2015年2月12日木曜日

スーパー内のインショップ販売と直営部門の共存状況は!

 当方の地元市内には12店のスーパーがあるが、地元の「いるま野農協」の協力態勢が整っていて、チェーン店と呼び得る9店(20店以上の支店)は地元農家の直売コーナー(=インショップ)を設置している。そして6~8人程度の生産者が担当し、木製台6尺2本ほどで10~15品目を扱い、アイテム数にして15~20の野菜を扱っているのが普通である。インショップが多いため、逆に50坪以上の直売所は1店にすぎない。 

 では実際スーパーの売り場のなかで、直営部門とインショップの関係はどうなっているか? 2つのスーパーについて見ると・・・2月の地元の季節商品である長ネギとホウレンソウのばあい、直営部門は長ネギ1アイテム、ホウレンソウ2アイテムと絞られ、インショップは長ネギ4~2アイテム、ホウレンソウ5~4アイテムと多い。 

スーパーでは、トマトのばあい12~15アイテムと豊富に品揃えするが、その他のものは1アイテムが主流で、季節の売れ筋商品について2~3アイテム置くケースが多い。したがって直営の長ネギ、ホウレンソウのアイテム数は「常識的」であり、インショップがアイテム数の拡大を通じ、選択性を広げることに貢献している。

2スーパーの直営価格とインショップ価格比較


 

区分

 

NO

長ネギ 円

A店

B店

直営売り

場価格

     

太2本特売93

太2本 178


 

 

 

インショ

ップ価格

     

並3本 119

並3本 160


並3本 128

並3本 168


並3本 128

 


並3本 147

 

 

 

区分

 

NO

ホウレンソウ 円

A店

B店

直営売り

場価格

     

1把  147

1把  158


1把  184

1把  198

 

インショ

ップ価格

     

1把  119

1把  140


1把  147

1把  170


1把  147

1把  188


1把  147

1把  188


1把  147

 

互いのバッティングを避けるため、長ネギのばあい直営では太い2本もの、インショップでは並みの太さの3本ものにしているのも2店に共通している。 

 ホウレンソウもB店のばあいは、1把198円の品は「ちじみホウレンソウ」である。またこのチェーンの他の店でも並みもの158円とちじみもの198円と同一値段で、チェーンとして一定の売価政策を採っていることも分かった。 

 次に売価だが、直営部門ではインショップより高めの品質・価格のものを置く・・・といった配慮が見られる(ただしB店の直営ホウレンソウの158円のような例もある)。安さはインショップで演出、「良い品」は直営部門で演出ということだ。中間流通時間・経費の大幅カットで、新鮮で合理的な安さを訴求できるのがインショップである。 

だが個別の事例を見ると、同じインショップでも長ネギはA店で3本119~147円、B店で160~168円、ホウレンソウはA店で119~147円、B店で140~188円と大幅な差がある。価格の選択幅も広がって、それが一つの魅力となっている点も否定できない。出荷者の自由意思による売価設定を尊重し、売価の多様性の魅力を引き出しているようだ。 

 朝チェックして、夕方に売れ行きをチェックしにいったが、安い売価のものが売り切れ、高いものは残る・・・といたはっきりした現象は見られなかった。顧客は、いろいろの人がいて、「安さのみで買っていない」ことを示してくれた面もある。A店のホウレンソウのばあい、夕方には地元直送品を、直営売り場で場所を広くとって147円で販売していた。時に大量販売の支援もしてくれている様子である。 

 地元供給農家の話では、各スーパーとも月1回とか2回のミーティングがあり、スーパー側が「良く、出荷者の要望を聞いてくれる」と言う。スーパーとしても、共存共栄路線を大切にしていることがうかがえる。 

 だがインショップを多数みていて、まだまだ「市場にはなく、地元の珍しい特産野菜、
昔からの野菜」といった個性商品が少ないことも事実である。スーパーのなかには無理して、有機野菜や減農薬の3尺幅のコーナーを維持しているところもあり、これに応えることも必要である。

 
 話は変わる・・・埼玉県のばあい地元特産の「彩の黒豚」の表示も徹底して行っているが、下記のように「埼玉県産農産物サポート店」の認定と表示も活発に行っている。これはインショップに限らず、直売所、専門店、飲食店の数百店に及ぶ。ただし「サポート店」の下記看板は必ずしも掲げられておらず、「地元野菜」「〇〇市の野菜」としているだけのばあいも多い。


<写真>整備されたカスミストアのインショップ・コーナー。県認証の「埼玉県産農産物サポート店」の表示も!
 

 

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