2023年7月6日木曜日

入間市初のJA中規模直売所「いるとこ」オープン

 入間市とすれば、「ふれあい大樹」という心障者施設の直売所と並び、広い部類の直売所である!!

 JAの「いるとこ農産物直売所」が、JAいるま野入間南支店とともに6月12日(令和)に所沢徒飯能を結ぶバイパス462号線沿いにオープンした。正確な住所は入間市大字上藤沢2-1、電話04-2936-6163である。武蔵藤沢駅南口の大通りがバイパスと交差する西側の角で、東側には「スシロー」があり分かりやすい。所沢市と隣接しており「いるとこ」の名も、このためである。 

 売り場面積は5間×9間=45坪(148.5㎡)ほど。同じJAいるま野の「小谷田農産物直売所」の30坪(99㎡)より広い中規模店である。駐車場は農協の職員用を除いても90台分もあり、駐車に困ることはない。営業は9時30~17時。7~8月は閉店が18時。休みは水曜。 










 


   店舗入り口を入ると、東→西に長辺に沿い5つの列があり、一番東側は2台のレジとお米。その他4列は木製平台6尺を6台組み合わせた各島である。これらは青果(ごく一部の果物)の売り場。スーパーと異なり、入口を入ると同時に水水しい地元野菜が大量陳列され圧倒される。とにかく前日夕か当日朝に採ったものが、元気一杯に並んいる。これはスーパーにないこと。7月のこの時点ではトマト、キュウリ。ジャガイモなどは、各12人以上から品種も違えたもの出荷されており、選択性もワイドである。問題があるとすれば、出荷者みずからが「うちのここがこだわり」「料理メニュー」といったPOPが用意されていないこと。うまさまずさはシールの名前で覚えるしか手がない・・・のでチト困る。果物は地元で採れるものが少なく、出荷先も限られた12~15アイテム(最低の区分)しかない。消費地地区のJAが産地から果物を共同仕入れしていると聞く。こうした形での品揃え充実が望まれる。 


 







  


   花類は店頭西側で鉢花が売られ、この裏側に当たる店内の壁に沿い、個人や贈答用の威花が多数置かれている。桶の数にして70~80桶があり。こと切り花については万全の品揃え。価格帯も250~450円と安い。店頭の鉢花は、花壇に植えるための苗鉢が少ない。

 加工食品や菓子、牛乳・卵・豆腐などの日配品は、花を除く3つの壁面に必需性の高いものに限り揃えてある。直売所の特徴を発揮するため、「やむ得ない圧縮」である。

2023年6月8日木曜日

都市・田舎の入間市市政の問題点

 

写真① 入間市役所正面

 入間市は街並みや多数の団地地区を一皮はげば、広大な茶畑や野菜畑が展開する。野菜作りを実技指導してくれる「ぼくらの農園」もあり、本ブログと「仏子地区の再発見」のブログを合わせると12000のアクセスにもなる「入間市農業のエース―桂ファーム」もある。今から40年前の前後に大挙して首都圏通勤者が移り住んだが、街道沿いのニュー業態のチェーンも、隣の狭山市やは飯能市に比べ極めて少なく、ないまさに「とし・いなか」という感がある。

 これから書くことは、別ブログの「仏子地区の再発見」で1度は書いたことばかりだ。市当局、市職員、そして市民の方に再度読んでいただき、キラキラ光る入間市に少しでも近づいてほしいのだ。 

 これからは地域間競争の時代。地元に魅力がなければ、人口が急減しますます悪循環に陥る。私は週3回、6時半に家を出て9時半までに家に帰れる早朝バイトしていたが、この時狭山市、所沢市、川越市、ふじみ野市、富士見市、三芳町を通りすぎる。ために、他市と入間市の違いが目に飛び込んでくる。 

市民が誇りに思える街づくり

 入間市の応援団員として、「入間川あり、加治丘陵あり、広い茶畑ありで自然環境は良」、「秩父や奥多摩山系に西を囲まれ天候も良」、「犯罪も少なく治安も良」等・・・と紹介してきた。だが、田中龍夫市長―若い杉島理一郎市長と受け継がれてきたものの、この間ピカリピカリと光るものが発見できない。前の田中市長は町会や老人会にもよく来てくれた。だが市職員に、市民と交流し学ばせるという要素に欠けていたように思う。具体的対策を練るのは職員であり、現場を見て改革をしないから現場が変化しない。

 職員には入間市内をよく知るだけでなく、他市の優良事例…例えば①幸福度1位、②人口増加1位、③出生率1位、④保育児童の待機率ゼロ、⑤工場誘致の優良例・・・など毎年5ケ所程を選定し、応募者を派遣するような制度を採用して欲しい。2泊3日ほどの行程であれば、1件20万円、全体で100万円の予算をつければ足りる。現場の市町村で1日レクチャーをうけ、あと2日はレンタカーを借り、推薦された現場をつぶさに見る。帰ってからA4用紙10枚くらいに入間市の改善点を含めまとめる・・・ともかく「良いものを実地に見る」ことが早道と信じる。3日は少ないと言うかもしれないが、雑誌記者、経営コンサルタント(かつての私の職業)が現地調査するのは、たいがい数時間、長くて丸1日である。期間の長短でなく「事実から学ぶ謙虚な姿勢」が問われるのだ。 

 東武東上線の上福岡駅、富士見市駅、鶴瀬駅はともに駅前ロータリーがあり、駅から西の川越街道に向け広い道路がある。天気が良ければ富士山が道路正面に見える。上福岡駅西口広場は町会のお祭りをするほど広い。人の字をあしらった大きな彫刻もある。またロータリーの花壇は2~4m×40mほどのものが2列あり、季節の花が10種以上も植えられている。各駅のメインストリートの街路樹も大木になるケヤキを避け、ハナミズキである。街路樹の下には「お馬の親子」の音符に合わせた高さの石柱が30あまり・・・おしゃれだ。 

写真⓶ 三芳町の古民家の1つ ・・・寺子屋だった旧・島田家

小規模の三芳町(人口は入間市の1/4強)だが、古民家が2つも残され、お年寄り(パート扱いか?)3人が毎日交代で囲炉裏の火を焚き、その他の維持作業をしている。史跡維持に金をかけているのだ。古民家「島田家」(落葉農業の歴史の拠点施設)のある上富地区は「いも街道」の看板も付けられ、特産さつま芋の農家の振興にも留意している。市民が誇りを持てる街づくり・・・が,これら市町村では着々と進められ、子供も多く、毎日集団登校する沢山の児童を見ながら車で走る。 

広報「いるま」はコンセプト不在

私は2017年3月に「市活性化6つの提案」を田中市長宛てに出した。市民の声を真剣に聞く気がないのか、途中の部署でつぶされたようだ。その前の木下市長のときは「入間市・道の駅設置提案」を出し、呼ばれて当時の観光課長、農業課長が私の説明を聞いてくれた(道の駅は都心からの距離の問題で所沢市もだめに)。ところで、2017年の6つの提案とは・・・

 1編集改善で「読まれる市報」に

  ボランティア集団への助成を

3. 入間市駅附近の野外ステージの利用(本問題は直接の部署に行き、付近のマンションに対する騒音で、年間の利用が限定されていることを知った)

ホワイト・エンジェル構想(ガードレールの塗装・洗浄をボランティア団体、町会に市が有料委託。ボランティア活動の活性化もはかる)

5歴史的建造物や景観の市による指定

6. 入間川―子供さんの雑魚釣り場に 

入間市のばあい、キラリと光るものが街角だけでなく、広報「いるま」にもない。志木市、所沢市、三芳町の市報も集め写真もつけ、改善提案をしたが、「いるま」は市から伝達事項、開催行事の細かい記事のオンパレード。市が掲げるコンセプト(構想)に沿った優良事例、識者や先進市民の意見と言った「読み物」がない。結局のところ市が今何を重点に改善し、成果が上がっているか否かもわからず、市民を鼓舞するものがない。 

 写真③ 三芳町の町報ー特集は農業振興のための「落葉による有機農法」

この時集めた所沢市報は、表紙に「特集 所沢の魅力、再発見」とあり、16ページ中4ページが特集にあてられていた。志木市報も表紙に「元気!活気!志木!」とあり、「市民力―再発見!夢と未来を語れる 触れ合いあふれる志木」という特集が組まれている。小さな三芳町の町報は一段と優れていた。女性誌のようなイメージの電話をする女性モデルが表紙を飾り、これに「落ち葉の恵み」と黒い大きな文字が書かれ、20ページのうち6ページがこの特集に裂かれている。落葉農業については、本ブログでも「落葉農業の三富新田史跡保存に学ぶー三芳町」として詳しく紹介している。ぜひ読んで欲しい。農業も大切に育て町の産業振興に役立たせる・・・との明確なコンセプトが読み取れるのだ。 

(追記)2023年度から市報も「IRUMA」となり、特集記事が巻頭を飾るようになり、提案が受入れられたように思い喜んでいます。  

観光資源の再発見

私の提案の5.「歴史的建造物や景観の市による指定」は、観光政策への提言である。新市長の「入間市RISE UP 宣言」のなかで、「入間ゲートウエイ構想による観光戦略」を打ち出している・・・都心から近い立地を生かし、新たな魅力を作るため、具体的には入間インターチェンジ周辺の渋滞対策と観光PRを実施し、入間市5駅の魅力度アップによる新たな賑わいを創出するとともに、メディアを活用して発信力の強化を図る・・・とある。 

これまたキラリと光るものがない。インターの渋滞を解消すれば超広域集客のアウトレット客が少々増えるかもしれないが、入間川や加治丘陵、茶畑などの自然と接する客は主に電車で来る。イチゴやブドウの観光農園客は都内から一般道に沿いに車で来る人がほとんど。高速道路は関係ない。仏子―加治丘陵、金子―茶畑、元加治―阿須運動公園へ行く道や改札口の整備がうたわれているが、縦一列で歩くのだから今の道で十分である。 

5駅の活性化でにぎわいを復活・・・とあるが、入間市駅前には武蔵野銀行の閉店も含めれば3店の空き店舗だ。新規開発だった武蔵藤沢駅でも南口の商業集積は完全に失敗している。駅前商店街が発展するには、駅が高架になり線路と直角に交わる道路があり、線路をの両側から集客できる広い商圏が必要。西武線の場合、加治丘陵のふもとを走り、かつ線路と交差する道路もない。山手側の住宅密度も少なく、仮に交差道路があっても商圏は広がらない。駅前広場や駅前幹線道路もなく、地形的にも平らでない。

こんな状態で駅前の再開発をしても、駐車場も広く取れないし、通勤・通学客ががた減りしている今日、多くの集客を望めない。再開発は投資のムダ使いに終わる。どの地域も住宅地のスーパーに買い物の拠点が移っており、その周辺の再開発こそが望まれている。

またメディアの活用というが、訴えるべき観光資源が数、質とも不足しているように思う。基礎的な宣伝手段の案内看板なども大幅に不足し、宣伝の基礎ができていない。このため以下を提案する。

   観光資源ともいえる歴史的建造物、景観というものを再発掘し、その数を充実させる。

   駅や駅構内や広場の案内看板、道案内の看板も充実し、歴史的建造物にはビディオなどによる説明機能(有料の)もつける。

   関係者がアイデアを持ち寄り、観光資源をブラシュアップで現場に金が落ちる仕組みを構築する。 

観光資源の再発掘だが、地元生まれの人からすると、当たり前の風景や建物も、都会育ちのもの(私は神田生まれの東京杉並区育ち=50年)からすれば「珍しい」ものである。仏子に移り住んで、直後から仏子・野田地区の養蚕用の煙出し楼のある旧家、瓦屋ぶきの門、板塀、そして沢山あるお寺などを、馬鹿チョンカメラで撮り回ったものだ。都会人からすれば、これ等も珍しい観光資源なのだ。だが、その最寄り駅構内に案内図もないし、説明看板も皆無。そうこうしているうちに、煙出し楼も3件のうち1件は消えた。板塀もあちこちで消えた。仏子・野田地区は昔、機織りで隆盛をきわめたが、アミーゴにその片鱗が残されているものの、住宅地に旧・機屋の姿はない。歴史を物語るものは、ほっておけば消えてなくなってしまうものだ。小さな町の三芳町等とは大違いだ。 

入間市のRISE UP 宣言では川越市の成功例も参考に、レンタルサイクルの普及も考えているが、川越は見て回るお寺などが商店街の周りに散在、事業所も多く、レンタルサイクルを利用する必然性が高い。入間市は加治丘陵のため坂道も多いし、市全域に「訪ねるに値する史跡や景観」が少ない。観光資源を再発見して準備しないと、レンタルサイクルも画餅に終わる。珍しい食べ物の店、古くからの味噌や醤油作りの工場、先進農場(ぼくらの農園、桂ファーム、有機農法の加藤ファーム、日本一高価な茶の比留間園、有機茶の増岡園等)、イチゴやブドウの観光農園、農産物直売所、見学のできる工場なども発掘し、観光資源にする必要がある。 

 観光資源のブラッシュアップ

大切なのは資源を金の稼げる姿にブラッシュアップすることだ。「加治丘陵や茶畑を中心とした観光ゲートウエイ構想」にしても、実際には金子駅にかろうじて茶畑や登山の案内看板あるものの、入間市駅や仏子駅の構内や駅広場にジョンソンタウン、彩の森公園、旧石川組製糸西洋館、旧黒須銀行、旧繁田醤油・・・いったところの案内看板も、道路標識もない。これらに行き着いたにしても、ガイドさんがいるでもない。誰もいなくても、映像案内機が設置されていて200~300円投入すれば映像と音声で案内してくれるようにすれば、収入もある程度確保できる。

写真④ 旧・黒須銀行・・・日頃は内部は見られない

「入間市観光ガイド制度」を創り、定年を過ぎたシルバーを対象に養成をすれば、20人やそこらの半日単位の雇用も生まれる。 

 加治丘陵と茶畑の景観も一体に考えないと価値が出ない。今、キャンプブームで、野田の河原にはゴールデンウイークになると時に25~30ものテントが張られる。ところで加治丘陵にキャンプ地を設けるのは落雷や山火事の恐れや、水や食料の確保の面で不適である。山を下った金子の茶業農家は、広い庭地を持つし、普通の畑も残っている。茶畑と桜台展望台を共にアクセスできる基地として、①茶業者ごとに10張分ほどずつ、計100張も可能なキャンプ地として開放、②合わせて茶業、茶道、林業(シイタケ栽培含む)の有料の体験教室を開く、③食料調達や土産物(茶、茶の加工品、駒打ちしたシイタケの原木等)を販売する直売所を中心部に設ける。 

岐阜県池田町の大津谷公園キャンプ場では、完全予約制・全面有料化の実験をしている。料金は1区画(6人まで)の宿泊費税込み3,300円、日帰り1,650円。コロナのため現在は80張ほどに制限しているが、花見のときには300張も出たという。80張でも全員宿泊のばあい地元に1日26.4万円の宿泊費が入り、食品や土産物の購入、体験教室などの収入も見込めば、1日50万円。60日稼働すれば3000万円。10で割れば1農家年300万円の粗収入増である。 

   いま外部から来て入間市に金を落としてくれる場所は、三井アウトレットとジョンソンタウンやイチゴ等の観光農園しかないと思う。このうちジョンソンタウンのブラシュアップは緊急の課題である。私の友人企業も2年前に飲食店を出したが、すでに採算に乗らず撤退している。出店者の出入りの激しさが目に付く。土日、祭日の賑わいはあるものの、平日は人影が実にマバラだ。入間市駅から徒歩で18分。バス便もなければ、車を持てる30~40才代はいいが、持たない若者層をシャッタアウトしているに等しい。市は早急にバス停を設け、てぃろーどバスの巡回コースに含めるべきである。 

写真⑤ 白壁のウエスタン調の町並みー外車の展示場の感があるジョンソンタウン

 さらにタウンの運営には①全面賃借だが、住居だけに当てて居るのが25件、店舗兼住宅が30件と異質のものが共存しており、静寂でありたい(覗かれたくない)、逆ににぎやかでありたい(大いに覗いて欲しい)・・・と相反する面がある。区画を2分、店舗専用地区を徐々に形成すべきである。②休日や営業時間を個々の店に任せているが、これでは顧客の利便性に反する。これを統一して利便性を高める。③平日客をふやすため最寄り性の高い業種を増やしたら・・・との意見があるが、それではヨークマートやイオンといったスーパーに勝てない。④アメリカ風といった個性が強いからこそ今日まで集客できたのであり、広域集客できる有名店にアプローチし、出店してもらうべきである。⑤ブログの編集などが唯一の宣伝手段だが、広域集客型であればあるほど、ネット他の宣伝やイベントの開催が必要である。

 景観を損なうガードレール等の対策

私の提案4の「ホワイト・エンジェル構想」とはなにか・・・外部の人の目にまず飛び込むのは、市の風景だ。入間市の風景の中で一番汚いのがガードパイプとレールである。児童の通学路にある白のガードパイプの多くは、輪の形のサビが無数に噴き出している。汚いパイプを見ながら集団登校する子供たちは、爽快な気分にはなれない。白は清純、清潔、誠実、素直などのイメージを持ち、これが錆びていたら、教育上も好ましくない。もともと市の予算にはガードパイプを白く塗り直す費用は組まれてないように思う。入間市の加治地区には15年もたち、錆びてボロボロになり崩れ落ちるほどのパイプが30mも続いていた。 

写真⑥ 建築工事でやっと撤去された最悪のガードパイプー元加治寄りの某区画
            私が引っ越してきた20年前から1度も交換なしであった。 

私の地区は300mほどのガードパイプで取り巻かれている。区長の働き掛けでパイプ塗装の予算が付いたようだったが、なかなか実行されない。1年後に市の道路課に聞きに行くと、「1年遅れで今年工事をする」とのこと。その後「予算が不足で中止」というニュースが入り、翌々の年に塗装が実現したが、予算不足のためか?パンダ模様のように半分だけ飛び飛びに塗り、半分を残し作業員は返ってしまった。 

狭山市や所沢では白いパイプでなく、サビが目立たないブラウン色のガードパイプにすでに半数近く交換している。だが白いガードレール&パイプであっても、廉価な塗装をすれば、また5年や10年美しさが保てる。エンジェル構想は塗装作業をボランティア団体や町内会に廉価な作業費で任せ、ボランティア活動の活性化と美観維持の一石二鳥を狙うものだ。ガードレール&パイプの設置には機材だけで1枠(レール200cm、パイプ300cm)に25,000円ほどかかるようだが、ボランティア組織等でやれば、塗装技術は相当落ちるが1枠のレール1,500円からパイプ2,500円程で見違えるほど見た目がアップする。仮に市全体で1,000枠の塗装をしたにしても150万円から250万円の投資にすぎない。「みどりの牧場に白の牧柵」のような美しいピカリと光る景色を、ぜひ早く通学児童や市民全体、流入者に提供して欲しいものだ。 

やはり人口増加を目指すべきだ

 最終、地域の発展を保証するのは人口、そして消費力だと思う。前の田中市長、現の杉島市長とも「将来、市の人口が減っていくとすれば」という前提で市の指針を打ち出している。平成30年7月に行われた公共施設マネージメント」の意見交換会の資料によれば、30年現在の推定人口148,700人ほどが、少子化が進む平成57年(2048年)には112,300人ほどになり、平成30年に比し75,5%になるとしている。税収を支える生産人口の15~64才となるとさらに悪く、64.4%レベルに落ち込む。人口減少を前提にしたら出先機関や學校統合・・・といった縮小均衡のくり返しで、良いことは少しもない。 

最初にピカリと光る市町村を紹介したが、埼玉の2010年対比2020年の10年間の人口増加のランキングを見ると、期せずして先に触れたピカリの市町村が上位に名を連ねる・・・ふじみ野市8.84%(県内市町村中10位)、和光市5.40%(24位)、三芳町3.79%(37位)、富士見市3.20%(29位)、所沢市1.28%(32位)、そして幸福度県下1位の川越市も5.08%(25位)と高い。ちなみに入間市はー0.13%(37位)である。 

 これら市町で人口増加を支えるのは、「市民が誇りに思える要素が多い」ためと言えるだろう。ふじみ野市とその周辺部は、イオンやビバホームが核になった大規模ショッピングセンターもあり、駅前も整備され、駅前商店街も発達し、物流センターや病院、老人ホームも無数にあり、商業・サービス業を中心とした地元雇用も多い。駅前には毎朝工場と駅を結ぶバスが5台、6台も待機し外人雇用者を中心に送迎している。外人が多いのは雇用機会が多いだけでなく、1部屋2万円、3万円台のアパートも多く、国ごとのコロニーも形成され、日本語に堪能でなくともある程度楽しい交流の場があるからだ。将来、日本人を雇用することが困難になるなか、これを埋めるのが外国人の雇用・・・その基盤も整いつつあるのだ。ふじみ野市ではボランティアと外人が1対1で向き合ったマンツーマンの日本語学校もあり、覗いたことがある。 

 正直、女性1人当たりが生涯に産む子供の数を特殊出生率というが、これが,3人以上でないと、人口減が生じるとされている。0.3人分は結婚しない人もいるためオンする分だ。2019年における日本全体の平均は1.45で、トップは沖縄の1.82、2位が宮崎の1.73だ。ちなみに埼玉は43位の1.27である。一方1世帯当たりの所得を見ると、最低は沖縄の4,977千円、下から2番目が宮崎だ。民間の幸福度調査では2021年において沖縄が指数78.1でトップ。2位が宮崎県の73.0。埼玉は66.2で41位、東京は家族所得トップにもかかわらず65.0で45位である。

 以上からすると、所得の高さと幸福度、あるいは特殊出生率はまったく連動しない。むしろ一部の地区では真逆である。・・・とすると、経済的に必ずしも恵まれていなくとも、幸福度が高まる自然・子育て・近所の連帯感がある環境づくりができれば、人口増加も達成できるはずである。ただ「産めよ増やせよ」というのではなく、幸福度向上に力点を絞った市政の再構築を望みたいものだ。


 

ご意見があれば投稿欄によろしく!! 掲載してよければ、そのように記入ください。

 近藤メールアドレス変更 jkondou@biscuit.ocn.ne.jp      携帯080-3464-2607

 

2023年4月30日日曜日

角上魚類は鮮魚店日本一を目指す

 「角上魚類」は、新潟県長岡市寺泊の本社を置き、店舗数22店を関東中心に展開。鮮魚店の日本一を目標とすチェーンである。

 我が家に最も近いのが所沢店。正式な住所は所沢市北中2-272-1。売り場面積約138坪、レジ9台、駐車台数約100台。ちなりに青果の量販店ヤオフクがある。

 



入間市役所南手の463号線で所沢に抜ける道筋にある。仏子駅からだと約9kmほど。車では20分程か。年中無休で元旦も開いているのが特徴。元旦9~16時。2,3日が9~19時だから正月の来客にも役立ち、さらに日曜も9~19時(平日・土・祝は10~19時)。
 
 もともと鮮魚直販店としてスタートし、地元寺泊の水揚げものだけでなく、豊洲市場はもちろん、地方の漁港付帯の産地市場や産地業者から活発に仕入れ、豊富な品揃えと安さを実現しているのではないか。



























 正月商戦は量的なジャンボ販売が中心だが、まず寿司は松5,200円(40貫)、竹4,200円(31貫)、梅3,200円(24貫)。刺身は高品質で12点盛り6,000円、9点盛り5,000円、7点盛り3,000円である。マグロのみの切り身は大トロ100g1,700円、中トロ100g960円、赤身100g950円とか620円。並べるのを待って飛ぶように売れて行く。その他タラバガニが800g8,300円、600g6,300円、500g5,000円である。
















 
















  ここではジャンボパックだけでなく、どの部門も少量バックもあり、惣菜の品揃えも豊富だ。例えばエビなどの海鮮丼の580円といたものもある。

 

2023年4月29日土曜日

WBCや大谷翔平に見る日本人の素晴らしさ―逆の面の自覚も

 

                   

野球のWBCやサッカーのワルドカップを通じ、日本人の①事後の会場や選手控室の清掃・整理整頓のすばらしさ、②対戦相手や仲間、観客への礼儀のすばらしさ、③選手の練習の徹底やその指揮者の科学性のすばらしさ・・・などが評価された。 

 だが日本人といっても、スポーツ選手とその観客への尊敬に酔いしれているだけではダメだと思う。日本人全体を必ずしも含んでいない。観光面でも「日本はどこも清潔」「日本人はどこでも親切にしてくれた」と評判。ただ清潔といっても「ガードレール」など公共物になると予算不足で行政も手を出さずサビや苔、落書きで実に汚い。また個人は「あれは公共物だから」とだれも美化に手をださな。外人への「親切」にしても、5人に1人が人助けに積極的だと外国人は「全体が親切」に思える。現実には誰にも助けてもらえず、不安のどん底にある母子家庭や病人1人の生活者も日本にはざらに存在する。また外国人対しては、語学に不得手な日本人は質問されても「困った、困った」と逃げ、実際には親切さがあっても、行動が一致しないこともある。手真似足真似で、どうにか質問に答えようとする「積極性が不足」な日本人は多い。 

下記は身近で使われる格言のほんの10例だが、日本人の持つ弱さを現わすものが多い。格言は世渡りのコツをあらわすものが多く、たいがいは「個人が得になる選択」を教えている。ということは「社会全体とすれば損になる選択」という側面が必ず隠されている。 

1.    赤信号 皆で渡ればこわくない

2.    石橋をたたいて渡る

3.    和をもって尊とする

4.    出る杭は打たれる

5.    寄らば大樹の陰 

6.    長いものに巻かれろ

7.    触らぬ神に祟りなし

8.    知らぬが仏 (やや異なるが:知らぬが花)

9. 沈黙は金なり

10. 衣食足りて礼節を知る

 例えば最初の「赤信号、皆で渡れば怖くない」は、約束ごとの青信号を無視し赤信号でも多数が渡れば、自動車等が突っ込むことはなく安全・・・ということ。これは中国ではやった言葉で、日本ではすでに死語に近いとされる。しかし、赤信号を選挙の「無投票」(民主主義の破壊)とすると、現在のように「選挙に行かなくても、それが多数ならば個人の名誉も失墜せず、自身の立場は安泰」との考えが広がり、ますます無投票が増えているのが日本ではないか(衆議院選挙を見ると昭和42年に無投票26.0%だったものが、令和3年では44.1%に)。面倒で、かつ自分の損得に直ちに関わってこないものには無関心・・・これも日本人の負の特徴である。 

 「石橋をたたいて渡る」は物事に対し、慎重のうえにも慎重に当たることだが、なかには「たたいて、なお渡らない人」も多いのが日本人である。慎重すぎれば、科学技術や経営における革新を阻む要因になる。 

 「和をもって尊とする」は、集団の各人が仲良く団結してこそうまく行く・・・の意味だが、反対の極にくるのが「出る杭は打たれる」ではないか。和を優先するあまり各人が批判めいたことを一切言わない。外国では「ずばずばと本音を主張する」のが当たり前の国が多い。「日本人はなかなかしゃべらないので、何を考えているのかわからない」は、多くの外国人の感想だ。本音を言わなければ、暴走や独裁も生まれ、組織の発展を阻んでしまう。つい最近のシャンソン化粧品バスケット部員の大量脱退騒動なども、その一例である。 

もめそうなことには意見を言わない、態度を示さない・・・姿は、「知らぬが仏」「沈黙は金なり」「触らぬ神に祟りなし」にも通じるものがある。和は各人が自由にものを言える雰囲気や、もめごとにも積極的に参加する中で、形成されなければならない。多くが人が持つ従順さは、日本人の大きな欠点とみなすべきである。 

「寄らば大樹の陰」は力のあるものの傘下にいれば、身が守られる意味だが、「長いものには巻かれよ」とか「虎の威をかりる狐」に通じる。金の力、会社とか団体の権威の力から解放されることのない、一部日本人の短所でもある。やはり一人一人が勉強と実践を通じて個を磨き、1人1人がそれなりに自立した人格になっていくことが重要なのではないか。 

「衣食足りて礼節を知る」とは経済的にも満ちたりてこそ、礼儀も保てるとの意味だ。これは実態をよく表し、個人の損得と関係していない。一方で「武士は食わねど高楊枝」という諺がある。武士はたとえ貧しくとも、充分食べているかのように楊枝を高くくわえ威厳を保て・・・との意味だ。こちらは理想像を示し、私もそうありたいと努力してきた者である。自由業を長らく続け収入は不安定、時にお祝金、弔問金を考え、金銭的な礼を尽くせぬことも多かった。日本人は、礼節の面ではこだわる人が圧倒的に多く、WBC等での大谷ほかの選手、応援団の評価が高いのも当然である。 

ところで日本人の礼節へのこだわりは、徳川260年のなかで形成されたように思う。戦国時代であれば知略や武術に強けたものが評価された。ところが、戦争のない徳川時代では術に長けていても役立たず。武道の道の部分→礼儀作法の良否は人格の表れ→武術でなく人格が人を動かす力となる・・・との理解が進み礼儀がより重視された。この流れは町民にも伝わっていったのでは。明治以降は、特に体育活動の中でこの礼節が重視され(柔道・剣道などは礼に始まり礼に終わる)、スポーツをやる人は礼儀をより多く身に着けてきたように思う。大谷翔平さんは両親、兄や姉(いずれもスポーツに関与)からも多くを学び、その頂点にいるのではと思う。 

  





ご意見があれば御寄せください。本欄に追加掲載をしても良いのであれば、

そのように書いてください。メール: jkondou@biscuit.ocn.ne.jp        近藤

2023年4月25日火曜日

幸福度日本一の鳩山町ー学ぶもの多数あり

     独自の工夫と町営の農産物直売所もある街

写真① 瀟洒な街並みの鳩山ニュータウン

・・・この「街の幸福度ランキング」調査は、大手建設業者の「大東建託」が調査を2019~21年に実施し、全国47都道府県1883市区町村に住む20歳以上の男女約52万人が回答した。「非常に幸福だと思う」から「非常に不幸だと思う」まで10段階で評価してもらい、50人以上から回答があった1237市区町村を対象に、平均点でランキングを作成したもの。鳩山町では78人の回答が集計され、それだけに信頼度の高いものと言える・・・

鳩山町は入間市や狭山市の中心部から国道408号を北上し約25kmのところに位置する。人口15,000人というから、私の住む入間市の10分の1ほどに過ぎない。高齢化や人口減少も進んでいる。それでいて、「幸福度日本一の町」になっている。鳩山町はなぜ日本一なのか?

1.居住者の同質性で幸福を再生産

鳩山町は、東武東上線の高坂駅から車で15分ほど、埼玉県のほぼ中央の位置にあり自然林の緑も多い丘陵地帯。だが「陸の孤島」と言われることもある。川に沿いに田があり、一段高いところは畑。広い耕地がない兼業農家地帯・・・農業経営体176のうち副業的経営体が78%。しかし周辺部の川越市や坂戸市など工業団地も多く、就業機会も多いため豊かな兼業農家の地区と見て良い。

こうした兼業農業地帯だが、1974年以降、丘陵地の一つに高級住宅といえる敷地50~60坪の瀟洒な鳩山ニュータウンの分譲が開始され、広大な戸建て団地(約3,300世帯)が形成された。そして高度成長期に生まれた豊かな中間層が、緑多い環境にあこがれ移り住んだ。鳩山町の人口は令和5年1月現在13,151人だが、鳩山ニュータウンの人口が6,725人で51.1%(世帯数では53.9%)、その他地域が48.9%で、ほぼ半々の状況にある。

ニュータウンの居住者もすでに50年前後過ぎ、多くは年金暮らしにはいっているが、豊かな年金暮らしをしている人(企業年金というプラスαあった時代に勤務)が多いと考えられる。そして「ゆったりとした敷地、緑濃き地区で、老後ものんびり生活をエンジョイしたい」という共通の夢を描いてきたはず。生活レベルと「環境への憧れ」の両面で同質性が高く、お互いを理解し合える立場にあり町会活動も活発で、「陸の孤島」という環境に負けないよう協力し合っていることが、幸福度の高さに通じるものと思う。

鳩山町には緑の濃い樹林地帯が多数あり、緑に囲まれた神社仏閣も23ほどあり、古代・中世等の史跡も7つと豊富。公園や景勝地も7ケ所、5つのゴルフ場も5つ、大学も2つ、地球観測センターもある。町が運営する貸農園(1区画100㎡で年6,000円)も142区画ある・・・老後の楽しさを探すのに不足はない。

豊かな兼業塗業地区と豊かな戸建て団地。幸福感というものは、生活レベルやライフスタイルに格差がないときにお互いを理解し合え、幸福感も生じるものである。一体感があれば、市町村や町会の活動にしても、改善方向が打ち出しやすい。仮に2つに分かれた母集団であったとしても、母集団が半々であれば改善策も「譲り合いの精神」で受け入れられやすく、良いと思うことを実行に移しやすい。実際、高齢化に負けず鳩山町は良い政策を次々と打ち出し、幸福感を再生産しているように思う。 

2.デマンドタクシーで足を確保

鳩山町は陸の孤島だが、実際には団地と高坂駅を結ぶ川越観光のバス便は、1時間に6便の時間帯もあり、1日72便もある。このため通勤・通学には大きな不便はない。だが、買い物の利便性では劣る。団地の中央部に小型の西友ストア(レジ4台、駐車場44台)、コンビのファミリーマートと約10店ほどの理髪店、美容室などの専門店があるが丘の頂上部に当たる。丘陵の裾野にスーパーのベイシア、他にJAの農産物直売所も2ケ所がある。町全体がいくつもの丘陵からなり、多くは坂道でつながり徒歩客には厳しい状況にある。 






写真⓶ ニュウータウン中心にある西友ストア




写真③ 西友前の商店街

10数店中6店にシャッター。心配になるところ。

このハンディーに対して思いやりの精神が働き、町内であればどれだけ乗っても200~600円の「鳩山町デマンドタクシー」が2009年から運行されてきた。町民が予約電話を掛けると、どこにでも来てくれる。AIが4台のタクシーの位置から迎車時間を瞬時に計算し、オペレーターが車を手配する。町外の病院などへの運行便もある。 

坂道が多ければ、交通事故も起きやすい。ここでも町と町民が一体となり、「交通事故ゼロの町」を高々と掲げ、2009年以来交通事故ゼロを達成もしている。この事故ゼロも安全・安心を保証し、幸福感を支えていると見る。 

3.健康長寿のため多種の努力

年をとっても元気で健康なことも、幸福度に通じるはず。このための町の努力も抜群である。鳩山町は2009年から、東京都健康長寿医療センターとの共同研究などにより、健康長寿の秘訣を「運動、栄養、社会参加」と分析し、健康寿命を延ばすための取り組み「鳩山モデル」を推進してきた。 

連携協定を結ぶ大東文化大スポーツ健康学部(埼玉県東松山市)が町民向けに筋力トレーニング教室を開き、女子栄養大(埼玉県坂戸市)が食生活改善のためのセミナーを開催。町民の有志が「健康づくりサポーターの会」を組織し、町内4カ所で健康教室を毎週開き、30~100人が集まって筋トレなどに継続して取り組んでいる。(町の資料引用)。 

この結果65才を基準とした余命の調査では、鳩山町男子は22.3才で埼玉県1位、女子は24.2才で20位(1~20位の差は微少・・・健康寿命では女子も2位。ちなみに男子は1位)。

4.子育て対策も優等生

  長寿化すれば、高齢化は当然進む。鳩山町の令和5年1月現在の65才以上の割合は、実に46.5%で、近々半数を超える。高齢者からしても子供が増え、子供の元気な姿や声を聴くことが、幸福感に通じる。鳩山町では子育てにも力を注ぎ、県内で最も早く「地域子育て応援タウン」に認定されてきた。 

私立の保育所も町内に二つあり、待機児童は2004年以来ゼロであり、2018年以降を見ると、入園希望者164~169人に対し、受け入れ可能数は202人と受け入れの余裕を持続している。このほか放課後に児童を預かる学童保育園も2ケ所あり、さらに6年生以下の病気やケガのお子さんを預かり、働くママを応援する施設が「ひばり保育園」というところに併設されている。ここには「ひばり子育て支援センター」「つどいの広場ぽっぽ」「子育て世代包括支援センターぴっぴ」といった施設もある。また地域全体で3ケ所の子育て支援の拠点もあり、妊婦や子育ての悩み事の相談やサポートし、子供を持つママさんたちの交流の場にもなっている。 

  子育てに対する経済的な支援も、また充実している。まず①国民健康保険の被保険者が出産する場合、42万円が支給される。②中学3年までの子供がけがや病気で診療を受けた場合、医療費は無料である。⓷生後3ケ月以内の赤ちゃんを持つ家庭は、保健師や管理栄養士、助産婦が訪問し、家族全員のケアーをしてくれる、④乳児検診、1才6ケ月検診、2歳児歯科検診、3才児検診も無料で実施している。 

5.町の発展策も充実―空き家対策や起業も

    ところで、「町が年々高齢化して行く」といった状態では、住民の幸福感は生まれない。高齢化の著しい鳩山ニュータウンの活性化のため、今日のニーズだけでなく将来のニーズを考え、基本計画を作成し様々な事業を展開している。2014年には閉店した日用品販売店舗の跡地を町が買い取り、鳩山町コミュニティ・マルシェを建設、次の5つの窓口活動が行われている。

   移住推進センター約80㎡(空き家バンク) 増えつつある、売りたい・貸したい空き家の登録をし、HPで宣伝し移住希望者の相談に乗る。現在だけでHPには10の空き家物件が紹介されている。

   ふくしプラザ約140㎡ 地域福祉活動、ボランティア活動、各種相談活動、地域見守り活動の拠点。無料で利用できる。

   まちおこしカフェ約110㎡ 地元での起業、地元振興に通じる各種取り組みを支援。地元や提携市町村の特産品の販売、これ等を原料とした飲食物の販売・提供を支援。

   シェア・オフィス約70㎡ 全部で8室あり、仕事や学習の場を提供し、物つくり等の起業を支援。1か月の継続利用も可能。

   研修室40㎡ 各種資源を活用した多世代の活躍を促すための、各種研修会を開催する場。

   その他約346㎡












写真④⑤ 数百点もの町民のオリジナル商品がカフェを取り囲む

 マルシェを訪ねると広いカフェがあり、この施設で開発された各種ケーキがずらり並び、客席のあちこちに1~4人組の客がくつろいだり会話を楽しんでいる。そして客席を取り囲み、地場の野菜の直売コーナーもあれば、各自の家で制作し持ち込まれた数百にも及ぶアクセサリー、バック、衣料等が所狭しと並んでいる。売れ行きの方はパットしないように思うが、趣味で始めたものを商品化し、起業に結びついていく入り口として貢献しているように思う。奥の福祉プラザの席には、地域の安全を守るボランティアの人が10数人も休憩していた。

6.兼業農家を支える農産物直売所

すでに触れてきたが、兼業農家中心の地区であるが、新たな農業参入にも力をいれている。それが「担い手農業者育成塾」である。原則として18歳以上60歳未満で基本的な農業知識を持ち、研修修了後に鳩山町内で就農する意思がある人を対象にした農業経営技術研修だ。2年間の研修中に有機農法による水稲・野菜などの種まき・育苗から収穫、出荷調整までを学べる。(市発表文書より) 

また鳩山町はトカイナカ(都会と田舎の交わる地区)であり、こうした立地は農産物販売所の適地でもある。消費者が来やすく、生産者としては市場ルートの大量出荷でなく、少量出荷がしやすい。早朝出荷すればよく、兼業体制でも乗り切れる。




写真⑥ JA埼玉中央の鳩山農産物販売所



写真⑦⑧ 町営の上熊井農産物販売所 

地元の南はずれにはJA埼玉中央の鳩山農産物販売所の鳩山支店がある。9:30~18:00時の営業、売り場面積200㎡、駐車50台。出荷者は80人程で、美味の会の加工品、うどん弁当、赤飯、田舎寿司など個性品が販売されている。地場産のお米も5キロ1,400円からと安く、精米してくれたもの購入してきた。 

いま一つはやや山手にある鳩山町上熊井農産物販売所で、愛称「ちょくま」である。町の条例で運営され、管理者は各地の異なるニーズを開発し、多数の企業を傘下に持つ株・グッドスタッフという会社。9;00~17時の営業で、60台の駐車。出荷者早く80人。特徴は売場スペース200㎡のほかに、農業の6次産業化の要請に沿うため、8~53㎡の加工場4部屋を持ち、利用料を払えば利用可能。加工だけするなら1時間700円、加工と直売所での販売をする場合は1時間500円。保管庫も豊富でこれも廉価に借りられる。外にも360㎡のイベント広場もあり、車1台6,000円を払えば、広場でイベント的な販売もできる。 

管理主体を担う株グッドスタッフは、様々なニーズにこたえる実務コンサルタント会社とも言え、人材派遣会社も含め数十の系列会社を持っている。運営は運営のプロに任せる・・・が町の方針のようだ。だから、運営もユニークである。買った品をその場で食べられるイートインの広いコーナーがある。

ニュータウン住民を支えるのがコミュニティ・マルシェなら、農業者を支えるのが農産物直売所だ。なぜなら、兼業農家は自家用の消費も考え、少量・多品種栽培をしている。市場出荷と異なり葉物でも10把、20把の出荷が可能。夕方収穫し夜や、早朝にパケージをしておけば、朝は直売所に行、前日の売れ残りを引き取り、新しい品の値札を作り決められた各自の陳列台もでき、大規模出荷の市場出荷よりも、小口の出荷ができる直売所が向いているからだ。

以上見てきた通り、鳩山町は町と町民が「こうしたい」と思うことを、次々と実践してきた。町の広報誌も4ケ月分を読ましてもらったが、2022年11月号では4ページにまたがり「交通事故継続日数5000日達成」の特集が組まれ、12月号では2ページの「鳩山町独自の支援事業」、2ページの「はとやま祭り」の特集、2023年1月号では5ページの「鳩山中学校生徒の紹介」の特集が、沢山の写真入りで紹介されている。町民全員が読みたくなる内容なのだ。皆が町の行方に関心を持ってこそ、思いやりの気持ちも生まれ、一体感による幸福感も増大する。私の住む入間市の広報誌が、連絡事項のオンパレードというのとは大違いである。ここらの違いを入間市は大いに反省しないと、市民の幸福感の増大は不可能である。

7.幸福度の未来にかげりも!

この鳩山町の幸福度にも、「かげり」がないとは言えない。幸福感を支えるものに主体的な経済要素(主に所得)があるが、それを取り巻く他動的な環境要素もある。大きく分けて①自然環境、②通学・通勤環境、③買い物環境であるが、①②は今後も変化が比較的に少ない部類だが、⓷は大きな変化が予想される。

高齢化すればするほど、毎日の食に楽しみを求め、生鮮好みの小刻みな買い物もする。ニュータウンについては、食料品や日用雑貨に強い「頼れるショッピングセンター」と言えるものがない。西友は売場面積580㎡、レジ4台、駐車場44台の小型のスーパー。そのうえ丘の頂上部にあり、徒歩や自転車での買い物が困難なエリアが多く、これまでは車で2~3キロほど先の超大型のスーパーであるベイシアや、坂戸方面のスーパーに車で流れる人が多かった。このため人口減少もあって(17年間で27%減)、西友は別として、向かい側にある10数軒の専門商店街も斜陽化野の一途をたどってきた(6軒はシャターを閉めている)。

ニュータウンのばあい、宅地分譲が開始されて以来すでに50年。40才以上で家を建てた人も今では80才以上。30才以上で建てた人でもすでに70才以上。運転免許の保有率となると、全国平均の話だが80才以上の男子が45.6%、女子となると5.5%だ。これは50~60代の男子の保有率約95.0%、女子の保有率約64.8%の各1/2位下、1/11以下という数字である。今後、買い物に不便な家庭が急増してしまう。事実、ニュータウンのわずか数人に聞いただけだが、「西友の存続を心から願う」「野菜他生鮮品の良いものを求め、コモディ・イイダなど他所に流出しているが、車に乗れなくなればどうにもならない」と不安をはっきりもらしていた。

私は50年近くスーパー関係のコンサルタントをし、20都府県の計350地区でスーパーの出店調査もしてきた。東京八王子の丘陵地帯に林立した古い高層団地地区では、今から25年以上前に高齢化による消費の減少でスーパーの撤退が起き、「どうするか」と心配で一杯の地区が多数あった。鳩山町も「令和6~10年問題」ともいうべき高齢化問題が深刻になる。いま65才以上の高齢者の割合は、すでに人口全体の46.%に達している(令和5年3月1日)。5年度の末には50%前後になる。

配達主体の生協もコープ未来、パルコープ、生活クラブ生協等と複数ある。この生協を併用するのも一方である。しかし青果・鮮魚・精肉・惣菜といった生鮮4品は、品目の選択幅が狭く、かつ「生きのよさ」を得るのは難しい。とすると西友ストアーに生鮮の強化をお願いし、同時に生鮮主体の移動販売や宅配の機能まで担当してもらい、移動販売車や宅配のバイクは町が保有しリース形式にして、かつ全町を対象とし運行し、収益の上げやすい体質の店舗を作るといった創造性が求められる。

ご意見があれば御寄せください。本欄に追加掲載をしても良いのであれば、

そのように書いてください。メール: jkondou@biscuit.ocn.ne.jp        近藤