2012年8月5日日曜日

J-GAPシンポジューム-世界統一基準が不可欠!

    GAP(Good Agricultural Practice=グッド・アグリカルチャル・プラクティス)は、当初「良い農業の規範と訳され、最近は「農業生産工程管理」と呼ばれている。当方も指導員の資格をいただいたものの、後ろからトボトボとついて行く状態で、まだまだ勉強不足だ。
   
    7月18日()13~16時、東大農学部の弥生講堂で、「GAP Japan 2012」が行われた。①基調講演:農林水産省食料産業局長・針原寿朗氏の「農林漁業・農山漁村から日本を元気に」、②GAP普及大賞表彰とその内容の発表(北海道上川農業普及センター、「顔の見える野菜・果物」のセブンファーム)、③トークセション1:「JGAP認証農場は放射能問題といかに戦ったか」、④ト―クセション2:「流通・小売業とGAP」について、発表・討論がされた。ポイントはなにか・・・ 

 1.農産物が国境を超え、行き交う時代になり、産地もグローバルな視点で選ばれる時代。農場管理の善し悪しがGAPで判断される時代。

 2.世界のグローバルGAP認証農場は10万件、うち80%の約8万件はEU、日本・韓国・タイは合わせて1,681件、その他は不明。アメリカはGAPが乱立、その他メキシコGAP、チリGAPなど。

3.世界のGAPの標準化争いに、日本としてどれだけ影響を持てるか(これはTPPと似ているかも)が問われ、日本でのグローバルGAPに向けての努力が進めば、それだけ標準化の発言力も増す。日本は米、お茶の面でグローバルGAPの議論をリードできる立場にある。

4.JGAPが「安全性の高い農産物が生産できる目印」となることを目指し、将来は東アジアや東南アジアに対してもJGAP基準を広めていく。

5.この一貫として「JGAP認証農場」のマークも設定し、商品に表示できるようにした。セブンファームからは「努力も伴うので、その努力への証としてのマーク表示は助かる」との意見も。

6.実際、日本におけるGAPの採用は統一されていない。農水省の23年3月調査によれば、導入産地の数は(福島県除く)

H19年 7月   439
H19年12月   596
H20年 7月  1,138
H21年 3月  1,572
H22年 3月  1,984
H23年 3月  2,194
 

 となっているものの、H23年3月時点のGAPの種類別に見ると・・・
基礎GAP4%、都道府県GAP19%、民間団体GAP8%、JAグループGAP37%と分散し、グローバルGAPに向けての厳しい基準に受けての統一がされていない。これでは、世界相手にGAPについての発言も出来ないし、輸出の面で戦えない。

 7.JGAPはH24年3月末で1,681農場の認定である。またグローバルGAP20農場である。1農場3,000万円の売上高として計340億円の売上規模。これを27年3月末にはJGAP20,000農場、グローバルGAP2,000農場とし、1兆1,000億円にまで高める。

 8.普及のための具体策
①すでに触れた「JGAP認証農場」のマークを採用し、生活者に農場の取組を分かり易く伝える仕組みを作る。
 ②農産物ブランド創りに必要な品質管理の手法として普及。信頼されるブランドの発展に寄与する。
 ③農場管理の効率化、農業経営体や生産者団体の経営力を高める手法として普及する。
 ④農業界と流通業界が協力し、産地管理を簡素化するためJGAPを最大限活用していく。

 
 いずれにしても、第3者の認証があって、初めて世間が認めるわけで、当然認証のための費用もかかる。この費用がかからなくて済むよう、さまざまなGAPが登場する。だが経済行為に費用はつきもの。「安い方法」を選択すれば、対外的な信用はつかない・・・このへんの理解が必要である。

 今回会議で、EU諸国では「消費者がグローバルGAPの存在を全く知っていない」との話も聞いた。日本のトレーサビリティも95%以上の消費者は知っていない(当方埼玉2地区調査)。安全とは「消費者の立場に立ち、関係業者が陰で安全システムを構築することなり」というのが実態と言える。推進当事者にとって「認証マーク」は有難いことだが、顧客への徹底を望むことは難しいことも知るべきである。


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