から徒歩で18分。バス便もなければ、車を持てる30~40才代はいいが、持たない若者層をシャッタアウトしているに等しい。市は早急にバス停を設け、てぃろーどバスの巡回コースに含めるべきである。 

写真⑤ 白壁のウエスタン調の町並みー外車の展示場の感があるジョンソンタウン

 さらにタウンの運営には①全面賃借だが、住居だけに当てて居るのが25件、店舗兼住宅が30件と異質のものが共存しており、静寂でありたい(覗かれたくない)、逆ににぎやかでありたい(大いに覗いて欲しい)・・・と相反する面がある。区画を2分、店舗専用地区を徐々に形成すべきである。②休日や営業時間を個々の店に任せているが、これでは顧客の利便性に反する。これを統一して利便性を高める。③平日客をふやすため最寄り性の高い業種を増やしたら・・・との意見があるが、それではヨークマートやイオンといったスーパーに勝てない。④アメリカ風といった個性が強いからこそ今日まで集客できたのであり、広域集客できる有名店にアプローチし、出店してもらうべきである。⑤ブログの編集などが唯一の宣伝手段だが、広域集客型であればあるほど、ネット他の宣伝やイベントの開催が必要である。

 景観を損なうガードレール等の対策

私の提案4の「ホワイト・エンジェル構想」とはなにか・・・外部の人の目にまず飛び込むのは、市の風景だ。入間市の風景の中で一番汚いのがガードパイプとレールである。児童の通学路にある白のガードパイプの多くは、輪の形のサビが無数に噴き出している。汚いパイプを見ながら集団登校する子供たちは、爽快な気分にはなれない。白は清純、清潔、誠実、素直などのイメージを持ち、これが錆びていたら、教育上も好ましくない。もともと市の予算にはガードパイプを白く塗り直す費用は組まれてないように思う。入間市の加治地区には15年もたち、錆びてボロボロになり崩れ落ちるほどのパイプが30mも続いていた。 

写真⑥ 建築工事でやっと撤去された最悪のガードパイプー元加治寄りの某区画
            私が引っ越してきた20年前から1度も交換なしであった。 

私の地区は300mほどのガードパイプで取り巻かれている。区長の働き掛けでパイプ塗装の予算が付いたようだったが、なかなか実行されない。1年後に市の道路課に聞きに行くと、「1年遅れで今年工事をする」とのこと。その後「予算が不足で中止」というニュースが入り、翌々の年に塗装が実現したが、予算不足のためか?パンダ模様のように半分だけ飛び飛びに塗り、半分を残し作業員は返ってしまった。 

狭山市や所沢では白いパイプでなく、サビが目立たないブラウン色のガードパイプにすでに半数近く交換している。だが白いガードレール&パイプであっても、廉価な塗装をすれば、また5年や10年美しさが保てる。エンジェル構想は塗装作業をボランティア団体や町内会に廉価な作業費で任せ、ボランティア活動の活性化と美観維持の一石二鳥を狙うものだ。ガードレール&パイプの設置には機材だけで1枠(レール200cm、パイプ300cm)に25,000円ほどかかるようだが、ボランティア組織等でやれば、塗装技術は相当落ちるが1枠のレール1,500円からパイプ2,500円程で見違えるほど見た目がアップする。仮に市全体で1,000枠の塗装をしたにしても150万円から250万円の投資にすぎない。「みどりの牧場に白の牧柵」のような美しいピカリと光る景色を、ぜひ早く通学児童や市民全体、流入者に提供して欲しいものだ。 

やはり人口増加を目指すべきだ

 最終、地域の発展を保証するのは人口、そして消費力だと思う。前の田中市長、現の杉島市長とも「将来、市の人口が減っていくとすれば」という前提で市の指針を打ち出している。平成30年7月に行われた公共施設マネージメント」の意見交換会の資料によれば、30年現在の推定人口148,700人ほどが、少子化が進む平成57年(2048年)には112,300人ほどになり、平成30年に比し75,5%になるとしている。税収を支える生産人口の15~64才となるとさらに悪く、64.4%レベルに落ち込む。人口減少を前提にしたら出先機関や學校統合・・・といった縮小均衡のくり返しで、良いことは少しもない。 

最初にピカリと光る市町村を紹介したが、埼玉の2010年対比2020年の10年間の人口増加のランキングを見ると、期せずして先に触れたピカリの市町村が上位に名を連ねる・・・ふじみ野市8.84%(県内市町村中10位)、和光市5.40%(24位)、三芳町3.79%(37位)、富士見市3.20%(29位)、所沢市1.28%(32位)、そして幸福度県下1位の川越市も5.08%(25位)と高い。ちなみに入間市はー0.13%(37位)である。 

 これら市町で人口増加を支えるのは、「市民が誇りに思える要素が多い」ためと言えるだろう。ふじみ野市とその周辺部は、イオンやビバホームが核になった大規模ショッピングセンターもあり、駅前も整備され、駅前商店街も発達し、物流センターや病院、老人ホームも無数にあり、商業・サービス業を中心とした地元雇用も多い。駅前には毎朝工場と駅を結ぶバスが5台、6台も待機し外人雇用者を中心に送迎している。外人が多いのは雇用機会が多いだけでなく、1部屋2万円、3万円台のアパートも多く、国ごとのコロニーも形成され、日本語に堪能でなくともある程度楽しい交流の場があるからだ。将来、日本人を雇用することが困難になるなか、これを埋めるのが外国人の雇用・・・その基盤も整いつつあるのだ。ふじみ野市ではボランティアと外人が1対1で向き合ったマンツーマンの日本語学校もあり、覗いたことがある。 

 正直、女性1人当たりが生涯に産む子供の数を特殊出生率というが、これが,3人以上でないと、人口減が生じるとされている。0.3人分は結婚しない人もいるためオンする分だ。2019年における日本全体の平均は1.45で、トップは沖縄の1.82、2位が宮崎の1.73だ。ちなみに埼玉は43位の1.27である。一方1世帯当たりの所得を見ると、最低は沖縄の4,977千円、下から2番目が宮崎だ。民間の幸福度調査では2021年において沖縄が指数78.1でトップ。2位が宮崎県の73.0。埼玉は66.2で41位、東京は家族所得トップにもかかわらず65.0で45位である。

 以上からすると、所得の高さと幸福度、あるいは特殊出生率はまったく連動しない。むしろ一部の地区では真逆である。・・・とすると、経済的に必ずしも恵まれていなくとも、幸福度が高まる自然・子育て・近所の連帯感がある環境づくりができれば、人口増加も達成できるはずである。ただ「産めよ増やせよ」というのではなく、幸福度向上に力点を絞った市政の再構築を望みたいものだ。


 

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