2013年4月1日月曜日

飲食店チェーンの海外進出と丸亀うどんジャカルタ開店!

   このところ、飲食店チェーンの海外進出は活発である。高齢化や景気の低迷があり、国内の消費の伸びが期待できないためだ。1世帯の外食支出は平成9年がピークで、現在は当時の87%レベルである。ただし洋食やハンバーガー、中華は依然伸びを保ち、和食、寿司、うどんなどは漸減している。

  こうしたなか、成長著しい東南アジアなど国外に進出の飲食店チェーンが目立つ。イタリアンレストランのサイゼリア(国内770店)は、中国の上海、広州、北京、そして香港、台湾、シンガポールに出店している。

  カレーの「CoCo壱番屋」は、ハワイ、中国、台湾、韓国、タイに計48店以上進出。定食の「大戸屋ごはん処」(235店)も、台湾、タイに20店舗を持つほか、インドネシアの首都ジャカルタ中心に10店舗の出店を予定している。また石焼きステーキの「ペッパーランチ」は、韓国、台湾、シンガポール、中国、オーストラリア、香港に進出。国内186店に対し、国外がすでに31店舗という。

 うどんにおいても、目下業界1位の丸亀製麺(680店)、業界2位の「はなまる」(332店)が海外進出を競っている、はなまるは中国の四川省や上海に出、丸亀製麺は、ハワイ1、中国10、香港1、韓国2、タイ6の店舗を持ち、2月にインドネシアにも出た。

 問題は進出先でどのような原料調達をし、いくらで売り、何を目指しているかだが、丸亀製麺について、日系人社会のため発行されている日本語の「じゃかるた新聞」の開店時の探訪記事が出ているので、そのまま掲載した。なお、じゃかるた新聞は、スハルト政権が崩壊したあと、報道・出版の自由がなり、政治情勢等を広く邦人に知らせるため、1998年11月に発刊されたという。

 <2013年2月19日のじゃかるた新聞記事>
  讃岐うどんの日本最大チェーン店「丸亀製麺」のインドネシア第1号店が14日、西ジャカルタのショッピングモール「タマン・アングレック」3階にオープンした。初日は予想の2倍の700人以上が本場讃岐のセルフうどんを体験。日本の運営会社トリドールは、進出6カ国目となるインドネシアで成功すれば、今後イスラム圏への進出の手掛かりになると期待している。

     3年前にインドネシア進出を決定した。近藤肇海外事業推進マネジャーによると、インドネシア最大のピザチェーン「ピザハット」を運営する製粉会社のオーナーと合弁会社を設立。うどんの生地を作る小麦粉はインドネシアと豪州産を混ぜており、食材もインドネシアで調達することに努めた。美味しいうどんを作るには良質の水が大量に必要。その水の安定確保に、日本では考えられないコストがかかったという。

    自分でお盆を手に取りうどんを注文しレジまで進む数分間に、湯気の立つ大きな釜でうどんを茹でる職人、てんぷらを揚げる様子が間近に見える。多くのインドネシア人にとって珍しいうどんの厨房内を見るのは初めての体験だ。

    レジを過ぎると天かすやおろし生姜など薬味を自由に入れる場所がある。そこには丸亀製麺の他国の店にはないチャベ(唐辛子)を小さく刻んだ容器も置かれている。ほとんどの人が白いうどんが隠れるほど赤いチャベをたっぷり乗せ、さらに座席でもテーブルにある七味唐辛子を大量にふりかけて食べていた。

     一番安いかけうどん・釜揚げうどん・ざるうどんが、税込みで3万3千ルピア(約320円)。280円の日本より少し高いが、「ショッピングモールにある他の料理と変わらない」という人が多かった。「ひとつ1万ルピア程度のてんぷらは安い」ともいう。この日、えび天が他のてんぷらに比べ断トツの人気だった。

   マネジャークラスの6人は日本で3週間の実地訓練を経験。日本では、中年女性が少人数で店を切り盛りしている姿を見て驚いたという。

    丸亀製麺は日本の全都道府県に680店ある。2年半前にハワイに進出。現在、海外で20店舗を運営する。

    粟田貴也社長の経営方針は「成功とは、日本人より現地の人に食べてもらうこと」。近藤マネジャーは「うどんはどんな国でも受け入れられる日本食。インドネシアで数十店開店できれば、次はイスラム圏への進出が目標。世界中の人にうどんを食べてもらいたい」と話した。(紀行作家・小松邦康)

8月19日追記   その後、日経ビジネス7月15日号を見るると、丸亀製麺ではインドネシア人は日本と同じスープだと辛く感じるため、日本に比し塩分濃度を0.5%程度下げ、また「すすりやすい細めの麺が好まれるため、日本に比べ1mmほど細い麺を採用」としている。

 
 
 離しは少し異なるが、攻めの農業の中で、日本食のブランド化=パテント化をしていこうととする動きのなか、海外事情に詳しい識者から「海外は海外なりきの素材を駆使して独自の寿し他の日本食が作られ、日本食ブ-ムになっている。日本食のパテント化はこうした流れに反する」の意見が強く出ている。フランス、イタリア、中華、韓国料理にパテント料を払うなど、日本国内ではあり得ない。輸出の素材についても、それなりに付加価値のあるものには、高い価格が得られ、このなかにパテント料は含まれると考えるべきで、ブームに乗じたパテント料を考えるのは、思いあがりと言えるのではないか。

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