2015年9月19日土曜日

ジョイフル本田瑞穂店に農産物直売所オープンー畑の匂い不足?

 7月1日に巨大モールのジョイフル本田瑞穂店(都下瑞穂町)に農産物直売所がオープンした。この瑞穂店はフードコートにマクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、リンガーハット、すき屋、はなまるうどんなど12店を擁し、客席だけで1,000はあるはず?・・・これで集客力の強さも分かる。なにせ、本体のHCやガーデンCに加え、エクステリアC、ペットCに動物病院、食品スーパーまで擁し、イオンなど蹴とばす迫力がある。

    さて、ガーデンCに付帯して出来た直売所「ジョイハーム」はどうか。ガーデンセンターを利用する付近の農家に販売の場を提供し喜んでもらう。消費者にはHC他の買い物もできるワンストップの場を提供する・・・とのコンセプトと思う。今後、関東地域全体に「ジョイファーム」を展開していく先兵とのこと。

    売り場面積は114坪ほどで、最近の直売所からすると中規模。レジ3台。青果は傾斜を持つ平台(これを多段台に直せば、200坪の陳列容積にもなり、売り場面積に不足はない)。いまはレジも常時1台しか稼働しておらず、客数不足は否めない・・・なぜかは、後で触れたい?
 
   
  開店2日めと、9月12日(土)の2度訪ねただけだが・・・モダンさにおいてデパートの1角や紀の国屋のような高級スーパーの感じだ(写真参照)。壁面を埋めた黒塗りの木製3尺棚10台以上に、こだわりのソース、ドレシング、ジャム、オイル、カレー粉、つゆ、乾麺、塩・香辛料等が美しく並び、傾斜の木製台でドレミファームというところのピクルス35種(シロップ2種含む)648円も売られている。直売所でピクルスをこれだけそろえている例は稀だろう。チルドの日配品や菓子も珍しいものばかりである。

    野菜のコーナーではポテトフェアーで、アンデスレッド、ノーザンルビー、ワセシロ、とうやなど、果物ではピオーネ、ロザリオブランコ、シャインマスカットなど、それぞれスーパーでは置いていない珍しい品種が多数売られていた。また当初はオリジナルナPOPが少ないと思っていたが、2度めの訪問時には、手書きのあじのあるPOPも増えていた。

    しかし、肝心の青果物トータルの品揃えは極めて少ない。スペース的に見ても傾斜の平台6尺の構成で、野菜が16台(うち2台は減農薬品)、果物が5台で、品目別のアイテムは1~2品のものがほとんど。直売所の特徴である同一品目内の選択アイテムの多さがまったく見られない。出荷者不足は明らかで、チラシでも「さらに出荷者を求む!」と宣伝しているほど。地元農協も開店時に応援に来ていたはずだが、地元に直売所が2つあり、高齢化や都市化が進み、作り手不足が深刻になっているのではないか。

   開店時だけでなく9月12日も1台しか動いていない。一番の問題はアイテム不足だが、さらに言えることは、生産者や畑の写真、イラスト、パネルがまったくなく、「地産・新鮮・顔が目得る」が演出されていないことだ。ここらは群馬から所沢市にも進出した「食の駅」(当方ブログのアクセス・スピード最高)と大違いである。  

   個性ある高級化路線は、多くの安売りに走る直売所に対するアンチテーゼで妥当性がある。だが、野菜の品揃えが少ないとか、顔の見えない販売では個性も死んでしまう。場合により休耕地を利用し、農家と共同の農業法人を作り、一部を自己生産することも必要なのではないか。すでに似たようなことをしているようでもあり、そうでないようでもあり、このへんがあいまいな気がする。種ほかあらゆる農業資材を売る以上、生産や農業経営で成功し、農業者や消費者にその成果を見せて欲しいものだ。



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