2013年6月9日日曜日

農産物直売所の立地選定の難しさ-閉鎖商圏では誘導看板を!

1.奥まった場合はどうするか

 最近できた直売所について、感じることは立地選定の難しさとその対応策である。丸2年前にできたAのばあい50坪ほどだが、幹線道路から折れ、サブ幹線道路を走って300mのところ。幹線道路はサブの10倍くらいの通行量。店前の看板は途中で目立つよう大型にしましたが、2本の幹線道路に面した誘導看板はない。 

 Bは80坪ほどだが、3,000世帯の戸建ての大団地の中にある。だが平日ともなると閑古鳥が鳴き、納入某農家の販売は1日2,000円を割り込んでしまう。ここも団地の近くを幹線道路が走っており交差点がいくつかあるが、誘導看板がまったく見当たらない。

 なぜ看板、看板と言うか・・「鮮度・こだわり本位の品質志向客」を「広く浅く引いている」というのが直売所の特徴。近隣に何千世帯いようと、多くの人はライフスタイル面からなかなか来店してくれないのだ。 

 前に直売所の売上予測法を紹介したが、 たとえば売場150坪の大型直売所でも、半径1kmという近隣だけの計算だと、1世帯が年13.1回しか来てない。1km以内の近隣に3,000世帯としても、年客数は39,300人、客単価1,500円としても1km圏だけ対象なら年5,895万円しか売れないのだ。売場80坪とすれば約半分に目標が低下する。 

 チラシを開店時やその後数回まいたとしても、実際に来た人にしか「場所」は徹底しない。やはりやや費用がかかるが、要所・要所に4つほどは最低、誘導看板が必要である。日高市にあるタカハシタマゴは日本一の良質卵を目指し、1kgが2,000円を越える銘柄もある。直売所は見落とし勝ちの場所である(サブ幹線道路を曲がったところ)。だが、誘導の大看板は5km圏内だけでも10ヶ所ではきかないほどある。駅に看板も出している。


  それぞれの個性を売るのが直売所の特徴で、遠方客でも道路を走っていて、「あ、直売所があるね。買物がてら休んでいこう」ということになり、客数が徐々に広がるのだ。 

  中山間地にある直売所であっても「あと3km右。ひと休み!〇〇直売所」といった誘導看板がいくつかあれば、心の準備が出来て寄ってくれる。突然、直売所が見えても素通りしてしまう。 

    Bのばあい、顧客特性も無視している。子供向けのイベントには長けているが、一般的に若年主婦は安い店や便利な総合スーパーを好む。当方の直売所3店の調査では、20~40代の主婦比率は平均24.9%だ。土日にやや改善されるが33.0%に上昇するに過ぎない。

    75%の客は熟・高齢主婦なのだ。この点からすれば「こだわり」「鮮度・品質」を訴えるPOPが必要(現状はレシピ中心のPOP)。イベントも介護や健康本位など新作戦が求められる。 また閉鎖商圏のばあい、地元の消費を確実に取るには野菜以外の高回転商品も揃え、ミニ・スーパーに近づく必要があるが、B店は果物の品揃えがわずか数品、日配水物(豆腐、納豆、ゆで麺、漬物等)の冷ケースも4尺分に過ぎない。

2.総合スーパーとの相性は悪い

 次に・・・ある大手スーパーのショッピング・モールの敷地内に直売所を出した例だが、調子が良くないと聞いた。「だれしも吸引力が利用できるのでは」と考え勝ちだが、両者の相性は良くないと見るべきである。

  全国300ヶ所のスーパーの立地調査もし、主婦のライフスタイル分析もしてきたが、総合ス-パーを好むのは「1ヶ所で総て揃う」「豊富な品揃え」を店の選択基準にするV型(バラエティ=品揃え志向客)、一方の直売所は「鮮度・品質・安全」などを好むQ型客(クオリティー=品質志向)に支えられている。水と油の関係にあり、同一敷地内にあっても補完関係にないのだ。 

   もしすでに同一敷地にあるとするなら、独自のイベントほかの宣伝をし、敷地内まで独自に集客する必要がある。価格競争に走らず、「こだわり」を前面に出し、料理教室、チラシでのこだわりの宣伝を強化しQ客を育てる必要がある。QとVは水と油といったが、実際はQ型が最多ならQV型は2番手の多数派。やがて融合することも可能性大なのである。

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