2014年2月24日月曜日

農業の魅力は「白いキャンバスに創造性あふれる絵を描けること」!

 農業は自然の気象条件とも戦わねばならず、極めて不安定なことだ。当然経験の豊富さも要求される。だが、工業や商業と異なり、「大地という白いキャンバスに、創意あふれた絵を描ける」という魅力もある。全国を回ると、この魅力を追求する30~50代の若き農業者が増えている。どこの誰とはこの際書けないが、一例を紹介したい。 

 Aさんはダイコンを9ha作っている。全体では13haの耕作面積である。Aさんのすばらしさは、

    これまでのダイコンの栽培法にとらわれず、ほぼ全面的に独自に創造した有機主体の特別栽培をしていること。

    その基本は土作りをするとともに、作物の体力作りをし、丈夫で安定した生産量の確保や美味しい商品づくりに徹していること。

    一時的に高い価格を求めるのでなく、契約生産で「安定した一定の価格が得られることを良」としていること。 

については問屋を介しスーパー、生協、飲食店等と契約生産している。1本当たりサイズにもよるが52~57円の間。JA経由の市場出荷では箱代を除き、この時点で1本平均60円になるそうだが、実際は相場の乱高下があり、儲からないときもある。契約生産はその逆である。 

についてはどうか・・・ダイコンが2股になるのを避けるため、堆肥をまったく使わない。毎年圃場ごとに土壌検査をし、圃場ごとの検査結果を踏まえた施肥基準表を作成し、約13種もの有機由来の肥料を施肥している。当方の無知なためもあるが、知らない名の肥料ばかりで、驚いた次第である。 

主なものは発酵鶏糞10a60kg前後で、この他、米ぬか・菜種粕を枯草菌で処理した「酵素で、くさーる」、米ぬか・菜種粕をパン酵母で処理した「かにこうぼ」、とり糞の化石をくだいた「インドネシアアグノア」、珪酸カリ、ヤシの燃焼灰の「草木灰カリ34」、ドイツ産鉱石の粉末「ネオキラーゼ」、貝の化石の「ミネラル大地」、防酸苦土タンカル、ホウ素からなる「粒状ボラックス」、硫酸マンガン、熔リン、そして褐炭の「ふーみん」である。「ふーみん」は10a100kgも与えており、土壌改良が狙いのようだ。 

生産量は慣行栽培と同等だが、10aの肥料代は30,000円ほどになり、一般レベルの2倍以上になるが、病虫害防除は3回にとどまる。美味なダイコン作りを目指すため、「当然やや肥料費は増える」が、労力費や出荷経費の縮小を考えれば採算性は高まる。また、生協組合員との交流もしており、消費者志向を貫いている点で評価できる。 

Bさんは大規模法人経営の管理を任されたミドル・マネージャーだ。外部サラリーマンからの転職者であり、白いキャンバスで、計数管理を重視して農業を実践している。 

農園面積全体では55haにも及び、ダイコン、ニンジン、ホウレンソウ、コマツナなどを栽培、一部はハウス、多くは露地である。 

法人化した大規模農業であるが、全圃場について圃場ごとの栽培履歴をキチンと記録し、生育も見ながら正しい施肥・防除管理をするよう努力しているのが素晴らしい。

    播種等 圃場面積、品目、品種、種子消毒の対象病気、作型、播種日、播種量、定植日、定植の株間等。

    施肥 散布日、肥料区分、肥料名、散布量、窒素含有量、作業担当者等。

    防除 防除日、目的、薬剤名、薬量、希釈水量、作業担当者等。…この中には、液肥などの散布も含んでいる。 

 大規模になればなるほど、複数人数で分担して作業をするため、間違いも起きやすい。これを是正し、かつ最適の生育を支えるには以上の管理が必要である。 

残念ながら、まだ作物の部門別の収支管理まで行っていない。作業時間まで管理し、部門別のコスト算出に結びつけられれば最高である。しかし、農業には「豊凶・相場の変動がつきもの。部門別の±ならして収益を確保する」という側面がある。「部門別の収益が不明」と言って攻めるのは酷だともいえる。まず、作業のミスをなくし、生育の最適化を図ることも大切である。

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