2013年4月7日日曜日

日本政策金融公庫のアドバイザー試験(受験後記)!

 
 
 資格への挑戦は、その資格取得もさることながら、自己の能力を高める一助になる。社・農業経営支援センター関東ブロックでは、日本政策金融公庫「アドバイザー試験」の受験対策講座を5月18(土)、25日(土)の2回開催する。応募等の詳細は
関東ブロックHP       www1.m.jcnnet.jp/sien-kantou/       
を見て欲しいが、試験の内容について、実際に受験した仲間の試験後記を紹介する。

3次にわたる試験で集団面接も

・・・・24年農業経営アドバイザー第16回試験の受験後記(その1)・・・・

                       関東ブロック 小松崎 眞

  昨年、まとまった休みが取れる体制になったためJ-PAO主催の農業経営アドバイザー試験に挑戦し無事に資格を取得することが出来ました。今回は、その体験を少し紙面で紹介させていただき、これから試験に挑戦される方の参考にして頂ければと思います。

    まず、この試験は第3次試験まであり、1次試験が農業簿記、2次試験が農業政策、農業簿記その他2科目+レポート2課題(別紙1)、3次試験が集団面接試験という構成になっています。

    1次試験は、あらかじめJ-PAOから農業簿記のテキストが送られてきます。そのテキストには、農業に独特な科目の紹介、基本的な簿記仕訳についての説明を行っています。私は代表的な仕訳を自分でまとめ、何度も繰り返し練習し反射的に書ける様にしました。第1次試験の農業簿記の試験は、5月と10月に年2回開催され試験時間は、1時間となっています。実は1次試験は、同じ関東ブロックの先生にアドバイスして頂き2度目でパスし、1回目は時間が足りなくて苦労しましたが、2回目は30分で書き上げ問題文をじっくり再確認する時間が出来るほどになっていました(毎回内容は、異なっています。)。

    第1次試験の合格点は、全受験生の平均点以上でなければパスしないため、合格点として常に90点以上取るつもりで望まないと痛い目に遭うと考えてください。ちなみに5月の平均点が75点、10月は85点でした。

    1次試験の農業簿記の構成は、大問3題(カテゴリとして期末在庫、生物の償却、使用した飼料・肥料の期末仕訳)、小問として2から3問の構成となり、全体で7から8問で構成されています。解答ポイントは、農業独特の収穫基準、総額表示、育成仮勘定と育成費振替高の関係はしっかりと把握しておくこと、収穫基準に関して収入金額の把握の方法の理解は必須です。そのためにはテキストを読み込むこと、仕訳を覚えることの2つが重要となってくると思います。次回は,クロス・ウエーブ府中で行われた研修及び2次試験、その後の3次試験の概要について記述します。

 

特に農業簿記と労務管理が難しい

・・・・24年農業経営アドバイザー第16回試験の受験後記(その2)・・・・

                       
     さて、1次試験(1次試験受験者542名)を通過すると2万円+α(書籍等)の経費が掛かりますが、事前研修と2次試験(5日間)を北府中のクロス・ウェーブ府中で受けることとなります。昨年11月の受講生は、J-PAO発表で358名と言うことでした。研修と受験スケジュールは(別紙1)を見て頂ければ分かりますが、9:30から1730までしっかり研修があり、最終日の午前中が試験となっています。膨大な資料を覚え、最後の試験に臨む場合、よほど自信のある方以外は、事前に購入するテキストだけでもチェックすることをお勧めします。もちろん研修の講師からは出題範囲は示されますが、研修初日にも資料が配付され、出題範囲の2倍ほど覚えることがあると考えた方が良いでしょう。

    研修では初日から参加するメンバー以外に、後半から税理士、公認会計士と言った講習の一部免除者が参加してきました。さらに前回1科目だけ合格点に到達しなかった者も、当研修にスポット的に参加する事が出来るようになっています。特に農業簿記・税務の参加者が多いと感じました。また、受講生の話を聞いていると、地方から金融関係、税理事務所の方も多く参加しているようでした。

    研修の内容で,私が特に難しいと感じたのは農業簿記と労務管理でした。農業簿記と併せて農業税務も研修で行うため、講師の方の一言一言に神経を集中していないとあっという間に置いてきぼりを食ってしまう感じでした。また労務管理は、農業独自の取り扱い例えば、超過勤務に対しては、超過時間分の通常賃金の支払いは必要ですが、割増賃金の支払いはない。ただし、午後10時から翌朝5時までの深夜業割増は適用除外となっていない・・・等整理すべきところが多々ありました。

     さて、いよいよ試験当日の概要を記述させて頂きます。

    試験の難易度(1易~5難)は、それぞれ得意分野が違うのであくまで目安ですが、私の感想から言えば農業簿記・税務5,労務管理4、農地制度・農業生産法人3、農業問題に関する論文試験2、レポート提出3です。試験時間は、農業問題に関する論文試験が1時間、その他が30分となっており、簿記・税務はその出題量に対して解答時間が30分しかないことから、おそらく当日の受験生の多くは手こずったのではないかと感じています。合格点は各科目であらかじめ設定されており、労務管理の50点以外はすべて60点です。

    1時限目の農業問題に関する論文試験は、400字原稿用紙(縦)に、何字以内で記載せよとの条件の下、「‘05食料・農業・農村基本計画」が目標とする農家の年間所得額、認定農業者とは、農業経営者を増加させる方法はと言った問題に関し4~5問出題されました。

2時限目の農地制度・法人制度に関する基礎知識は, 農地法及び農業経営基盤強化法による農地の権利移動(売買・賃貸)、耕作放棄地の定義、農地の固定資産税率等に関して○×形式で、全体で30問程度出題されました。

   3時限目の労務管理に関する基礎知識は、一つの問題に対して5つの選択肢から成り、正解ないし不正解の記述を選ばせるもので10問出題。例えば、産前6週間は本人の請求により、産後8週間は請求の有無にかかわらず休暇を与える。ただし出産後6週間を経過し本人が請求し、医師が支障ないと認めた場合は業務に就かせても差し支えないと言った農業以外にも共通する問題も出題されました。

    4時限目の農業簿記・税務に関する基礎知識は、先にも言いましたようにとにかく問題量が多いので留意して下さい。A3様式の3枚から構成され、全体で5問。また問2以降は選択形式になっていて数値も入れる様になっています。1次試験の時の仕訳、期末在庫、生物の償却、使用した飼料・肥料の期末仕訳は当然出題。肉用牛売却所得の課税の特例措置、経営改善基盤強化準備金仕訳と法人税申告書別表4との関係、消費税の簡易課税等出題されました。この時、救いになったツールは、農業簿記の仕訳を反射的に書ける様にしていたことでした。

    次に研修後1週間以内に提出するレポートについてお話しします。「農業マーケテイング企画書」は、地場の特産品を使用した地域活性化について、2000字前後(A4様式2枚)にまとめることで、私は「静岡みかんの再生を目指して」の題で作成しました。講師の方からの指示は、知識を知恵に転化して活性策を考えて下さいとのことでした。「経営分析・診断論述」については、あらかじめ問いが配布されますので、それに従って作成(A4様式9枚程度)すれば良いのですが、農家経営診断の具体的進め方(経営診断にあたって特に重視する視点)について、しっかり書けば得点は高いとおしゃっていました。

   そして3次試験は公庫東京支社で行われ、当日230名の合格者に対して講師の先生方及びJ-PAOの担当者が2人ペアになり、5~6名をまとめて面接します。志望動機と、自分の強みを生かしてどの様な貢献が出来るか、その他フリートーキングで時間いっぱい各自が意見交換させていただくという感じです。

    以上概要をお話ししましたが、この紙面では完全にノウハウをお伝えすることは出来ません。受験講座にご期待ください。

   春の試験申し込みは終了しました。秋の試験(10月)に向け、今から準備すれば、充分な勉強ができます。ぜひ「試験・受験講座」にご応募ください。下記HP参照。

 

 

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