2014年5月3日土曜日

農産物直売所の伸びは赤信号-生産者志向が強い!


1.伸びから見ると赤信号が点滅

 これまで順調に伸びてきたと見られた直売所だが、農水省のH21年度の「農業センサス統計」と、最近発表された「農業の6次産業統計」の二つを組み合わせた場合、成長期―成熟期を経て、すでに低迷期にあるとすら言える。要素によっては伸びがほとんど見られないのだ。

 表―1 件数及び年売上高に推移



年度

総事業

体数

年売上

(億円)

総従業者

数(人)

1件年商

(万円)

1人年商

(万円)

21年

16,816

8,767

119,000

5,213

736.7

22年


8,176

181,600


450.2

23年


7,927

200,000


396.4

24年

23,560

8,448

214,900

3,586

393.1

24/22

 

1.033

1.183

 

0.873

 

 二つの統計は、分類条件が異なるので比較しにくいが、事業体数は、21年に16,1816件だったものが、24年は23,560件と1.40倍も伸びている。これはビニールハウス状の小屋掛けの零細な直売所が、6,000近く新規計上されているため(年商517万円平均=日商1.4万円程度)だが、事業件数が大幅増なのに年売上高は24/21年の比較では0.964倍と減少している。1事業所平均の売上高となると5,213万円が3,586万円と0.688倍と大幅減である。統計の不備によるが「成長著しい産業」とは到底言えない。高齢化による出荷力の衰えを反映している面もある。
 

2.伸びない要因を自ら作る 

スーパーであれ、コンビニであれ、ホームセンター、ドラッグ・ストアであれ、少子高齢化、長期のデフレ下で伸びを失っている。違いはこれらの業態は、品揃え強化、コスト削減、長時間営業、日々の販促、スタンプ等、あらゆる努力をしていることだ。コンビニなどは、日々新規商品を投入、青果やカット野菜、安いスイーツ、ATM・各種料金の支払いサービス、時に配達も充実・・・と、極限の努力をして、少ないなりに売上高を伸ばしている。 

直売所は、顧客志向ではなく、時に生産者志向で「自ら発展性を摘み取っていないか」と思う。

    「新鮮さが売りだから」と、売り切りごめんの商法で、営業時間は開店9~10時、閉店17~18時。労力シフトが楽だから週1回休みと、ほぼ決まっている。長時間営業とか年中無休という発想は皆無に近い(道の駅型は例外)。

    「地産が建前だから」と、品揃えが不十分なのに、他産地から連携購入するとか、市場仕入をして補うことをしていない。

    「地消が建前だから」と、地方へのネット販売・宅配も軽視している場合も多い。

高齢化で出荷が減っているのに、新規の出荷希望者を拒む例もある。会社のリタイアー組を出荷者として育てる努力もしていない。

「顔の見える販売」「消費者とのふれあいを重視」と謳いながら、3店で来店客調査をするため3~4人で計6日間店頭に立ったが、消費者と会話している店長、出荷者が消費者と2~3分と会話している姿をほとんど見られない。 

 以上、改善すべき要素は無数にあり、直売所は努力すればまだまだ伸びる産業であると思う。現に夜間営業もし、7~8店と伸ばしている民間経営の直売所もある。良品販売に心がけ、直売所自身の信用力=ブランド力を高め、広域からの集客に成功しているところも多い(茨城県つくば市の「みずほの村市場」ほか)。広域から県内特産品と言うものを集め、組織的にネット通販をし、全国に宅配している例もまた多い(熊本市のJA「YOU・YOU」ほか)。「自身で壁や限界を作るなかれ」「日々イノベーションを図る」を、肝に銘じて欲しい。努力の方向性については、別項に譲る。

 

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