2012年9月12日水曜日

1直売所当りの人口密度と店舗開発の可能性!

 農水省のH21年度「農産物地産地消実態調査」の資料をもとに、1直売所当りの人口を計算すると、全国平均で約7,600人になる。世帯数にすると平均3,100世帯である。これには府県ごとの1店当たりの売場面積の要素が加味されていないが、仮に人口密度の高さを出店や現状の有利性とするなら、次の府県が有利・不利となる。

 1.より有利(人口36,500~10,,000)
 大阪、東京、沖縄、兵庫、神奈川、奈良、滋賀、愛知、香川、石川、岡山、埼玉、福岡、三重・・・上位→下位
 2.やや有利(10,000未満~8,000)広島、静岡、京都、長崎、愛媛、青森
   3.非常に不利(960~4,000未満)山梨、群馬、山形、島根、鳥取・・・不利上位→下位

 より有利なのは東京、大阪圏に集中している。しかし、直売所の顧客の85~100%は車客。「たまには息抜きで新鮮な野菜を得たい」というレジャーショッピング客だから、年商500万円に1台ほどの駐車場が必要だが、これら地域では廉価に広い駐車場が得にくい。最近も民間チェーンの東京型店舗(駐車場なし)を2店閉店するとの情報が流れた。徒歩、自転車、バスに頼るようでは広く集客できないことの証とも言える。

  埼玉県は1店舗11,000人ほどで、有利性が高い。某先生の講演では、「東京、神奈川、山梨、群馬、茨城、千葉と多数県に接し、この点でも有利」との指摘があった。だが県内一律ではない。
6次産業の案件開発で20ほどの市町村を訪ねたが、見渡す限り水田や木立だけの地区が広がるばあいもある。「観光資源がないので人が寄る拠点がない」「だから加工したものを、まず地元で裁くこともできない」といった悩みを多数聞いた。また「大きな公園があっても。消費の場とはならない」との声も聞いた。

 当方は青森から鹿児島まで約300ケ所のスーパーの出店リサーチを経験してきたが、立地は魔物と言える。スーパーと直売所の適正立地は一致しない・・・直売所の商圏半径は5~100、200kmと性格によって異なる。遠距離からも集客するとなると、近隣の世帯数は判断材料にはならない。観光ほかドライブのついで客を引けるかいなか、走りやすく出入りしやすい幹線道路なりサブ幹線道路に面しているかがかなりのウエイトを持つ。

  このため、観光資源が奥くや地元にない場合、やはり市町村や地元商工会等とも図り、観光資源の開発からスタートする必要もある。栃木県の茂木町ではサーキッドもあり、バルンレースも行われるが、農家は部落ごとにユズ、棚田、ソバ、シイタケ、トウモロコシ、ジャガイモその他のオーナー制度を6つ以上も立ち上げ、イベントを年複数回ずつ競って企画し、出入り客をふやしている。自らも観光開発もやり、6次産業化も進め、集客に成功し、中心部に道の駅付帯の直売所、農家レストランも開いている。

  すぐに真似できることではないが、地域資源の再発見(歴史・史跡・作物・海山の幸)や、これを通じた観光開発を進めることを通じ、じっくり直売所を作ることもまた必要である。逆に、急げばあとで閉店という悲劇も起きる昨今である。

  6次産業化も急ぎすぎるきらいがあり、急ぐあまり単独経営の案件が多く、5人、10人が寄った、そして5人、10人の雇用も生みだす申請案件は少ないように思う。直売所に付帯し、観光イチゴ園や体験農場を持つ例も増えているが、オーナー制度、体験農場といった観光資源に囲まれた直売所も視野にいれる必要がある。

  埼玉県の横瀬町に果樹公園道の駅があるが、ここなども「公園」という一定の敷地はない。道の駅の向かいの山全体に展開する農家が、それぞら観光農園を開いているのだ。中山間地でもこうした観光資源で補完すれば、直売所の力もつくのでは。

 















 

 
 

 

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