2023年4月30日日曜日

角上魚類は鮮魚店日本一を目指す

 「角上魚類」は、新潟県長岡市寺泊の本社を置き、店舗数22店を関東中心に展開。鮮魚店の日本一を目標とすチェーンである。

 我が家に最も近いのが所沢店。正式な住所は所沢市北中2-272-1。売り場面積約138坪、レジ9台、駐車台数約100台。ちなりに青果の量販店ヤオフクがある。

 



入間市役所南手の463号線で所沢に抜ける道筋にある。仏子駅からだと約9kmほど。車では20分程か。年中無休で元旦も開いているのが特徴。元旦9~16時。2,3日が9~19時だから正月の来客にも役立ち、さらに日曜も9~19時(平日・土・祝は10~19時)。
 
 もともと鮮魚直販店としてスタートし、地元寺泊の水揚げものだけでなく、豊洲市場はもちろん、地方の漁港付帯の産地市場や産地業者から活発に仕入れ、豊富な品揃えと安さを実現しているのではないか。



























 正月商戦は量的なジャンボ販売が中心だが、まず寿司は松5,200円(40貫)、竹4,200円(31貫)、梅3,200円(24貫)。刺身は高品質で12点盛り6,000円、9点盛り5,000円、7点盛り3,000円である。マグロのみの切り身は大トロ100g1,700円、中トロ100g960円、赤身100g950円とか620円。並べるのを待って飛ぶように売れて行く。その他タラバガニが800g8,300円、600g6,300円、500g5,000円である。
















 
















  ここではジャンボパックだけでなく、どの部門も少量バックもあり、惣菜の品揃えも豊富だ。例えばエビなどの海鮮丼の580円といたものもある。

 

2023年4月29日土曜日

WBCや大谷翔平に見る日本人の素晴らしさ―逆の面の自覚も

 

                   

野球のWBCやサッカーのワルドカップを通じ、日本人の①事後の会場や選手控室の清掃・整理整頓のすばらしさ、②対戦相手や仲間、観客への礼儀のすばらしさ、③選手の練習の徹底やその指揮者の科学性のすばらしさ・・・などが評価された。 

 だが日本人といっても、スポーツ選手とその観客への尊敬に酔いしれているだけではダメだと思う。日本人全体を必ずしも含んでいない。観光面でも「日本はどこも清潔」「日本人はどこでも親切にしてくれた」と評判。ただ清潔といっても「ガードレール」など公共物になると予算不足で行政も手を出さずサビや苔、落書きで実に汚い。また個人は「あれは公共物だから」とだれも美化に手をださな。外人への「親切」にしても、5人に1人が人助けに積極的だと外国人は「全体が親切」に思える。現実には誰にも助けてもらえず、不安のどん底にある母子家庭や病人1人の生活者も日本にはざらに存在する。また外国人対しては、語学に不得手な日本人は質問されても「困った、困った」と逃げ、実際には親切さがあっても、行動が一致しないこともある。手真似足真似で、どうにか質問に答えようとする「積極性が不足」な日本人は多い。 

下記は身近で使われる格言のほんの10例だが、日本人の持つ弱さを現わすものが多い。格言は世渡りのコツをあらわすものが多く、たいがいは「個人が得になる選択」を教えている。ということは「社会全体とすれば損になる選択」という側面が必ず隠されている。 

1.    赤信号 皆で渡ればこわくない

2.    石橋をたたいて渡る

3.    和をもって尊とする

4.    出る杭は打たれる

5.    寄らば大樹の陰 

6.    長いものに巻かれろ

7.    触らぬ神に祟りなし

8.    知らぬが仏 (やや異なるが:知らぬが花)

9. 沈黙は金なり

10. 衣食足りて礼節を知る

 例えば最初の「赤信号、皆で渡れば怖くない」は、約束ごとの青信号を無視し赤信号でも多数が渡れば、自動車等が突っ込むことはなく安全・・・ということ。これは中国ではやった言葉で、日本ではすでに死語に近いとされる。しかし、赤信号を選挙の「無投票」(民主主義の破壊)とすると、現在のように「選挙に行かなくても、それが多数ならば個人の名誉も失墜せず、自身の立場は安泰」との考えが広がり、ますます無投票が増えているのが日本ではないか(衆議院選挙を見ると昭和42年に無投票26.0%だったものが、令和3年では44.1%に)。面倒で、かつ自分の損得に直ちに関わってこないものには無関心・・・これも日本人の負の特徴である。 

 「石橋をたたいて渡る」は物事に対し、慎重のうえにも慎重に当たることだが、なかには「たたいて、なお渡らない人」も多いのが日本人である。慎重すぎれば、科学技術や経営における革新を阻む要因になる。 

 「和をもって尊とする」は、集団の各人が仲良く団結してこそうまく行く・・・の意味だが、反対の極にくるのが「出る杭は打たれる」ではないか。和を優先するあまり各人が批判めいたことを一切言わない。外国では「ずばずばと本音を主張する」のが当たり前の国が多い。「日本人はなかなかしゃべらないので、何を考えているのかわからない」は、多くの外国人の感想だ。本音を言わなければ、暴走や独裁も生まれ、組織の発展を阻んでしまう。つい最近のシャンソン化粧品バスケット部員の大量脱退騒動なども、その一例である。 

もめそうなことには意見を言わない、態度を示さない・・・姿は、「知らぬが仏」「沈黙は金なり」「触らぬ神に祟りなし」にも通じるものがある。和は各人が自由にものを言える雰囲気や、もめごとにも積極的に参加する中で、形成されなければならない。多くが人が持つ従順さは、日本人の大きな欠点とみなすべきである。 

「寄らば大樹の陰」は力のあるものの傘下にいれば、身が守られる意味だが、「長いものには巻かれよ」とか「虎の威をかりる狐」に通じる。金の力、会社とか団体の権威の力から解放されることのない、一部日本人の短所でもある。やはり一人一人が勉強と実践を通じて個を磨き、1人1人がそれなりに自立した人格になっていくことが重要なのではないか。 

「衣食足りて礼節を知る」とは経済的にも満ちたりてこそ、礼儀も保てるとの意味だ。これは実態をよく表し、個人の損得と関係していない。一方で「武士は食わねど高楊枝」という諺がある。武士はたとえ貧しくとも、充分食べているかのように楊枝を高くくわえ威厳を保て・・・との意味だ。こちらは理想像を示し、私もそうありたいと努力してきた者である。自由業を長らく続け収入は不安定、時にお祝金、弔問金を考え、金銭的な礼を尽くせぬことも多かった。日本人は、礼節の面ではこだわる人が圧倒的に多く、WBC等での大谷ほかの選手、応援団の評価が高いのも当然である。 

ところで日本人の礼節へのこだわりは、徳川260年のなかで形成されたように思う。戦国時代であれば知略や武術に強けたものが評価された。ところが、戦争のない徳川時代では術に長けていても役立たず。武道の道の部分→礼儀作法の良否は人格の表れ→武術でなく人格が人を動かす力となる・・・との理解が進み礼儀がより重視された。この流れは町民にも伝わっていったのでは。明治以降は、特に体育活動の中でこの礼節が重視され(柔道・剣道などは礼に始まり礼に終わる)、スポーツをやる人は礼儀をより多く身に着けてきたように思う。大谷翔平さんは両親、兄や姉(いずれもスポーツに関与)からも多くを学び、その頂点にいるのではと思う。 

  





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2023年4月25日火曜日

幸福度日本一の鳩山町ー学ぶもの多数あり

     独自の工夫と町営の農産物直売所もある街

写真① 瀟洒な街並みの鳩山ニュータウン

・・・この「街の幸福度ランキング」調査は、大手建設業者の「大東建託」が調査を2019~21年に実施し、全国47都道府県1883市区町村に住む20歳以上の男女約52万人が回答した。「非常に幸福だと思う」から「非常に不幸だと思う」まで10段階で評価してもらい、50人以上から回答があった1237市区町村を対象に、平均点でランキングを作成したもの。鳩山町では78人の回答が集計され、それだけに信頼度の高いものと言える・・・

鳩山町は入間市や狭山市の中心部から国道408号を北上し約25kmのところに位置する。人口15,000人というから、私の住む入間市の10分の1ほどに過ぎない。高齢化や人口減少も進んでいる。それでいて、「幸福度日本一の町」になっている。鳩山町はなぜ日本一なのか?

1.居住者の同質性で幸福を再生産

鳩山町は、東武東上線の高坂駅から車で15分ほど、埼玉県のほぼ中央の位置にあり自然林の緑も多い丘陵地帯。だが「陸の孤島」と言われることもある。川に沿いに田があり、一段高いところは畑。広い耕地がない兼業農家地帯・・・農業経営体176のうち副業的経営体が78%。しかし周辺部の川越市や坂戸市など工業団地も多く、就業機会も多いため豊かな兼業農家の地区と見て良い。

こうした兼業農業地帯だが、1974年以降、丘陵地の一つに高級住宅といえる敷地50~60坪の瀟洒な鳩山ニュータウンの分譲が開始され、広大な戸建て団地(約3,300世帯)が形成された。そして高度成長期に生まれた豊かな中間層が、緑多い環境にあこがれ移り住んだ。鳩山町の人口は令和5年1月現在13,151人だが、鳩山ニュータウンの人口が6,725人で51.1%(世帯数では53.9%)、その他地域が48.9%で、ほぼ半々の状況にある。

ニュータウンの居住者もすでに50年前後過ぎ、多くは年金暮らしにはいっているが、豊かな年金暮らしをしている人(企業年金というプラスαあった時代に勤務)が多いと考えられる。そして「ゆったりとした敷地、緑濃き地区で、老後ものんびり生活をエンジョイしたい」という共通の夢を描いてきたはず。生活レベルと「環境への憧れ」の両面で同質性が高く、お互いを理解し合える立場にあり町会活動も活発で、「陸の孤島」という環境に負けないよう協力し合っていることが、幸福度の高さに通じるものと思う。

鳩山町には緑の濃い樹林地帯が多数あり、緑に囲まれた神社仏閣も23ほどあり、古代・中世等の史跡も7つと豊富。公園や景勝地も7ケ所、5つのゴルフ場も5つ、大学も2つ、地球観測センターもある。町が運営する貸農園(1区画100㎡で年6,000円)も142区画ある・・・老後の楽しさを探すのに不足はない。

豊かな兼業塗業地区と豊かな戸建て団地。幸福感というものは、生活レベルやライフスタイルに格差がないときにお互いを理解し合え、幸福感も生じるものである。一体感があれば、市町村や町会の活動にしても、改善方向が打ち出しやすい。仮に2つに分かれた母集団であったとしても、母集団が半々であれば改善策も「譲り合いの精神」で受け入れられやすく、良いと思うことを実行に移しやすい。実際、高齢化に負けず鳩山町は良い政策を次々と打ち出し、幸福感を再生産しているように思う。 

2.デマンドタクシーで足を確保

鳩山町は陸の孤島だが、実際には団地と高坂駅を結ぶ川越観光のバス便は、1時間に6便の時間帯もあり、1日72便もある。このため通勤・通学には大きな不便はない。だが、買い物の利便性では劣る。団地の中央部に小型の西友ストア(レジ4台、駐車場44台)、コンビのファミリーマートと約10店ほどの理髪店、美容室などの専門店があるが丘の頂上部に当たる。丘陵の裾野にスーパーのベイシア、他にJAの農産物直売所も2ケ所がある。町全体がいくつもの丘陵からなり、多くは坂道でつながり徒歩客には厳しい状況にある。 






写真⓶ ニュウータウン中心にある西友ストア




写真③ 西友前の商店街

10数店中6店にシャッター。心配になるところ。

このハンディーに対して思いやりの精神が働き、町内であればどれだけ乗っても200~600円の「鳩山町デマンドタクシー」が2009年から運行されてきた。町民が予約電話を掛けると、どこにでも来てくれる。AIが4台のタクシーの位置から迎車時間を瞬時に計算し、オペレーターが車を手配する。町外の病院などへの運行便もある。 

坂道が多ければ、交通事故も起きやすい。ここでも町と町民が一体となり、「交通事故ゼロの町」を高々と掲げ、2009年以来交通事故ゼロを達成もしている。この事故ゼロも安全・安心を保証し、幸福感を支えていると見る。 

3.健康長寿のため多種の努力

年をとっても元気で健康なことも、幸福度に通じるはず。このための町の努力も抜群である。鳩山町は2009年から、東京都健康長寿医療センターとの共同研究などにより、健康長寿の秘訣を「運動、栄養、社会参加」と分析し、健康寿命を延ばすための取り組み「鳩山モデル」を推進してきた。 

連携協定を結ぶ大東文化大スポーツ健康学部(埼玉県東松山市)が町民向けに筋力トレーニング教室を開き、女子栄養大(埼玉県坂戸市)が食生活改善のためのセミナーを開催。町民の有志が「健康づくりサポーターの会」を組織し、町内4カ所で健康教室を毎週開き、30~100人が集まって筋トレなどに継続して取り組んでいる。(町の資料引用)。 

この結果65才を基準とした余命の調査では、鳩山町男子は22.3才で埼玉県1位、女子は24.2才で20位(1~20位の差は微少・・・健康寿命では女子も2位。ちなみに男子は1位)。

4.子育て対策も優等生

  長寿化すれば、高齢化は当然進む。鳩山町の令和5年1月現在の65才以上の割合は、実に46.5%で、近々半数を超える。高齢者からしても子供が増え、子供の元気な姿や声を聴くことが、幸福感に通じる。鳩山町では子育てにも力を注ぎ、県内で最も早く「地域子育て応援タウン」に認定されてきた。 

私立の保育所も町内に二つあり、待機児童は2004年以来ゼロであり、2018年以降を見ると、入園希望者164~169人に対し、受け入れ可能数は202人と受け入れの余裕を持続している。このほか放課後に児童を預かる学童保育園も2ケ所あり、さらに6年生以下の病気やケガのお子さんを預かり、働くママを応援する施設が「ひばり保育園」というところに併設されている。ここには「ひばり子育て支援センター」「つどいの広場ぽっぽ」「子育て世代包括支援センターぴっぴ」といった施設もある。また地域全体で3ケ所の子育て支援の拠点もあり、妊婦や子育ての悩み事の相談やサポートし、子供を持つママさんたちの交流の場にもなっている。 

  子育てに対する経済的な支援も、また充実している。まず①国民健康保険の被保険者が出産する場合、42万円が支給される。②中学3年までの子供がけがや病気で診療を受けた場合、医療費は無料である。⓷生後3ケ月以内の赤ちゃんを持つ家庭は、保健師や管理栄養士、助産婦が訪問し、家族全員のケアーをしてくれる、④乳児検診、1才6ケ月検診、2歳児歯科検診、3才児検診も無料で実施している。 

5.町の発展策も充実―空き家対策や起業も

    ところで、「町が年々高齢化して行く」といった状態では、住民の幸福感は生まれない。高齢化の著しい鳩山ニュータウンの活性化のため、今日のニーズだけでなく将来のニーズを考え、基本計画を作成し様々な事業を展開している。2014年には閉店した日用品販売店舗の跡地を町が買い取り、鳩山町コミュニティ・マルシェを建設、次の5つの窓口活動が行われている。

   移住推進センター約80㎡(空き家バンク) 増えつつある、売りたい・貸したい空き家の登録をし、HPで宣伝し移住希望者の相談に乗る。現在だけでHPには10の空き家物件が紹介されている。

   ふくしプラザ約140㎡ 地域福祉活動、ボランティア活動、各種相談活動、地域見守り活動の拠点。無料で利用できる。

   まちおこしカフェ約110㎡ 地元での起業、地元振興に通じる各種取り組みを支援。地元や提携市町村の特産品の販売、これ等を原料とした飲食物の販売・提供を支援。

   シェア・オフィス約70㎡ 全部で8室あり、仕事や学習の場を提供し、物つくり等の起業を支援。1か月の継続利用も可能。

   研修室40㎡ 各種資源を活用した多世代の活躍を促すための、各種研修会を開催する場。

   その他約346㎡












写真④⑤ 数百点もの町民のオリジナル商品がカフェを取り囲む

 マルシェを訪ねると広いカフェがあり、この施設で開発された各種ケーキがずらり並び、客席のあちこちに1~4人組の客がくつろいだり会話を楽しんでいる。そして客席を取り囲み、地場の野菜の直売コーナーもあれば、各自の家で制作し持ち込まれた数百にも及ぶアクセサリー、バック、衣料等が所狭しと並んでいる。売れ行きの方はパットしないように思うが、趣味で始めたものを商品化し、起業に結びついていく入り口として貢献しているように思う。奥の福祉プラザの席には、地域の安全を守るボランティアの人が10数人も休憩していた。

6.兼業農家を支える農産物直売所

すでに触れてきたが、兼業農家中心の地区であるが、新たな農業参入にも力をいれている。それが「担い手農業者育成塾」である。原則として18歳以上60歳未満で基本的な農業知識を持ち、研修修了後に鳩山町内で就農する意思がある人を対象にした農業経営技術研修だ。2年間の研修中に有機農法による水稲・野菜などの種まき・育苗から収穫、出荷調整までを学べる。(市発表文書より) 

また鳩山町はトカイナカ(都会と田舎の交わる地区)であり、こうした立地は農産物販売所の適地でもある。消費者が来やすく、生産者としては市場ルートの大量出荷でなく、少量出荷がしやすい。早朝出荷すればよく、兼業体制でも乗り切れる。




写真⑥ JA埼玉中央の鳩山農産物販売所



写真⑦⑧ 町営の上熊井農産物販売所 

地元の南はずれにはJA埼玉中央の鳩山農産物販売所の鳩山支店がある。9:30~18:00時の営業、売り場面積200㎡、駐車50台。出荷者は80人程で、美味の会の加工品、うどん弁当、赤飯、田舎寿司など個性品が販売されている。地場産のお米も5キロ1,400円からと安く、精米してくれたもの購入してきた。 

いま一つはやや山手にある鳩山町上熊井農産物販売所で、愛称「ちょくま」である。町の条例で運営され、管理者は各地の異なるニーズを開発し、多数の企業を傘下に持つ株・グッドスタッフという会社。9;00~17時の営業で、60台の駐車。出荷者早く80人。特徴は売場スペース200㎡のほかに、農業の6次産業化の要請に沿うため、8~53㎡の加工場4部屋を持ち、利用料を払えば利用可能。加工だけするなら1時間700円、加工と直売所での販売をする場合は1時間500円。保管庫も豊富でこれも廉価に借りられる。外にも360㎡のイベント広場もあり、車1台6,000円を払えば、広場でイベント的な販売もできる。 

管理主体を担う株グッドスタッフは、様々なニーズにこたえる実務コンサルタント会社とも言え、人材派遣会社も含め数十の系列会社を持っている。運営は運営のプロに任せる・・・が町の方針のようだ。だから、運営もユニークである。買った品をその場で食べられるイートインの広いコーナーがある。

ニュータウン住民を支えるのがコミュニティ・マルシェなら、農業者を支えるのが農産物直売所だ。なぜなら、兼業農家は自家用の消費も考え、少量・多品種栽培をしている。市場出荷と異なり葉物でも10把、20把の出荷が可能。夕方収穫し夜や、早朝にパケージをしておけば、朝は直売所に行、前日の売れ残りを引き取り、新しい品の値札を作り決められた各自の陳列台もでき、大規模出荷の市場出荷よりも、小口の出荷ができる直売所が向いているからだ。

以上見てきた通り、鳩山町は町と町民が「こうしたい」と思うことを、次々と実践してきた。町の広報誌も4ケ月分を読ましてもらったが、2022年11月号では4ページにまたがり「交通事故継続日数5000日達成」の特集が組まれ、12月号では2ページの「鳩山町独自の支援事業」、2ページの「はとやま祭り」の特集、2023年1月号では5ページの「鳩山中学校生徒の紹介」の特集が、沢山の写真入りで紹介されている。町民全員が読みたくなる内容なのだ。皆が町の行方に関心を持ってこそ、思いやりの気持ちも生まれ、一体感による幸福感も増大する。私の住む入間市の広報誌が、連絡事項のオンパレードというのとは大違いである。ここらの違いを入間市は大いに反省しないと、市民の幸福感の増大は不可能である。

7.幸福度の未来にかげりも!

この鳩山町の幸福度にも、「かげり」がないとは言えない。幸福感を支えるものに主体的な経済要素(主に所得)があるが、それを取り巻く他動的な環境要素もある。大きく分けて①自然環境、②通学・通勤環境、③買い物環境であるが、①②は今後も変化が比較的に少ない部類だが、⓷は大きな変化が予想される。

高齢化すればするほど、毎日の食に楽しみを求め、生鮮好みの小刻みな買い物もする。ニュータウンについては、食料品や日用雑貨に強い「頼れるショッピングセンター」と言えるものがない。西友は売場面積580㎡、レジ4台、駐車場44台の小型のスーパー。そのうえ丘の頂上部にあり、徒歩や自転車での買い物が困難なエリアが多く、これまでは車で2~3キロほど先の超大型のスーパーであるベイシアや、坂戸方面のスーパーに車で流れる人が多かった。このため人口減少もあって(17年間で27%減)、西友は別として、向かい側にある10数軒の専門商店街も斜陽化野の一途をたどってきた(6軒はシャターを閉めている)。

ニュータウンのばあい、宅地分譲が開始されて以来すでに50年。40才以上で家を建てた人も今では80才以上。30才以上で建てた人でもすでに70才以上。運転免許の保有率となると、全国平均の話だが80才以上の男子が45.6%、女子となると5.5%だ。これは50~60代の男子の保有率約95.0%、女子の保有率約64.8%の各1/2位下、1/11以下という数字である。今後、買い物に不便な家庭が急増してしまう。事実、ニュータウンのわずか数人に聞いただけだが、「西友の存続を心から願う」「野菜他生鮮品の良いものを求め、コモディ・イイダなど他所に流出しているが、車に乗れなくなればどうにもならない」と不安をはっきりもらしていた。

私は50年近くスーパー関係のコンサルタントをし、20都府県の計350地区でスーパーの出店調査もしてきた。東京八王子の丘陵地帯に林立した古い高層団地地区では、今から25年以上前に高齢化による消費の減少でスーパーの撤退が起き、「どうするか」と心配で一杯の地区が多数あった。鳩山町も「令和6~10年問題」ともいうべき高齢化問題が深刻になる。いま65才以上の高齢者の割合は、すでに人口全体の46.%に達している(令和5年3月1日)。5年度の末には50%前後になる。

配達主体の生協もコープ未来、パルコープ、生活クラブ生協等と複数ある。この生協を併用するのも一方である。しかし青果・鮮魚・精肉・惣菜といった生鮮4品は、品目の選択幅が狭く、かつ「生きのよさ」を得るのは難しい。とすると西友ストアーに生鮮の強化をお願いし、同時に生鮮主体の移動販売や宅配の機能まで担当してもらい、移動販売車や宅配のバイクは町が保有しリース形式にして、かつ全町を対象とし運行し、収益の上げやすい体質の店舗を作るといった創造性が求められる。

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2023年4月23日日曜日

畜産は縮小(畜産統計)・・・飼料高でさらに

 令和4年2月の統計でも、各畜種とも縮小傾向。


表―1 畜産の動向-2022年(令和)4年2月1日「畜産統計」

 (  )は前年対比の増減%

表―1 畜産の動向-2022年(令和)4年2月1日「畜産統計」

 (  )は前年対比の増減%

畜種

飼育戸数

減少数

飼育頭羽数

減少頭羽数

1戸飼育数

乳用牛

 

13,300

-500

(-3.6%)

1,000-

-15,000

(-1.1%)

103.1

肉用牛

 

40,400

-1,700

(-4.6%)

2,614,000

9,000

(0.3%)

64.7

 

3,590

-260

(-6.8%)

8,949,000

341,000

(-3.7%)

2,492.8

採卵鶏

 

1,810

-70

(-3.7%)

13,729

-3,406,000

(-2.4%)

75,900

ブロイラー

 

2,100

-60

(-2.8%)

13,923

-428,000

(-0.3%)

66,300

ブロイラー

出荷

2,150

-40

(-1.8%)

71,926

-5,425,000

(-0.8%)

375,000

 どの畜種も微減傾向にある。ロシアのウクライナ侵攻開始が令和4年(2022年)2月24日であり、穀物相場→飼料の急騰が起こる前の統計である。ために微減にとどまっているが、その後の飼料急騰はものすごく、1年で表―2のとおり20%前後である。高止まりの傾向はあるが、飼育頭羽数はこの一年に急減していると思われる。特に養鶏&ブロイラーは、鳥インフルエンザの影響でさらに大幅減が予想される。 

 いずれにしても、飼料の高騰は1.円安による輸入原料の高騰、2.石油ほかエネルギー不足による輸送費、加工費の高騰、3.ロシアのウクライナ侵攻による穀物生産や輸出の減退、4.中国のが穀物の輸出国から輸入国への変化・・・など、多様な要素からなり、一時的な高止まりで気を許してはいけない問題。

表―2 各種配合飼料小売価格  トン当たり:円

年 月

成鶏用

ブロイラー成鶏

若鶏

育成用

乳牛

飼育用

肉球

飼育用

20222

95,380

84,540

79,780

84,330

79,350

20232

115,100

102,200

95,460

99,220

94,770

23/22年比

120.7%

120.9%

119.7%

117.7%

119.4%

 どの畜種も微減傾向にある。ロシアのウクライナ侵攻開始が令和4年(2022年)2月24日であり、穀物相場→飼料の急騰が起こる前の統計である。ために微減にとどまっているが、その後の飼料急騰はものすごく、1年で表―2のとおり20%前後である。高止まりの傾向はあるが、飼育頭羽数はこの一年に急減していると思われる。特に養鶏&ブロイラーは、鳥インフルエンザの影響でさらに大幅減が予想される。 

 いずれにしても、飼料の高騰は1.円安による輸入原料の高騰、2.石油ほかエネルギー不足による輸送費、加工費の高騰、3.ロシアのウクライナ侵攻による穀物生産や輸出の減退、4.中国のが穀物の輸出国から輸入国への変化・・・など、多様な要素からなり、一時的な高止まりで気を許してはいけない問題。

   今後も飼育頭羽数を微減レベルに維持するにはどうするか・・・極めて難しい課題である。当面、農水省の飼料対策を理解し、その補助対策を十分に生かすことだが、生産者自らも「国内自給率の向上」に向け最大の努力をすべきだと思う。

   その対策の中には、1.飼料米の増産、2.飼料作の増産、3.飼料資源の開発・・・3の中には、①作物そのものの残渣、②食品工場で出るカスや不良品、③家庭や給食センター、飲食店等で出る食品残渣、④未利用の植物・動物由来品など・・・があると思われる。

全体に畜種に通用しなくとも、特定畜種の飼料になれば、他畜種への負担軽減になるはず。近所の食品工場や給食センター等があれば、訪ねて見る必要がある。食品残渣については90度c以上、60分以上の消毒が義務になっており要注意である。 

政府の対応 ネット情報原文のまま

1.配合飼料価格高騰緊急特別対策

配合飼料価格の高止まりによる生産者の実負担額増加を抑制するため、令和4年度第3四半期に引き続き、配合飼料価格安定制度による補塡金とは別に、令和4年度第4四半期に、生産コスト削減等に取り組む生産者に対して補塡金を交付します。
【補塡単価:配合飼料8,500/トン】
【交付タイミング:生産者に対し、速やかに交付手続きが行われた基金団体を通じ、価格安定制度による第4四半期の支払いとは別に、令和55月末以降、特別対策の補塡金を順次交付予定】

2.国産粗飼料利用拡大緊急酪農対策

生産コストの削減や国産粗飼料の利用拡大に継続して取り組む酪農経営に対し、購入粗飼料等のコスト上昇分の一部に対する補塡金(経産牛1頭当たりに換算)を交付します。
【補塡単価:都府県10,000/頭、北海道7,200/頭】

【交付タイミング:事業実施主体に対し、速やかに交付申請手続きが行われた農協等を通じ、生産者には令和55月末以降、順次交付予定】

3.配合飼料価格高騰緊急対策事業

令和5年度以降、配合飼料価格の高止まりが継続し、制度の仕組み上補塡が急減することで、飼料コストが急増することが懸念されるため、一定期間に渡り連続で補塡が続いた後の配合飼料価格の高止まり等の場合に、飼料コストの急増を段階的に抑制する「新たな特例」を制度内に設けて、生産者に補塡金を交付します。
【新たな特例の概要】
<発動条件(トリガー)>
2
年(8四半期)連続で補塡が発動している
異常補塡が発動しない等
<補塡額の算定ルール等>
基準輸入原料価格の算定期間を直前1年間の平均から2.5年間の平均に延長
補塡額の上限を設定(前四半期の3/4
民間(メーカー・生産者)の拠出を条件

お問合せ先

1.配合飼料価格高騰緊急特別対策

畜産局飼料課
代表:03-3502-8111(内線4856
ダイヤルイン:03-6744-7192
2.国産粗飼料利用拡大緊急酪農対策

畜産局牛乳乳製品課
代表:03-3502-8111(内線4932
ダイヤルイン:03-3502-5987
3.配合飼料価格高騰緊急対策事業

畜産局飼料課
代表:03-3502-8111(内線4856
ダイヤルイン:03-6744-7192