では実際スーパーの売り場のなかで、直営部門とインショップの関係はどうなっているか? 2つのスーパーについて見ると・・・2月の地元の季節商品である長ネギとホウレンソウのばあい、直営部門は長ネギ1アイテム、ホウレンソウ2アイテムと絞られ、インショップは長ネギ4~2アイテム、ホウレンソウ5~4アイテムと多い。
スーパーでは、トマトのばあい12~15アイテムと豊富に品揃えするが、その他のものは1アイテムが主流で、季節の売れ筋商品について2~3アイテム置くケースが多い。したがって直営の長ネギ、ホウレンソウのアイテム数は「常識的」であり、インショップがアイテム数の拡大を通じ、選択性を広げることに貢献している。
2スーパーの直営価格とインショップ価格比較
区分
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NO
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長ネギ 円
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A店
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B店
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直営売り
場価格
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①
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太2本特売93
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太2本 178
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➁
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インショ
ップ価格
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①
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並3本 119
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並3本 160
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➁
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並3本 128
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並3本 168
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➂
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並3本 128
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➃
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並3本 147
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区分
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NO
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ホウレンソウ 円
| |
A店
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B店
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直営売り
場価格
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①
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1把 147
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1把 158
|
➁
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1把 184
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1把 198
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インショ
ップ価格
|
①
|
1把 119
|
1把 140
|
➁
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1把 147
|
1把 170
| |
➂
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1把 147
|
1把 188
| |
➃
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1把 147
|
1把 188
| |
➄
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1把 147
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互いのバッティングを避けるため、長ネギのばあい直営では太い2本もの、インショップでは並みの太さの3本ものにしているのも2店に共通している。
ホウレンソウもB店のばあいは、1把198円の品は「ちじみホウレンソウ」である。またこのチェーンの他の店でも並みもの158円とちじみもの198円と同一値段で、チェーンとして一定の売価政策を採っていることも分かった。
次に売価だが、直営部門ではインショップより高めの品質・価格のものを置く・・・といった配慮が見られる(ただしB店の直営ホウレンソウの158円のような例もある)。安さはインショップで演出、「良い品」は直営部門で演出ということだ。中間流通時間・経費の大幅カットで、新鮮で合理的な安さを訴求できるのがインショップである。
だが個別の事例を見ると、同じインショップでも長ネギはA店で3本119~147円、B店で160~168円、ホウレンソウはA店で119~147円、B店で140~188円と大幅な差がある。価格の選択幅も広がって、それが一つの魅力となっている点も否定できない。出荷者の自由意思による売価設定を尊重し、売価の多様性の魅力を引き出しているようだ。
朝チェックして、夕方に売れ行きをチェックしにいったが、安い売価のものが売り切れ、高いものは残る・・・といたはっきりした現象は見られなかった。顧客は、いろいろの人がいて、「安さのみで買っていない」ことを示してくれた面もある。A店のホウレンソウのばあい、夕方には地元直送品を、直営売り場で場所を広くとって147円で販売していた。時に大量販売の支援もしてくれている様子である。
地元供給農家の話では、各スーパーとも月1回とか2回のミーティングがあり、スーパー側が「良く、出荷者の要望を聞いてくれる」と言う。スーパーとしても、共存共栄路線を大切にしていることがうかがえる。
だがインショップを多数みていて、まだまだ「市場にはなく、地元の珍しい特産野菜、
昔からの野菜」といった個性商品が少ないことも事実である。スーパーのなかには無理して、有機野菜や減農薬の3尺幅のコーナーを維持しているところもあり、これに応えることも必要である。
話は変わる・・・埼玉県のばあい地元特産の「彩の黒豚」の表示も徹底して行っているが、下記のように「埼玉県産農産物サポート店」の認定と表示も活発に行っている。これはインショップに限らず、直売所、専門店、飲食店の数百店に及ぶ。ただし「サポート店」の下記看板は必ずしも掲げられておらず、「地元野菜」「〇〇市の野菜」としているだけのばあいも多い。
話は変わる・・・埼玉県のばあい地元特産の「彩の黒豚」の表示も徹底して行っているが、下記のように「埼玉県産農産物サポート店」の認定と表示も活発に行っている。これはインショップに限らず、直売所、専門店、飲食店の数百店に及ぶ。ただし「サポート店」の下記看板は必ずしも掲げられておらず、「地元野菜」「〇〇市の野菜」としているだけのばあいも多い。
<写真>整備されたカスミストアのインショップ・コーナー。県認証の「埼玉県産農産物サポート店」の表示も!
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