2014年1月28日火曜日

農業6次産業化事業の問題点②競争力も持った面的事業の創造!


Ⅰ.点でなく面的展開の6次産業創出

 6次化事業の問題点は①でも明らかにした。どう今後改善すべきか?
 

1.これまでの6次産業化は、3月、8月、12月の申請締切日に追われ、急ぎ案件を拾い上げる形で推進されてきた。これでは中・大型の付加価値と同時に競争力を持った6次化案件にはならない。拾うのではなく優良な6次化事業案件を計画的に創造する(それには1年くらい掛ける)・・・姿に変える必要がある。 

2.当初、国―地方農政局-県農政事務所―サポートセンターという組織で推進されたため県庁―市町村が疎外され、当初市町村を回っても「6次産業化への理解」はゼロに近かった。その後、各種の6次教育が市町村や農林振興センターレベルでも行われ、すでにかなり徹底を見た。 

この現状を踏まえ、全市町村や全農林振興センターからアンケートを取り、6次化のニーズをあらかじめつかむ。Ⅱ項の別表のように詳細な地域資源調査をプラナー等が実施し、6次化案件を面として開発・創造していく・・・このプロセスこそが、「雇用創出―地域活性化」の面としての広がりを推進することにつながる。また、大型案件を想定した農業ファンドも生きてくる。 

3.認定案件も「新規加工・販売法」に限定するのでなく、既存の加工施設、貯蔵・集配・営業の施設であっても、融資・補助を認め支援する。そうすれば地域の拠点施設として、周辺農家グループの零細案件も、この施設を利用し、生産性を高める方向で参加できる・・・つまり「零細案件の切り捨てではなく、グループの一員として育成」することができる。

そして、地域が面として機能するようになれば、地域ブランドの形成も容易になり、地域力も高まる。 

上記の加工・貯蔵・集配・営業機能まで持つ拠点施設があれば、ロットの少なさ、受発注の煩雑さ、加工・物流コストの問題も、マーケットとのマッチイング問題も解消できる。定年退職した食品関係の営業マン等を配置する労力費等も支援対象とすべきである。 

4.今後、6次化が進めばメーカーや民間の中小加工場も、必死に「こだわり品」解発にも力を入れ、零細な6次産業事業は生産性に低さ=きわめて割高な商品として、「直売所限定」「ネット直売限定」等の狭いマーケットで生きることになる。付加価値の実現に力を入れながらも、生産性の向上、適正売価を実現しないと、輸出も、デパート、スーパー、コンビニへの進出も進まない。
 

5.次に農水省が旗を振り、スーパーはか各種の小売業にも6次産業に理解を持ってもらい、6次化の協力協議会等に参加してもらい、「売場のこだわりの6次産業化産品」のコーナーを設けてもらうくらいの努力もすべきである。現状は「農林水産業の内輪だけの6次化」との色彩が実に強い。消費者や小売業参加型の動きにはなっていない。 

スーパーとて「安売り競争」に終始していれば未来はないため、別のフォーマットの「グレードアップのこだわり店」も作り始めている。また当方の「食の主婦のライフスタイル」分析(9都府県500サンプル)によれば、因子別構成比を出すと価格志向因子を持つ主婦は26.7%に過ぎず、鮮度・品質志向因子36.7%、品揃え志向因子26.9%、便利志向因子14.7%から見れば、本来は少数派である。スーパー等は、安さだけに走らず、本来なら鮮度・品質、品揃えを志向する客が求める「こだわり品」の開発をすべきなのに、これを怠ってきた。農水省がもと活発に、多種の小売り・飲食業界に6次産品の戦略的扱いについて旗振りすべきである。
 

 以上を要約すると、次の5点になる・・・

1.市町村のニーズに従い6次化推進

2.調査からスタートし、起業グループを計画的に開拓・創造

3.拠点加工場・集配施設をつくり、かつ営業拠点にしマーケティング力強化

4.各種の加工を集中し、ローコスト主義で付加価値・所得向上

5.デパート、スーパー等に6次化品の戦略的価値をPR

 

Ⅱ.地域資源の集約する聞き取り調査

 さて、触れてきた地域資源調査の具体的な提案だが・・・

1.対象 市町村関係部局、関係農業振興センターの関係部局、市域商工会、地域婦人会、地域のJA、JA専門部会の長、JA婦人部、JA青年部等を対象とした、下記内容の聞き取り調査から入り、加工グループと案件を創造する。

2.調査内容


 要素

 詳細

1.農林水産資源

農産物、林産物、海産物の地域特産品、過去に採れていた品、不良品として破棄されているもの

2.山野・川・海等

の資源

 

野草、林地で取れるもの(榊、つま物、枝もの)、淡水魚、見捨てられている魚等

グリーンツーリズムの施設等

3.生産・加工等ので

きる指導人材資源

部門別の生産・加工のできる人材発見→野菜、果物、米、雑穀、肉、卵、牛乳、林業、漁業、その他

4.既存の加工・物流

 等の資源

食品加工場、倉庫、集配センター・配送業者、問屋、市場、インターチェンジ・高速道路

5.売先の資源

直売所、ドライブイン、道の駅、レストラン、給食センター、民宿、ホテル、スーパー等

6.観光地・史跡等

 

 

市町村の歴史と個性の再発見

景観、寺社仏閣、史跡、遊園地、保養地

商品のストーリ性と連動させる

  最終的には、やる気とノウハフを持った人材の発見だろう。零細事案であっても、事業申請を発起した人は、この資格を持つといえる。いままでと違い、発起を1人、2人に終わらせず、同種・・・たとえば、野菜、果物、畜産品等々とグループ化し、生産単位をまとめ、省力化に見合った加工・貯蔵・集配・営業の生産性を考えた事業に組み立てることだ。 

 また、商工会、会議所、青年会議所からも消費のニーズを十分に聞き、連携してもらい、[直売所・ネット直売本位」の壁を破り、最低地元商業者に販売してもらえる体制を作ることだ。これでこそ地域ブランド化も進む。 

 本ブログにも紹介した、埼玉県所沢市の里芋の無価値な親芋を使った「恋の咲くところ」ブランドの芋焼酎は、現在720mlで年7000本の出荷となっている。商工会議所の青年部が主導してくれ、市内の20以上の酒専門店、同じく20以上のレストラン等でカクテルに取り入れてもらい成功している。隣の狭山市でも親芋を使った里芋コロッケが多数の肉店で販売されている。幸手市のJAみずほの「さくらファーム直売所」も、開店前に地元商工会議所と数回の打合せ、講演会を催し、地元専門店10数店がテナントとして売場を担当し、直売所の強化につながった。 

 地元商工会・会議所も当初からアンケートの対象にし、その連携を深めることが、販売力の強化、ブランド化、6次化ファンド化にもつながる。

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