日本政策金融公庫の「農産物直売所に関する消費者意識調査」(H23年11月インターネット調査。20才以上の全国の一般消費者1,025人)は、極めて多数の項目の調査がされており、直売所関係者必須の資料である。
これまで、HPや店内におけるPOPで、何に重点をおいて書けばよいか?の指針はなかった。だが、「直売所にある商品説明やシールへの記載要望内容」(複数回答)は、この点の指針となる。無料の公的ポータルサイトのSEICAカタログ(野菜、果物、米等)であれば、下記の調査要素の総てを表現できるが、直売所としてはHP向けの要素、POP等で売場で訴求すべき要素・・・と、ある程度分けて考えるべきだろう。
POP等の説明要素
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支持率
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料理方法
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30.1
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賞味期限等の鮮度情報
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28.2
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農薬や肥料の使用量
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22.6
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味など商品の魅力
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18.6
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生産地
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17.0
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農家のこだわり
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15.9
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生産者氏名・住所・連絡先等
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12.2
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栽培方法
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10.8
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売れ筋ランキング
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10.1
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商品の栄養成分
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8.1
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アレルギーに関する情報
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5.1
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その他・特にない
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31.5
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いずれにしても生産地、生産者氏名は直売所の場合、ほぼラベル表示でクリアーされている。住所・連絡先が分からなくても、直売所では把握できていて、追跡(トレーサ)可能である。
また売れ筋ランキングはHPで広く伝えるべきことだ。 道の駅付帯の直売所ではランクを公表していることもあるが、 今後は「たまに」ではなく、確実に打ち出すべきだろう。だが前年実績を打ち出すなど、季節を先取りした情報でないと、来る人の利便につながらない・・・後の祭りでは、顧客をがっかりさせるだけである。
当方もPOP作りについては、実際に手伝ってきたが、外部の人間が書けるのは料理法、栄養成分、アレルギー情報等である。本など見ればどうにか分かるからだ。だが、その支持率は合わせて43.3%である。
これに対し、鮮度情報、農薬や肥料の使用量(有機農業の程度)、味など商品の魅力、農家のこだわり、栽培方法は合わせて96.1%にもなる。これらについては、農業を実際にやっている出荷者しか正確なことが書けない。(減農薬・減化学肥料のエコファーマーなどの表示は、1人1人が競うくらいでないと、顧客の要望に沿わない・・・22.6%の支持率。トレーサビリティ全体については、店側が一括表示したり、記録簿全部を見せて行く姿勢が必要である)。
以上を考えると、POPを直売所側が一括作成するにしても、文案については出荷者自らが充分書きこんだものを作り、そのポイントを的確に表現しPOP化する必要がある。出荷者はこの前段の努力なくしては「売る資格なし」とさえ言える。スーパーに並んでるメーカー品は、POPはない代わりに包装資材にアイキャチャーや調理法が表示されている。これに近づかないと信用は得られない。
POPを書きなれていない人もいるのが普通である。たとえば1枚100円で店側が請け負い、ラミネート加工やセルに挟み、シーズン通して使用するなどの支援システムも必要になる。
もうひとつ「農産物直売所に望むサービス・イベント」(重複回答)についても紹介しておこう。上記とダブル要素も結構あるが・・・
表のように、試食の提供>レシピの提供>農薬・肥料ほか生産方法等の説明>チラシ・HP・メール等による情報提供>ポイントカード・・・などが上位だ。だが試食やレシピの提供など、ほとんど実施していない例が多い。
毎日6~7品の試食を実施しているのは、茨城県の「みずほの村市場」くらいで、あとは1~2品の試食を実施している例にたまに出あう程度である。ニーズとの乖離がありすぎる。「美味しいですよ」とPOPで謳っても、実際に食べさせなければ判断できない。
季節の走り品、珍しい新製品などを中心に、毎日3点、5点と目標を設定し、ゆでたり、油でいためたり、焼いたり、ドレッシングや浅漬けの素を掛けたりした試食品を出して行く必要がある。①出荷者が持ち回りで試食品を無料で出す、②費用を店・出荷者が折半して出す・・・などルールづくりも必要である。
サービス・イベンの要素
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支持率
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試食の提供
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42.6
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レシピの提供
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25.5
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農薬・肥料等の生産特性
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24.6
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HP等による営業・商品・価格
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18.7
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ポイントカード等のサービス
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15.7
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郵送・宅配サービス
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11.3
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抽選会等気軽なイベンと
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10.6
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料理教室等食材の利用法
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5.6
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農業体験教室等のイベント
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5.4
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特になし
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27.3
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注目すべきは、「商品の郵送・宅配サービス」を希望する人も11.3%もいることだ。仮に宅配ゼロの店が宅配に取り組めば11%ほどの売上げ増も可能になる。もはや地産・地消だけでは発展できない。「他消」まで加味することが、顧客の要望でもあるのだ。
近藤・支援内容
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該当時間
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1.農業のマネージメント講座
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3~7時間
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2.農産物のマーケティング講座
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3~7時間
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3.農産物直売所の新たな発展策講座
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3時間
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4.直売所・顧客視点の販売促進講座
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3時間
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5.主婦の食のライフスタイル講座
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3時間
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6.直売所顧客調査(200~300人)
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2日16時間
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7.直売所の総合診断
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2日10時間
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8.農業経営総合診断
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2日10時間
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<注>講演3H7万円・7時間10万円 (交通・宿泊別)
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リサーチ30万円(交通・宿泊費別)
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講演の場合
1時間は4万円
2時間は6万円
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経営診断20万円(交通・宿泊費別)
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報告日は無料とし、交通・宿泊費別
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携帯 080-3464-2607 各種電話相談無料
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