2024年11月14日木曜日

有機農業技術の集大成 農文協刊の大辞典

 

 戦後、長らく有機農業をけん引してきた農文協が、その集大成として「みんなの有機農業技

術大辞典」第1巻(共通技術編)と第2巻「作物別編」を完成、発売した。合わせて2,20

0ページに及ぶもので、2巻で定価44,000円である(2巻合わせ売り。単巻だめ)。

 1巻:共通技術編 ①有機農業とは何か ②有機農業と炭素蓄積 ③有機農業の共通技術 ④農家の有機資材 ⑤無農薬・減農薬の技術 ⑥話題の有機栽培 付録

 2巻:作物別編 ①水稲 ②畑作・転作作物 ③野菜・花 ④果樹 ⑤茶 ⑥畜産 検索 

出版の目的は  

 有機農業に取り組む農家の経営体は、現在全国に約6万9000戸あるが、その63%は65才以上。うち7割は後継者がいない。このため先駆者の知識や技術が失われてしまう。一方で今、新規就農者の20%が有機農業に取り組んでおり、技術の伝承はいそぐべき課題だが、それなら農文協が得意分野である。

本書は、農水省が作成した「みどりの食料システム戦略カタログ」にも対応している。カタログ紹介されているさまざまな技術や研究を、より詳細に解説する内容。そして、例えば「RNA農業」や「ゲノム編集」などは掲載していない。すべての研究を載せるのではなく、「農家が本当に現場で使えるか」という視点で厳選している。

本書は「共通編」「作物別編」各1100~1200ページの2巻セット。その核をなすのが全国の農家事例、農文協の機関雑誌「現代農業」に登場する農家たちから、試行錯誤して磨きあげた農業技術を、改めて紹介してもらっています。

有機農業にはさまざまな農法や流儀がある。耕すか耕さないか、動物性堆肥を使うか使わないか、JASで認められた農薬を使うか否か・・・本書では、これらの違いを乗り越えたいと思ている。(一部省略)


 

 

 

 

農産物直売所の珍しい品揃えー埼玉県日高中央例

 

写真①上 木の古株を加工した置物や骨董
 日高市中央農産物販売所の紹介は3回目になるが、秩父市に通じる299号に面し、観光客を広域に引ける優位な立地だ。ために事実、売り場面積474平方メートル、駐車場約100台で、レジ5台という繁盛店である。顧客が多いこともあるが、「こんなものが」と思える他所の直売所で見たこともない珍しい品が多数ある。

 例えば・・・イネわら1袋500円(以下総て税込み)、イネもみ殻1袋500円、堆肥1袋225円、竹炭5リトル550円。このほか最初の写真のように、林に放棄された木の根(あるいは河川の流木)を加工したような置物、骨とう品とも言える火鉢などまで、かなりな量を置いている。盆栽も別途ビニールハウスも設けるほどシャボテンまで含め沢山扱い、青松12,000円、真柏13,000円という品もある。農村と都市とが接近し、消費も共通してきており、農家の皆さんが「これがあれば役立つ」「これはうるおいになる」と思ったものを販売して、成功しているように思う。







写真⓶ 松や柏、シャボテン他の盆栽

         

写真③上 野菜苗を保護するための敷き藁          写真④下 消臭の竹炭










写真⑤
 家庭菜園向きの堆肥やもみ殻も                         
写真⑥ 家庭菜園用の堆肥

 花は店舗内の33㎡ほどに、金属製の花桶を100ほども置き、ゆうに50種を超える様々な切り花が用意され、極めて選択性が広い。花栽培農家も多いようだ。店頭では16㎡ほどにパンジー、ビオラ各120円ほかの絞られた鉢花が並んいる。そのわきには、持ち帰りやすいようにポリ袋にいれた野菜苗も写真のとおり置いている。


  




写真⑦ 野菜苗


     

写真⑧ 切り花コーナー






写真⑨下 鉢花コーナー