2012年9月21日金曜日

直売所「地球畑」(鹿児島市)は本格派の有機栽培品の販売店!

 
  講演の仕事を終えて、鹿児島市下荒田の無農薬・有機野菜の店「地球畑」を見た。正式には「かごしま有機生産組合直売店」である。他にも2つの店を持ち、組合員は150人にのぼると聞いた。

  荒田店は売場約47坪、レジ1台、駐車場も裏手に20台分あり、市街店ながら広域集客に耐えられるようになっている。隣にはレストランも併設され、有機野菜の料理も食べられ、万全の布陣である。営業時間は10時~19時30分。原則無休。

  「有機」を謳っていても、名ばかりの店が多い。ここは「地球畑はいのちと環境を守る有機農業の店です」「顔の見えるつながりを大切にし、おいしさと安全をお届けします」とコンセプトも明確なら、
信頼を裏切らず55品目ほどの野菜すべてが、「無農薬・有機肥料の栽培」である。JASの有機認定の赤いシールを張った認証品も10品近くを数える・・・さらにパケージに印刷したものもあるはず。

  慣行栽培品は完全に排除されており、「無農薬・有機栽培品だけのの直売所」という鮮明な特徴を持つ。全国的に見ても稀れな存在だ。東京でも有機が売りの小型店を見たことがあるが、「減農薬率が20%程度のものもある」と聞いて、看板に偽りありと思ったことがある。ここは本物である。

 加工食品も安全志向のこだわり品で全品固めている。また精肉や鮮魚も揃え、直売所としてはワンストップ・ショッピングのニーズに応えている。日配品も含めれば、平の冷蔵オープンケースも5台あり、計34尺にもなる。



 
 正確なことは分からないが、こうした有機専門の直売店がいくつもあるのは、有力な指導者が古くからいて、かつ県や市のほうでも有機農業を推進してきたからあと思える。店内にNPO法人「鹿児島県有機農業協会」のオーガニック=Organicという立派でモダンな体裁の雑誌も置かれていたが、①JAS認証の有機農産物はここで手に入ります、②農家の台所、③オーガニックフェスター今年も開催、④原発と有機農業、⑤畑の学校、⑥特集ー健康に生きていくために、⑦有機農産物が、なぜ拡がらないか?・・・の見出しが躍っていた。身を切りながら、説得を試みる⑦のような内容もあり好感が持てる。

 
 NPOといった推進母体があり、個人会員でも入会金2,000円、年会費5,000円も払っている。これはすごい。鹿児島は日本一の有機推進県と思えてならない。高温・多湿の日本では、病原菌や害虫が発生しやすく、減農薬は難しく、有機農産物の流通は農産物全体の0.18~0.19%ほどとされる(認定を受けない隠れ有機はカウントされていないはず)。この気候的な困難さに負けず、環境・食の安全の理想に向け努力を続ける鹿児島県に敬意を表したい。

 EU諸国は農地の3.5%が有機栽培だ。アメリカは年率9~16%の割合で伸び、いま現在流通シェアは3%ほど。9年前の統計で食品類の1.9%を占め、スーパーで44%、自然食品の店で47%、直売や生協ルート、輸出で9%となっている。日本との差が大きいが、日本のばあい栽培の大規模化や省力化の面で遅れをとっていて、出回りが少なく馴染みがないことも原因。 
 

  隣のレストランでは、有機野菜の天ぷらセット、特製野菜シチュー、900~930円、有機おにぎり2ケ300円ほかメニューも豊富。

 「地球畑」の偉さは、一般小売店並みに販促も多様な形で行っていることだ。手づくりのチラシには1ケ月分の販促企画が1日ごとに記され、さらに①曜日別の特売品も設定、②2~4日単位のテーマや部門に応じたイベントも多数組まれている(朝市、キノコ祭り、書籍フェアー、決算セール)。
さらに3店が競って独自のチラシを作っている点でも素晴らしい。







 

 

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